学習志向性は失敗が自尊心に与える脅威を緩衝するか
Do mastery goals buffer self-esteem from the threat of failure?
新谷 優、クロッカー ジェニファー(2007)心理学研究, 78(5), 504–511
学業で自己価値を決める学生でも、学習目標(熟達目標)が高ければ失敗後の自尊心低下が起きず、粘り強さも高いことを示した。
要旨根拠:抄録
自己価値の随伴性(=特定の領域の成功・失敗に自己価値を依存させること)がある領域で失敗すると、自尊心は傷つきやすい(Crocker & Wolfe, 2001)。先行研究では、知能は伸びるという考えを示すと学業に自己価値を置く人でも失敗後の自尊心が保たれることが示されていた。本研究はこれを拡張し、熟達目標(=他者との比較ではなく自分の能力を伸ばすことを目指す目標)が失敗から自尊心を守るかを、異なる課題と成功・失敗の操作、粘り強さの測定を加えて検討した。大学生を対象とした実験の結果、学業能力に自尊心を依存させる学生は、熟達目標が低いと失敗後に自尊心が低下したが、熟達目標が高いとその差は消えた。また熟達目標の高い学生は失敗後により粘り強く取り組んだ。学ぶこと自体を目指す姿勢が、失敗に揺らがない自己を支えることを示した研究である。
研究のつながり
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