幸せの名言集

社会の要請の名言7選

出典に諸説あり
「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、誉めてやらねば、人は動かじ」

— 山本五十六 伝記等で伝わる言葉

上杉鷹山の言葉を下敷きにしたとされる

人を動かすには手本・説明・実践・承認の全てが要る

心理学では
この言葉は、バンデューラの自己効力感(「自分はできる」という見通し)の理論と重なる。Bandura(1977)は、その源として他者の成功を見る代理経験、言葉による励まし、自分でやり遂げる達成経験を挙げた。見せ、説き、やらせ、認める流れは、これらを順に積み上げる手順である。またTaylorら(2005)は職場研修のメタ分析(多数の研究の統合)で、手本の提示、要点の説明、練習を組み合わせた行動モデリング研修が、技能や職場での行動の向上に効果をもつことを示した。部下や後輩を育てるときは、やり方を見せたあとで任せ、工夫した点を具体的にほめることが次の一歩につながる。 参考:Bandura(1977)「Self-efficacy: Toward a unifying t…」/Taylorら(2005)「A Meta-Analytic Review of Behavior…」 ↗
人物
日本の海軍軍人(1884-1943)。連合艦隊司令長官
「誰でも偉大になれる。なぜなら、誰でも人に仕えることができるからだ」

Everybody can be great, because everybody can serve.

— マーティン・ルーサー・キング・ジュニア 1968年の説教「ドラム・メジャー本能」

偉大さの条件は才能や地位ではなく奉仕である

心理学では
キングの言葉は、向社会的行動(他者の役に立とうとする行動)が、才能や地位を問わず誰にでも開かれていることを示す。Dunnら(2008)の実験では、渡されたお金を他人のために使った人は、自分のために使った人より幸福感が高まった。Akninら(2013)は、豊かな国でも貧しい国でも同じ傾向が見られることを、多国のデータと実験で確かめている。ただし、Weinstein & Ryan(2010)によれば、義務感からの手助けより、自分で選んだ手助けのほうが本人の満足につながりやすい。肩書きにかかわらず、身近な一人のためにできる小さなことを自分で選んで行うことが、偉大さへの第一歩になる。 参考:Dunnら(2008)「From wealth to well-being: Spendin…」 ↗/Akninら(2013)「Prosocial spending and well-being:…」/Weinstein & Ryan(2010)「When helping helps: Autonomous mot…」
人物
米国の牧師・公民権運動指導者(1929-1968)。ノーベル平和賞
「この世の中を、自分が見つけたときよりも少しでも良いものにして残しなさい」

Try and leave this world a little better than you found it.

— ロバート・ベーデン=パウエル スカウトへの最後のメッセージ(1941年公開)

小さな改善への貢献を人生の指針とせよ

心理学では
この言葉は、心理学でいう世代継承性(generativity:次の世代や社会のために何かを残そうとする関心)にあたる。エリクソンが中年期の発達課題とした概念で、McAdams & de St. Aubin(1992)はこれを測る方法を作り、理論として整理した。Ackermanら(2000)の相関研究では、世代継承性の高い成人ほど人生への満足感が高かった。また、Nelsonら(2016)の実験では、自分のための行動よりも、他者や世界のための親切な行動を数週間続けた人のほうが、心の充実感が大きく高まった。大きな偉業は必要ない。職場の手順を一つわかりやすくする、道のごみを一つ拾うといった小さな改善を積み重ねることが、社会だけでなく自分の幸福にもつながる。 参考:McAdams & de St. Aubin(1992)「A theory of generativity and its a…」 ↗/Ackermanら(2000)「Generativity in Midlife and Young …」 ↗/Nelsonら(2016)「Do unto others or treat yourself? …」
人物
英国の軍人(1857-1941)。ボーイスカウト運動創始者
出典に諸説あり
「自分自身を見つける最良の方法は、他者への奉仕の中に我を忘れることだ」

The best way to find yourself is to lose yourself in the service of others.

— マハトマ・ガンジー(とされる) 典拠不詳

※帰属に諸説あり

奉仕への没頭が自己理解をもたらす

心理学では
この名言は、心理学でいう自己超越(関心を自分より大きなものへ向けること)の働きを言い当てている。自分のことばかり考える自己注目から離れて他者のために動くとき、人は自分が何を大切にしているかに気づきやすくなる。Klein(2017)は相関研究と実験を組み合わせ、他者を助ける行動をとると人生の意味の感覚が高まることを示した。またWeinstein & Ryan(2010)の実験では、自分の意思で助けたときほど、助ける側の幸福感が高まった。ただし義務感だけの奉仕では効果が薄れるため、自ら選んで関わることを大切にするとよい。身近な誰かの役に立つ小さな行動から始めることが、自分を知る手がかりになる。 参考:Klein(2017)「Prosocial behavior increases perce…」 ↗/Weinstein & Ryan(2010)「When helping helps: Autonomous mot…」
人物
インド独立運動の指導者(1869-1948)
「自分が生きたことによって、たった一人の人生でも呼吸が楽になったと知ること。それが成功したということである」

To know even one life has breathed easier because you have lived. This is to have succeeded.

— ベッシー・スタンレー 1905年の懸賞エッセイ「成功とは」

※エマーソンやR・L・スティーヴンソンの作として広く誤流通

成功の定義を地位や富から他者への貢献へ転換する

心理学では
この名言は、心理学でいう「向社会的インパクト」(自分の行いが誰かの役に立っているという実感)を成功の物差しに据えている。Grantら(2007)は大学の募金電話係を対象にした実験で、奨学金を受けた学生本人と短く話した群は、その後の電話の粘り強さと集めた金額が伸びることを示した。Martela & Ryan(2016)の実験でも、人の役に立つ行動は本人の幸福感を高めた。誰かが楽になったと具体的に知ることは、意欲と心の充実の両方を支える。仕事でも暮らしでも、自分の行いが届いた相手の声に触れる機会をつくることが、成功の実感を育てる助けになる。 参考:Grantら(2007)「Impact and the art of motivation m…」 ↗/Martela & Ryan(2016)「The Benefits of Benevolence: Basic…」
人物
米国の著述家(1879-1952)
「正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することはできない」

— 渋沢栄一 『論語と算盤』(1916)

経済活動は倫理と一体であってこそ持続する

心理学では
この名言は、利益の追求が道徳的正当性(社会から見て筋が通っているという感覚)に支えられてこそ長続きするという考えであり、心理学の向社会的動機づけ(人や社会の役に立ちたいという動機)や倫理的リーダーシップの研究と重なる。Grant(2008)は消防士や大学の募金電話担当者を調べ、仕事そのものへの興味に加えて人の役に立ちたい気持ちも強い人ほど、粘り強く働き、成果も高いことを示した。またBrownら(2005)は、上司を公正で倫理的だと感じている部下ほど、上司への満足や仕事への献身が高く、問題を進んで報告する傾向があることを見いだした。自分の仕事が誰の役に立ち、筋の通ったやり方になっているかを時々点検することが、長く続く働き方につながる。 参考:Grant(2008)「Does intrinsic motivation fuel the…」/Brownら(2005)「Ethical leadership: A social learn…」 ↗
人物
日本の実業家(1840-1931)。約500社の設立に関与。「日本資本主義の父」
「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、始末に困るものなり。この始末に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られぬ」

— 西郷隆盛 『南洲翁遺訓』

命・名誉・地位・金 ── 交渉材料がすべて通じない人間は「始末に困る」。だが、大事業はそういう無私の人としか成し遂げられない ── 動かされない人こそが人を動かす、という逆説

心理学では
この言葉は、内発的動機づけ(報酬や評判ではなく、価値や使命そのものから行動すること)と、損得を計算しない姿勢が生む信頼を言い当てている。Jordanら(2016)の経済ゲームの実験では、協力のコストを確かめずに協力した人ほど周囲から信頼され、協力相手に選ばれやすかった。損得を計算しない態度が「この人は裏切らない」という信号になるのである。またKasser & Ryan(1996)の相関研究では、富や名声を重視する人ほど心の健康が低く、成長や人とのつながりを重んじる人ほど心の健康が高い傾向があった。仕事では、見返りより先に「なぜこれをやるのか」を定めておくことが、困難を共に越える仲間を得る力になる。 参考:Jordanら(2016)「Uncalculating cooperation is used …」 ↗/Kasser & Ryan(1996)「Further Examining the American Dre…」
人物
幕末・明治の政治家(1828-1877)

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