幸せの名言集

創造性の名言6選

「想像力は、知識よりも重要である。知識には限界があるが、想像力は世界を包み込む」

Imagination is more important than knowledge. Knowledge is limited. Imagination encircles the world.

— アルベルト・アインシュタイン インタビュー(1929、サタデー・イブニング・ポスト)

相対性理論を生んだ本人による、知識と想像力の序列の逆転。知識は「すでにあるもの」の集積だが、想像力は「まだないもの」に触れる唯一の能力であり、進歩の源泉である ── 教育論・創造性論で最も引用される一句

心理学では
この名言は、心理学でいう拡散的思考(一つの正解に絞らず多様な発想を広げる力)と、知識を組み替える想像力の価値を言い当てている。Ward(1994)は、大学生に別の惑星の生き物を自由に想像させる実験を行い、多くの人が目や脚など地球の動物の特徴を無意識に引き継ぐことを示した。知識は想像の土台であると同時に、枠にもなるのである。Zabelina & Robinson(2010)の実験では、「7歳の子どもになった自分」を想像してから課題に取り組んだ大学生は、そうでない群より独創的な回答を出した。行き詰まったときは「子どもならどう考えるか」と遊び心で問い直すことが、知識の枠を越える一歩になる。 参考:Ward(1994)「Structured Imagination: the Role o…」 ↗/Zabelina & Robinson(2010)「Child’s play: Facilitating the ori…」 ↗
人物
理論物理学者(1879-1955)。ノーベル物理学賞
「芸術は、爆発だ」

— 岡本太郎 テレビ出演等での発言(1980年代に流行語化)

上手さや美しさのためではなく、いのちが全身で燃え上がり、外にほとばしること ── それが芸術だという岡本の宣言。「うまくあるな、きれいであるな、ここちよくあるな」という彼の芸術三原則とセットで読むと、体裁を捨てた生命の表出の勧めだと分かる

心理学では
心理学でいえば、この言葉は内発的動機づけ(活動そのものの楽しさから生まれる意欲)にもとづく、評価を気にしない自己表出の勧めである。Amabile(1979)は女子大学生にコラージュを作らせる実験で、作品を専門家に評価されると予告された群は、予告のない群より作品の創造性が低くなることを示した。またLimb & Braun(2008)は、ジャズピアニストの脳活動を調べ、即興演奏中には自己監視(自分の振る舞いをチェックする働き)にかかわる前頭前野の一部の活動が低下することを報告した。うまく見せようとする構えを手放すことが、表現を解き放つのである。日々の中に、評価を忘れて描く・歌う・書く時間を少しもつことが、内側の活力を取り戻す助けになる。 参考:Amabile(1979)「Effects of external evaluation on …」 ↗/Limb & Braun(2008)「Neural Substrates of Spontaneous M…」 ↗
人物
日本の芸術家(1911-1996)。「太陽の塔」
「創造性は、使い減りしない。使えば使うほど、増えていく」

You can't use up creativity. The more you use, the more you have.

— マヤ・アンジェロウ インタビュー(1982)

創造性を石油のような「掘り尽くす資源」ではなく、筋肉のような「使うほど育つ能力」として定義し直した言葉。出し惜しみが枯渇を招き、出し切ることが次を生む ── 創作者の実感に裏打ちされた資源観の転換

心理学では
この言葉は、創造性を限られた貯蔵量ではなく練習で伸びる技能としてとらえる見方であり、創造的な行為が次の創造の糧を生む「上方スパイラル」(よい状態が次のよい状態を呼ぶ循環)を表している。Scottら(2004)は、創造性訓練の効果を調べた多くの研究をまとめたメタ分析(複数の研究を統合する分析)を行い、訓練によって発想の力が伸びることを示した。また、Connerら(2018)は若者に毎日の記録をつけてもらう日記研究を行い、創造的な活動をした日の翌日ほど、前向きな気分や充実感が高いことを見いだした。完成度を気にせず、短い時間でも毎日何かを書き、描き、工夫してみることが、次のアイデアを呼び込む土台になる。 参考:Scottら(2004)「The effectiveness of creativity tr…」 ↗/Connerら(2018)「Everyday creative activity as a pa…」 ↗
人物
米国の詩人・公民権活動家(1928-2014)
「創造的な人々に共通するのは、自分のしていることを、心から愛しているということである」

The one thing creative people have in common is that they love what they do.

— ミハイ・チクセントミハイ 『クリエイティビティ』(1996)

91人の傑出した創造者への面接研究の結論。彼らを駆動していたのは名声や富ではなく、活動それ自体の喜び(フロー)だった ── 創造性の第一条件を才能ではなく「愛」に置いた実証研究

心理学では
この言葉は、内発的動機づけ(報酬や評価のためでなく、活動そのものの面白さから取り組む意欲)が創造性を支えるという見方と重なる。Amabile(1985)は創作を続ける書き手を対象に、書く理由として「お金や評価」を意識させた群と「書く楽しさ」を意識させた群を比べる実験を行い、前者では直後に書いた詩の創造性が低くなることを示した。de Jesusら(2013)のメタ分析でも、内発的動機が高い人ほど創造的な成果が高いという関連が確認されている。仕事や趣味の中で「これ自体が楽しい」と感じる部分を見つけ、そこに時間を注ぐことが、新しい発想を生む土台になる。 参考:Amabile(1985)「Motivation and creativity: Effects…」 ↗/de Jesusら(2013)「Intrinsic Motivation and Creativit…」 ↗
人物
ハンガリー出身の心理学者(1934-2021)。フロー理論の提唱者
「すべての人間は、芸術家である」

Jeder Mensch ist ein Künstler.

— ヨーゼフ・ボイス 「社会彫刻」の理念とともに(1960〜70年代)

芸術家とは絵を描く職業のことではなく、自分の生と社会を形づくる creativity をもつ存在のこと ── 誰もが「社会という彫刻」の作り手だ、というボイスの宣言。芸術の定義を作品から生き方へ拡張した現代美術の転回点

心理学では
ボイスの言葉は、心理学でいう日常的創造性(料理や段取り、人との関わりなど、暮らしの中の小さな工夫や表現)の考え方と重なる。Kaufman & Beghetto(2009)の「4Cモデル」は、創造性を歴史的な偉業だけでなく、本人にとっての新しい気づきや日常の工夫まで含む連続体として整理した。Connerら(2018)は若者を対象に日記調査を行い、創造的な活動をした日の翌日ほど、活力や成長の実感(フラリッシング)が高い傾向を見いだした。献立を一品変える、仕事の手順を少し改める──身の回りを自分なりに形づくる行為を「作品」として味わうことが、生きる手応えにつながる。 参考:Kaufman & Beghetto(2009)「Beyond Big and Little: The Four C …」 ↗/Connerら(2018)「Everyday creative activity as a pa…」 ↗
人物
ドイツの現代美術家(1921-1986)。社会彫刻の提唱者
「科学者になるには「あたま」がよくなくてはいけない。しかし同時に、「あたま」が悪くなくてはいけない」

— 寺田寅彦 随筆「科学者とあたま」(1933)

頭の良い人は先が見えすぎて、「どうせ無理」と着手しない。頭の悪い人は、わからないから愚直にやってみて、賢者が見落とした宝を拾う ── 知性と鈍さの両方を要求する、創造の逆説の名随筆

心理学では
この名言は、豊かな知識と、それにとらわれない素朴な試行の両方が創造に必要だと説く。心理学では、慣れた解き方が別のより良い解法を見えなくする現象を、アインシュテルング効果(構えによる思考の固定)と呼ぶ。Luchins(1942)は水がめ問題の実験で、同じ手順で解き続けた人ほど、より簡単な解法に気づきにくくなることを示した。Bilalićら(2008)はチェスの熟達者を対象に視線を計測する実験を行い、見慣れた定石に目が引き寄せられ、より良い手を見逃すことを明らかにした。行き詰まったときは「どうせ無理」と決める前に、初心者のつもりでまず手を動かしてみることが、新しい発見につながる。 参考:Luchins(1942)「Mechanization in problem solving: …」 ↗/Bilalićら(2008)「Why good thoughts block better one…」 ↗
人物
日本の物理学者・随筆家(1878-1935)。漱石の弟子。「天災は忘れた頃にやってくる」でも著名

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