「持っていないものを欲して、いま持っているものを台無しにしてはならない」
Do not spoil what you have by desiring what you have not.
— エピクロス 『バチカン写本』断片35
欠乏への注目は現在の豊かさを損なう
- 心理学では
- この言葉は、足りないものに注意が偏る「欠乏への焦点化」を戒め、すでにあるものへの感謝(恵みに気づき、ありがたく思う心の働き)を勧めている。Larsen & McKibban(2008)は、大学生の持ち物について「持っているか」「欲しいか」を尋ねる相関研究を行った。その結果、欲しいものを持っている人だけでなく、持っているものをなお欲する人ほど幸福感が高かった。Emmons & McCullough(2003)の実験では、感謝できることを毎週書き留めた人は、煩わしい出来事を書いた人より人生を前向きに評価した。一日の終わりに今日あってよかったものを三つ思い浮かべる習慣が、手元の豊かさを守る助けになる。 参考:Larsen & McKibban(2008)「Is Happiness Having What You Want,…」 ↗/Emmons & McCullough(2003)「Counting blessings versus burdens:…」