脅かされた自己愛、ナルシシズム、自尊感情と直接的・転位的攻撃:自己愛と自己嫌悪のどちらが暴力を生むか
Threatened egotism, narcissism, self-esteem, and direct and displaced aggression: does self-love or self-hate lead to violence?
B. Bushman, R. Baumeister(1998)Journal of Personality and Social Psychology, 36(6), 543–545
攻撃性を高めるのは低い自尊感情ではなく、ナルシシズムと侮辱の組み合わせであることを実験で示した。
要旨根拠:抄録
低い自尊感情が暴力を引き起こすと広く主張されてきたが、それを支える実験的証拠は乏しく、攻撃的な人はむしろ好意的な自己像をもつという観察もあった。本研究は2つの実験で、参加者の自尊感情とナルシシズム(=誇大で他者の賞賛を求める自己愛傾向)を測定した。その後、参加者は自分を侮辱または賞賛した相手、あるいは無関係の第三者に対して攻撃する機会を与えられた。その結果、自尊感情の高低は攻撃性と無関係であった。ナルシシズムと侮辱が組み合わさると、侮辱した相手への攻撃が際立って高くなった一方、第三者への転位的攻撃はいずれの自己評価とも関係せず全体に低かった。低い自尊感情が攻撃を生むという通説に反し、脅かされた自己愛が重要な原因であることが示された。
関係メモ——この研究のその後
- 先行・基盤W0251 Baumeister(1996)の「脅かされたエゴティズム」仮説(暴力は低い自尊感情ではなく、膨らんだ自己像が脅かされたときに生じる)を実験で検証し支持した
- 後続・発展一覧外:Baumeister et al.(2003)の自尊感情レビューが、高い自尊感情は攻撃性を防がないという結論の根拠の一つとした
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
研究のつながり
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