若年者と高齢者における日々の感情の個人内変動――予備的日誌調査
Intraindividual Variability in Daily Affect in Young and Older Adults:A Pilot Daily Diary Study
中川 威、安元 佐織、樺山 舞、松田 謙一、権藤 恭之、神出 計、池邉 一典(2021)パーソナリティ研究, 29(3), 162–171
7日間の日誌調査から、高齢者は若年者より日々の感情の変動性と不安定性が小さいことを示した。
要旨根拠:抄録
加齢に伴う感情の変化は主に年単位の長期的変化として研究されてきたが、日単位の短い変動についての知見は限られている。本研究は、日々の感情の個人内変動に年齢差があるかを検討した。若年者19名(19〜29歳)と高齢者21名(82〜84歳)に、ポジティブ感情とネガティブ感情の程度を7日間毎晩回答してもらう日誌調査を行った。変動の指標には、変動性(=個人内のばらつき)、慣性(=前日の感情が翌日も続く程度)、不安定性(=日ごとの急な変化の大きさ)の3つを用いた。その結果、高齢者は若年者に比べて変動性と不安定性が小さく、また高齢者でのみポジティブ感情の慣性が高い人ほどネガティブ感情の平均が高かった。高齢期の感情の安定性を示す予備的知見であり、その仕組みの解明が今後の課題とされた。
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