幸せの名言集

自尊心の名言5選

「自尊心は、あらゆる美徳の礎である」

Self-respect is the cornerstone of all virtue.

— ジョン・ハーシェル 1831年の講演より

自分を尊ぶ心が品位ある行動の土台になる

心理学では
この名言は、心理学でいう自尊感情(自分には価値があるという基本的な感覚)が、誠実で品位あるふるまいの土台になることを語っている。Donnellanら(2005)は、青年や大学生を対象にした複数の調査で、自尊感情が低い人ほど攻撃性や反社会的行動が多いことを示した。この関連は、ナルシシズム(誇大な自己像)とは別に見られた。またBreines & Chen(2012)の実験では、過去の過ちを思い出すときに自分を思いやるよう促された人ほど、償おうとする意欲や、同じ過ちを繰り返すまいとする意欲が高まった。失敗した日こそ自分を責め立てず、友人にかけるような言葉を自分に向けることが、次の誠実な一歩につながる。 参考:Donnellanら(2005)「Low Self-Esteem Is Related to Aggr…」 ↗/Breines & Chen(2012)「Self-Compassion Increases Self-Imp…」 ↗
人物
英国の天文学者・科学者(1792-1871)
「人は、自分自身の承認なしには安らげない」

A man cannot be comfortable without his own approval.

— マーク・トウェイン 『人間とは何か』(1906)

他人の評価より先に、自分が自分を認められるかが問われる

心理学では
トウェインの言葉は、自己受容(長所も短所も含めて自分を認めること)の大切さを言い当てている。Crocker & Wolfe(2001)は、成績や他人の評価に左右される自尊心を「随伴性自尊感情」(条件つきの自己価値)と呼び、出来事のたびに揺れやすいと論じた。大学院受験生の日々の気分を追ったCrockerら(2002)の研究でも、自分の価値を学業の成否に強く結びつけている人ほど、合格の日には自尊感情が大きく上がり、不合格の日には大きく下がっていた。外からの承認だけに頼ると、心は結果次第で浮き沈みする。うまくいかない日こそ、結果とは別に自分の努力を認める習慣を持つことが、揺らがない安らぎの土台になる。 参考:Crocker & Wolfe(2001)「Contingencies of self-worth.」/Crockerら(2002)「Hopes Dashed and Dreams Fulfilled:…」 ↗
人物
米国の作家(1835-1910)
「自ら反みて縮くんば、千万人と雖も吾往かん」

— 孟子 『孟子』公孫丑上

自分の内面を振り返って、やましいところが一点もないと確信できるなら、たとえ敵が千万人いようとも、私は恐れず進んでいこう ── 内なる正しさに根ざした勇気の宣言

心理学では
この名言は、心理学でいう道徳的確信(考えを好みではなく善悪の問題として固く信じる状態)に根ざした自己肯定を表している。Hornseyら(2003)は、ある社会問題への態度が道徳に根ざしている人ほど、多数派と意見が違っても同調せず、むしろはっきりと意見を表明しやすいことを示した。Aramovichら(2012)の研究でも、拷問に反対する道徳的確信が強い人ほど、多数派からの圧力の中でも意見を変えにくかった。ただし確信は独りよがりに転じることもあるため、孟子の言う「自ら反みる」点検を先に置くとよい。迷う場面では自分の良心に照らして行いを振り返り、やましさがなければ臆せず一歩を踏み出す。 参考:Hornseyら(2003)「On being loud and proud: Non‐confo…」 ↗/Aramovichら(2012)「Opposing torture: Moral conviction…」 ↗
人物
戦国時代の儒学者(BC372頃-289頃)
「自尊心とは、自分は人生の課題に対処できるという確信と、自分は幸福に値するという確信である」

Self-esteem is the disposition to experience oneself as competent to cope with the basic challenges of life and as worthy of happiness.

— ナサニエル・ブランデン 『自尊心の心理学』(1969)ほか

自尊心=有能感×自己価値という古典的定義

心理学では
ブランデンの定義は、自尊心を自己有能感(物事にうまく対処できるという感覚)と自己好意(自分を価値ある存在として好ましく思う感覚)の二つからとらえる心理学の見方に重なる。Tafarodi & Swann(1995)は大学生を対象に質問紙を作成し、因子分析(回答のまとまりを統計的に調べる方法)によって、自尊心がこの二つの次元に分かれることを示した。続くTafarodi & Swann(2001)でも、両者は互いに関連しながらも区別でき、それぞれ異なる心理的特徴と結びつくことが確かめられている。日々の小さな課題をやり遂げて手応えを積むことと、結果にかかわらず自分を大切に扱うことの両方を意識すると、揺らぎにくい自尊心が育つ。 参考:Tafarodi & Swann(1995)「Self-Linking and Self-Competence a…」 ↗/Tafarodi & Swann(2001)「Two-dimensional self-esteem: theor…」 ↗
人物
カナダ出身の心理学者(1930-2014)。自尊心研究の先駆者
「私には、声があるんだ!」

Because I have a voice!

— ジョージ6世(映画『英国王のスピーチ』) トム・フーパー監督(2010)。史実に基づく

吃音に苦しむ王が、治療者ライオネルに挑発され、初めて怒りとともに叫ぶ言葉。流暢さの前に、まず「自分には語る資格と中身がある」という宣言が要った ── 技術訓練より先に自己の尊厳の回復があった、という治療の転回点

心理学では
この叫びは、心理学でいう自己肯定(自分の価値観や存在の大切さを確かめること)の瞬間である。自己肯定理論によれば、人は自分の価値の土台を確かめると、脅威にさらされても身構えずに課題へ向かえる。Creswellら(2005)は、人前でスピーチをする前に、自分にとって大切な価値について書いてもらう実験を行った。その結果、書いた人ではストレスホルモンの反応が抑えられた。話す技術より先に「自分には語る値打ちがある」と確かめることが、声を支える土台になるのである。大事な発表や交渉の前には、自分が何を大切にしているかを一言書き出してから臨む。それが、落ち着いて言葉を届けることにつながる。 参考:Creswellら(2005)「Affirmation of Personal Values Buf…」 ↗
人物
コリン・ファース主演。アカデミー作品賞

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