どんな調査か
「我が国と諸外国のこどもと若者の意識に関する調査」は、日本の13〜29歳の若者の意識を海外の同世代と比べる国際比較調査である。2023年度調査はこども家庭庁が実施し、2013年度調査は内閣府が実施した。こども家庭庁は「こども大綱」(国のこども政策の基本方針)にもとづき、こどもや若者の置かれた状況や意識を把握・分析する調査研究事業を進めており、本調査はその一つとして令和5年度(2023年度)の欄に掲載されている。2023年度調査は、こども大綱を受けてウェルビーイング(心身と社会的に良い状態にあること、幸福)に焦点を当てた項目設計になっている。比較対象国は日本・アメリカ・ドイツ・フランス・スウェーデンの5か国である。
何をどう測っているか
調査は、各国の13〜29歳約1,000人を対象にしたWEB調査である。2023年度調査の日本の回答者は1,089人である。回答者は調査会社のWEBモニター(調査会社に登録した回答者)から、性・年齢・地域の構成に合わせて割り当てて集めており、無作為抽出ではない。主な指標は、生活満足度(0〜10の11段階で生活への満足を答える質問)、「私は、自分自身に満足している」などの自己認識、協調的幸福感(周りの人との関係や調和のなかで感じる幸福)、人生の意義である。このほか、感情、居場所、将来像、社会・学校・職場・家庭への意識も尋ねて国ごとに比べる。日本については前回の2018年度調査との比較も示しており、協調的幸福感や自尊感情(自分を価値ある存在と感じる気持ち)についての有識者の分析も収めている。
これまでの歩み
この調査は2013年度から2023年度にかけて、毎年ではなく不定期に行われてきた横断調査(その時点ごとに別の回答者に尋ねる調査)である。2013年度調査は内閣府が実施した。日本については2018年度調査の結果もあり、2023年度調査はこれと比べられる。2023年度調査からは実施主体がこども家庭庁になった。この回はこども大綱を受けて、ウェルビーイングに焦点を当てた項目設計に改めた。生活満足度、人生の意義、協調的幸福感といった幸福に関わる質問を正面から扱う構成になっている。
分かってきたこと
日本の生活満足度は5か国で最も低い
2023年度調査で、0〜10で答える生活満足度の平均は、日本が5.97で5か国中最も低い。他の国はドイツ6.99、スウェーデン6.59、アメリカ6.23、フランス6.09である。最も高いドイツと日本の差は約1点ある。
「自分自身に満足している」日本の若者は増えたが、差はなお大きい
「私は、自分自身に満足している」に「そう思う」か「どちらかといえばそう思う」と答えた日本の若者は57.4%である。2018年度の45.1%から上がった。それでも他の4か国の72〜76%より低い。
日本は生活満足度で真ん中の「5点」を選ぶ人が最も多い
日本の生活満足度の回答では「5点」が最も多い。中間の点を選びやすいといった答え方の文化差は、平均値の国際比較に影響しうる。日本の平均が低いことを読むときは、この回答の分布もあわせて見る必要がある。
協調的幸福感など日本の幸福のとらえ方にも目を向けている
2023年度調査は、生活満足度のような個人の評価だけでなく、協調的幸福感も測っている。協調的幸福感とは、周囲との関係や調和のなかで感じる幸福である。報告書には、協調的幸福感や自尊感情について有識者が分析した内容も収められている。