幸せの名言集

思想宗教の名言4選

「信じる意志が、その事実の実現を助けることがある」

Faith in a fact can help create the fact.

— ウィリアム・ジェームズ 『信じる意志』(1896)

証拠が出そろう前に「信じる」という選択が現実を動かす場合がある

心理学では
ジェームズのこの考えは、心理学でいう自己成就予言(予想そのものが行動を変え、予想どおりの結果を招く現象)や、自己効力感(自分はやれるという見込み)に通じる。社会学者のMerton(1948)は、はじめは根拠のない予言でも、人がそれを信じて動くことで現実になる仕組みを論じた。さらにStajkovic & Luthans(1998)は、職場での研究を統合したメタ分析で、自己効力感の高い人ほど仕事の成果が高いことを報告している。自己効力感の考え方では、信じる気持ちが努力と粘りを引き出すととらえる。ただし、信念は具体的な準備と組み合わせたときに力を発揮する。迷ったときは「できる」と決めて最初の一歩を踏み出すことが、望む結果への助けになる。 参考:Merton(1948)「The Self-Fulfilling Prophecy」 ↗/Stajkovic & Luthans(1998)「Self-efficacy and work-related per…」
人物
米国の心理学者・哲学者(1842-1910)。プラグマティズムの創始者の一人
「祈りとは求めることではない。それは魂の切望である」

Prayer is not asking. It is a longing of the soul.

— マハトマ・ガンジー 発言・著作より

祈りは取引ではなく、内面の深い希求の表現である

心理学では
この名言は、祈りを願いをかなえる手段(道具的な宗教性)ではなく、自分を超えたものへ心を開いて向かう営み(スピリチュアリティ、聖なるものとのつながりを求める心)として捉えている。Whittington & Scher(2010)は、教会に通う成人を対象に、六種類の祈りと主観的幸福感(人生への満足や気分の良さ)との関係を調べた相関研究である。その結果、賛美や感謝の祈り、静かに心を開いて受けとめる祈りをする人ほど幸福感が高かった。一方、願いごとを並べる祈りや義務的な祈りには、そうした関連は見られなかった。宗教を持たない人も、一日の終わりに静かな時間をとり、自分が本当に求めているものへ耳を澄ますことが、心の落ち着きにつながる。 参考:Whittington & Scher(2010)「Prayer and Subjective Well-Being: …」 ↗
人物
インド独立運動の指導者(1869-1948)
「仏道をならふといふは、自己をならふなり」

— 道元 『正法眼蔵』現成公案

仏道の探究とは自己の探究にほかならない

心理学では
この一句は、仏道の修行とは自分の心をありのままに見つめることだと説く。心理学でいえば、好奇心にもとづく自己探究である「内省(リフレクション)」にあたる。Trapnell & Campbell(1999)は質問紙を用いた相関研究で、自己への注意を、興味から自分を探る内省と、不安から同じ考えを繰り返す「反すう」に分けた。そして、内省は経験への開放性と、反すうは神経症傾向と関連することを示した。続く「自己をわするる」は、自分への囚われが薄れる「自己超越」に通じる。Yadenら(2017)はレビューで、この体験が幸福感と関連することを整理している。自分の反応を責めずに眺める時間を日々持つことが、自己を知り、自己から自由になる入口となる。 参考:Trapnell & Campbell(1999)「Private self-consciousness and the…」 ↗/Yadenら(2017)「The Varieties of Self-Transcendent…」 ↗
人物
鎌倉時代の禅僧(1200-1253)。曹洞宗開祖
「歩くこと自体が目的である。一歩一歩が、いのちそのものである」

— ティク・ナット・ハン 歩く瞑想についての法話での趣旨

目的地ではなく過程の中に人生がある

心理学では
この言葉は、歩くことを目的地への手段ではなく、一歩ごとの体験そのものとして味わう姿勢を説く。心理学でいうマインドフルネス(いまこの瞬間の体験に、評価を加えずに注意を向けること)である。Killingsworth & Gilbert(2010)は、スマートフォンで日常の思考と気分をくり返し尋ねる調査を行い、心が目の前の活動からそれているときほど幸福感が低いことを示した。またTeutら(2013)は、心理的ストレスを抱える成人を対象とした無作為化比較試験で、呼吸や足取りに注意を向けて歩くプログラムがストレスを軽減し、生活の質を高めることを報告している。通勤や買い物の道でも、足裏の感覚に数歩だけ注意を戻すことが、心の小さな回復につながる。 参考:Killingsworth & Gilbert(2010)「A Wandering Mind Is an Unhappy Min…」/Teutら(2013)「Mindful Walking in Psychologically…」 ↗
人物
ベトナム出身の禅僧(1926-2022)。マインドフルネスを西洋に広めた

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