所属欲求:人間の根本的動機としての対人的愛着への欲求
The need to belong: desire for interpersonal attachments as a fundamental human motivation.
R. Baumeister, M. Leary(1995)Psychological bulletin, 117(3), 497–529
安定した人間関係を形成・維持したいという所属欲求が、人間の強力で普遍的な根本的動機であることを示した。
要旨根拠:抄録
本論文は、強く安定した対人関係を築き維持したいという欲求(所属欲求)が人間の根本的な動機であるという仮説を、既存の実証研究に照らして検討した総説である。この欲求は、継続する関係の中で頻繁かつ不快でない交流を持つことへの欲求と定義される。人々はほとんどの条件下で容易に愛着を形成し、既存の絆の解消に抵抗することが確認された。所属は感情や認知過程に多面的で強い影響を与え、愛着の欠如は健康、適応、ウェルビーイングの悪化と結びついていた。飽和(=満たされると求めなくなること)や代替可能性などの証拠も仮説と整合し、一見の反例も仮説を否定しなかった。つながりが幸福の土台であることを示す基礎理論として、その後の孤独・帰属研究の出発点となった。
関係メモ——この研究のその後
- 後続・発展W0001 Ryan & Deci(2000)が関係性を基本的心理欲求の一つに位置づけ、W0212 Leary & Baumeister(2000)のソシオメーター理論が自尊感情を所属状態の指標とみなし、W0208 Walton & Cohen(2011)が所属感への短い介入で少数派学生の成績と健康が改善することを示した
- W0056 Holt-Lunstad(2010)が社会的関係の乏しさが死亡リスクを高めることを示し、所属欲求の重要性を健康面から裏づけた
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
この論文が出てくる研究の系譜
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 5本
- W0010 ストレス、ソーシャルサポート、および緩衝仮説 Cohen(1985) Psychological bulletin 主要400 被引用 18,943
- W0891 気分と日常:日々の出来事と自己報告された気分の関係 Clark(1988) Journal of Personality and Social Psychology 被引用 888
- W1146 相互作用と適応:重要な変数としての親密さ Lowenthal(1968) American Sociological Review 被引用 733
- W1189 社会的支援と交友の違い:生活ストレス、孤独感、他者からの評価への影響 Rook(1987) Journal of Personality and Social Psychology 被引用 482
- W1392 ウェルビーイングに対する環境要因と気質要因の影響:米国全国サンプルの縦断追跡 Costa(1987) British Journal of Psychology 被引用 357
後続研究(この論文を引用している) 15本
- W0001 自己決定理論と、内発的動機づけ・社会的発達・ウェルビーイングの促進 Ryan(2000) American Psychologist 主要400 被引用 41,852
- W0003 目標追求の「何を」と「なぜ」――人間の欲求と行動の自己決定 Deci(2000) Psychological Inquiry 主要400 被引用 31,269
- W0008 仕事の要求度-資源モデル:最新の到達点 Bakker(2007) Journal of Managerial Psychology 主要400 被引用 13,007
- W0017 幸福と人間の潜在力について:快楽主義的・エウダイモニア的ウェルビーイング研究のレビュー Ryan(2001) Annual Review of Psychology 主要400 被引用 11,279
- W0019 仕事の要求度、仕事の資源、およびそれらとバーンアウト・エンゲージメントとの関係:多サンプル研究 Schaufeli(2004) Journal of Organizational Behavior 主要400 被引用 9,671
- W0069 職場組織における自己決定理論:研究の現状 Deci(2017) Annual Review of Organizational Psychology and Organizational Behavior 主要400 被引用 2,873
- W0089 主観的幸福感:幸福の科学と国民幸福指標の提案 Diener(2000) American Psychologist 主要400 被引用 3,789
- W0111 幸福の追求:持続的な変化の構造 Lyubomirsky(2005) Review of General Psychology 主要400 被引用 3,220
- W0113 4つの文化における基本的心理欲求の充足・欲求不満・欲求の強さ Chen(2015) Motivation and Emotion 主要400 被引用 2,302
- W0148 子どもの学業への関与と成績の要因としての関係性の感覚 Furrer(2003) Journal of Educational Psychology 主要400 被引用 2,718
- W0158 仕事の意味について:理論的統合とレビュー Rosso(2010) Research in Organizational Behavior 主要400 被引用 2,197
- W0166 心理的成長と脆弱性について:統一原理としての基本的心理欲求の充足と不満 Vansteenkiste(2013) Journal of Psychotherapy Integration 主要400 被引用 2,011
ほか 3 件
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- 同年同分野で
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- Attachment and Relationship Dynamics
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