患者との関わりにおける看護師の認知的感情制御と転退職意図の関連
The relation between cognitive emotion regulation and intention to leave in the context of nurse-patient interaction: Using emotional exhaustion as a mediator
榊原 良太(2015)感情心理学研究, 23(1), 12–22
看護師の肯定的な再評価は情緒的消耗を減らして離職意図を下げ、医師や病院への帰属は消耗を通じて離職意図を高めることを示した。
要旨根拠:抄録
患者との関わりの中で生じる感情にどう向き合うかは、看護師のバーンアウト(=燃え尽き)や離職に関わる重要な問題である。本研究は、看護師の認知的感情制御(=出来事の捉え方を変えて感情を調整すること)と転退職意図の関連を、情緒的消耗(=バーンアウトの中核である心身の疲れ切った状態)を媒介として検討した。看護師268名に質問紙調査を行い、医師・病院への帰属、積極的原因追求、距離をとる、意味づけ、肯定的再評価、患者への帰属の6因子を抽出した。階層的重回帰分析の結果、肯定的再評価は情緒的消耗の低さを、医師・病院への帰属は情緒的消耗の高さを予測し、患者への帰属は離職意図の高さを予測した。媒介分析では、医師・病院への帰属は情緒的消耗を通じて離職意図を高め、肯定的再評価は情緒的消耗を通じて離職意図を下げていた。出来事を前向きに捉え直す力が、看護職の心身の消耗と離職を防ぐ手がかりになることが示唆される。
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