ストレスフルな体験の意味づけにおける侵入的熟考と意図的熟考の役割
The role of intrusive and deliberate ruminations for meaning making in stressful events
上條 菜美子、湯川 進太郎(2016)心理学研究, 86(6), 513–523
ストレス体験直後の意図的熟考が肯定的な意味づけを通じて心的外傷後成長につながり、侵入的熟考は否定的な意味づけを促すことを示した。
要旨根拠:抄録
ストレスフルな出来事を経験した後、人はその出来事について繰り返し考える(熟考)が、その考え方には、勝手に浮かんでくる侵入的熟考と、自分から意図的に振り返る意図的熟考の二つがある。本研究は、この二つの熟考が出来事の意味づけ(=体験に意味を見いだすこと)とどう関連するかを検討した。121名が過去のストレス体験について、出来事の性質、意味づけ、体験時と現在の熟考、心的外傷後成長(=つらい体験を経て人間的に成長したという感覚)、自己内省傾向、実行機能などに回答した。その結果、自己内省傾向は意図的熟考と正の相関を示し、体験時の意図的熟考は現在の肯定的な意味づけと関連し、それが心的外傷後成長と結びついていた。一方、現在の侵入的熟考は否定的な意味づけを促したが、体験時の侵入的熟考は関連しなかった。逆境からの成長には、出来事を意図的に振り返る過程が重要な役割を果たすと示唆される。
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