死亡の危険因子としての孤独感と社会的孤立
Loneliness and Social Isolation as Risk Factors for Mortality
J. Holt-Lunstad, Timothy B. Smith, M. Baker et al.(2015)Perspectives on Psychological Science, 10(2), 227–237
社会的孤立、孤独感、一人暮らしはそれぞれ死亡リスクを約3割高め、確立された危険因子に匹敵することを示した。
要旨根拠:抄録
実際の社会的孤立と主観的な孤立(孤独感)はいずれも早期死亡のリスク上昇と関連するとされてきた。本メタ分析(=多数の研究結果を統計的に統合する手法)は、その全体的・相対的な大きさを明らかにし、調整要因を検討することを目的とした。1980年から2014年2月までの研究を複数のデータベースで検索し、孤独感、社会的孤立、一人暮らしが死亡に与える影響の量的データを統合した。交絡要因を統制した研究での重み付き平均効果は、社会的孤立がオッズ比1.29、孤独感が1.26、一人暮らしが1.32で、死亡の可能性がそれぞれ約29%、26%、32%高かった。客観的孤立と主観的孤立に差はなく、性別や地域を問わず一貫していたが、65歳未満のサンプルでより強く予測した。つながりの欠如が喫煙などと並ぶ健康リスクであることを示した。
関係メモ——この研究のその後
- 先行・基盤W0056 Holt-Lunstad(2010)の社会的関係と死亡のメタ分析を、客観的孤立・主観的孤独・独居の3指標に分けて発展させた。孤独感の独立効果を認めなかったW0169 Steptoe(2013)も統合対象に含む
- 後続・発展W0324 Valtorta(2016)が孤独・孤立による冠動脈疾患と脳卒中のリスク約3割増を示し、W0880 Holt-Lunstad(2017)が公衆衛生上の優先課題として位置づけ、W0270 Leigh-Hunt(2017)が系統的レビューの総覧で影響を確認した
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
この論文が出てくる研究の系譜
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 5本
- W0056 社会的関係と死亡リスク:メタ分析によるレビュー Holt-Lunstad(2010) PLoS Medicine 主要400 被引用 6,665
- W0063 孤独感は重要である:その帰結とメカニズムに関する理論的・実証的レビュー Hawkley(2010) Annals of Behavioral Medicine 主要400 被引用 4,226
- W2331 社会的ネットワーク、宿主抵抗力、死亡率――アラメダ郡住民の9年間追跡研究 Berkman(1979) American Journal of Epidemiology 主要400 被引用 5,297
- W0169 高齢男女における社会的孤立、孤独感、全死因死亡 Steptoe(2013) Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 主要400 被引用 2,333
- W0191 ソーシャルサポートと健康:疾病アウトカムとの関連の基盤となりうる生理的過程のレビュー Uchino(2006) Journal of behavioral medicine 被引用 2,451
後続研究(この論文を引用している) 13本
- W0324 冠動脈疾患と脳卒中の危険因子としての孤独感と社会的孤立:縦断的観察研究のシステマティックレビューとメタ分析 Valtorta(2016) Heart 主要400 被引用 1,732
- W0270 社会的孤立と孤独感の公衆衛生上の帰結に関するシステマティックレビューの概観 Leigh-Hunt(2017) Public Health 被引用 1,879
- W0400 所属感:概念上の論点、統合的枠組み、今後の研究の方向性に関するレビュー Allen(2021) Australian journal of psychology 被引用 840
- W0568 COVID-19パンデミック中の英国における孤独感:COVID-19心理的ウェルビーイング研究の横断的結果 Groarke(2020) PLoS ONE 被引用 660
- W0588 ソーシャルメディアと孤独感:なぜインスタグラムの1枚の写真は千のツイートに勝るのか Pittman(2016) Computers in Human Behavior 被引用 809
- W0788 孤独感が多様な健康アウトカムに及ぼす影響——包括的レビューとメタ分析 Park(2020) Psychiatry Research 被引用 506
- W0809 高齢者の社会的テクノロジー利用の恩恵は孤独感の低下によって媒介される Chopik(2016) Cyberpsychology, Behavior, and Social Networking 被引用 497
- W0880 社会的孤立と孤独の公衆衛生上の重要性:有病率、疫学、リスク要因 Holt-Lunstad(2017) Public Policy & Aging Report 被引用 469
- W1139 レジリエンスとは何か:親和の神経科学からのアプローチ Feldman(2020) World Psychiatry 被引用 249
- W1288 健康を再考する:フラリッシング VanderWeele(2019) Journal of the American Medical Association (JAMA) 被引用 220
- W1332 レジリエントな加齢:健康な加齢促進の標的としての心理的ウェルビーイングと社会的ウェルビーイング Kim(2021) Gerontology and Geriatric Medicine 被引用 146
- W1351 社会的孤独、情緒的孤独、実存的孤独:多次元概念の検証 Tilburg(2020) The gerontologist 被引用 152
ほか 1 件
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- FWCI
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- 同年同分野で
- 上位 0.1%未満
- 分野(OpenAlex)
- Health disparities and outcomes
- 主要400の選定
- 専門家判断(古典・定番)
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
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