幸せの名言集

マザー・テレサの名言5選

カトリック修道女(1910-1997)

「平和は微笑みから始まります」

Peace begins with a smile.

— マザー・テレサ 講話より

小さな微笑みが関係と平和の起点になる

心理学では
微笑みが平和の起点になるという言葉は、心理学でいう感情伝染(表情や気分が周りの人に自然とうつる現象)の考え方と重なる。Dimbergら(2000)は、本人が気づかないほど短い時間だけ笑顔の写真を見せる実験を行い、見た人の頬の筋肉が微笑む方向に動くことを示した。笑顔は、意識より先に相手へ届くのである。さらにFowler & Christakis(2008)は、米国の地域住民を長期にわたって追った縦断研究で、幸福な人と身近につながっている人ほど、のちに幸福である傾向が見られることを報告した。一つの微笑みは、人から人へ広がる波の始まりになる。朝のあいさつや会議の冒頭で、まず自分から穏やかに微笑むことが、場の空気をやわらげる第一歩になる。 参考:Dimbergら(2000)「Unconscious Facial Reactions to Em…」 ↗/Fowler & Christakis(2008)「Dynamic spread of happiness in a l…」
「愛の反対は憎しみではなく、無関心です」

The opposite of love is not hate, it's indifference.

— マザー・テレサ 講話より

同趣旨の言葉はエリ・ヴィーゼルにもある

愛の敵は敵意ではなく無視である

心理学では
この言葉は、心理学でいう社会的排斥(オストラシズム:無視されたり仲間外れにされたりすること)の痛みと重なる。Williamsら(2000)は、ネット上のボール回しゲームで参加者にだけボールが回ってこない状況をつくる実験を行い、短時間無視されただけで帰属感や自尊心、自分の存在が意味をもつという感覚が低下することを示した。Wesselmannら(2012)の実験では、見知らぬ通行人に目を合わせずに素通りされるだけでも、人とのつながりの感覚が弱まった。人は敵意を向けられる以前に、存在を認められないことで傷つくのである。忙しい日ほど家族や同僚に目を向け、ひと言声をかけることが、愛情を伝える確かな一歩になる。 参考:Williamsら(2000)「Cyberostracism: Effects of being i…」 ↗/Wesselmannら(2012)「To Be Looked at as Though Air」 ↗
「愛は、まず家庭から始まります」

Love begins at home.

— マザー・テレサ ノーベル平和賞受賞講演ほか

遠くの誰かの前に、最も近い人を愛せ

心理学では
この言葉は、愛着理論(身近な人との絆が心の「安全基地」となり、外の世界へ踏み出す力を支えるという考え方)と重なる。Mikulincerら(2005)は大人を対象とした実験で、大切な人を思い浮かべてもらうなどして心の安心感を高めると、苦しむ他者への思いやりや、助けようとする気持ちが高まることを示した。また、Waldinger & Schulz(2010)は80代の夫婦を対象に、日々の様子を記録する日誌研究を行った。その結果、結婚生活に満足している人ほど、体の痛みが強い日にも気分が落ち込みにくかった。身近な家族に感謝と思いやりを向けることが、より広い他者へ届く優しさの土台になる。 参考:Mikulincerら(2005)「Attachment, Caregiving, and Altrui…」 ↗/Waldinger & Schulz(2010)「What's love got to do with it? Soc…」 ↗
「最も恐ろしい貧困は、孤独であり、愛されていないという感覚である」

The most terrible poverty is loneliness, and the feeling of being unloved.

— マザー・テレサ 発言・講話より

孤独は物質的貧困に勝る苦しみである

心理学では
この名言は、心理学でいう主観的孤独(人とのつながりが足りないと感じる心の痛み)の重さを言い当てている。Baumeister & Leary(1995)は、人には帰属欲求(受け入れられ大切にされたいという根本的な欲求)があり、それが満たされないと心身に広く悪影響が及ぶと論じた。さらにHolt-Lunstadら(2015)は、多数の追跡研究をまとめたメタ分析で、客観的な孤立だけでなく「孤独だ」という感覚そのものも早期死亡リスクの高さと関連することを示した。問われるのは周りにいる人の数ではなく、愛されていると感じられるかどうかである。身近な人に感謝や気づかいを言葉で伝えることが、自分と相手の両方の心を豊かにすることにつながる。 参考:Baumeister & Leary(1995)「The need to belong: Desire for int…」/Holt-Lunstadら(2015)「Loneliness and Social Isolation as…」
「私たちは大きなことはできません。小さなことを大きな愛をもって行うだけです」

We can do no great things, only small things with great love.

— マザー・テレサ 講話より

行為の大きさより、込める愛の大きさ

心理学では
この言葉は、向社会的行動(他者のためになる行い)の価値が、行為の規模よりも、そこに込める動機の質にあることを示している。Dunnら(2008)は、参加者に少額のお金を渡し、自分のためか他人のために使うよう割り当てる実験を行った。その結果、他人のために使った人ほど幸福感が高まり、金額の大小は結果を左右しなかった。また、Weinstein & Ryan(2010)は実験と日誌研究を通じて、義務感からではなく自ら望んで行う援助(自律的動機による援助)が、助ける側の幸福感を高め、受け手にもよりよい影響を与えることを示した。日々の挨拶やちょっとした手助けも、相手を思う気持ちを込めて自分の意思で行えば、互いの心を満たす行為になる。 参考:Dunnら(2008)「Spending Money on Others Promotes …」/Weinstein & Ryan(2010)「When helping helps: Autonomous mot…」

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