畏敬へのアプローチ:道徳的・精神的・美的感情
Approaching awe, a moral, spiritual, and aesthetic emotion
D. Keltner, J. Haidt(2003)Cognition & Emotion, 17(2), 297–314
畏敬の中核は「広大さの知覚」と「調節の必要性」であり、5つの付加的評価が体験の色合いを変えるとするプロトタイプ論を提案した。
要旨根拠:抄録
本論文は、畏敬(awe)という感情にプロトタイプ・アプローチ(=典型例を中心に概念を捉える方法)で迫ったものである。著者らは、宗教、哲学、社会学、心理学における畏敬についての記述をレビューし、そこから視点を導いた。明確な畏敬の体験にはすべて、知覚された広大さと、調節の必要性(=体験を既存の心の枠組みに取り込めず、枠組み自体を作り替える必要があること)という2つの評価が中心にあると提案した。さらに、脅威、美、並外れた能力、徳、超自然という5つの付加的な評価が、畏敬体験の快・不快の色合いの違いを説明するとした。この視点を、賞賛、高揚(エレベーション)、啓示的体験など関連する状態の分析にも適用した。その後の畏敬研究の出発点となり、自己を超えた視野の広がりが幸福に果たす役割を考える基盤を提供した。
関係メモ——この研究のその後
- 後続・発展W0761 Rudd(2012)が畏敬は時間の感覚を広げることを、W0413 Piff(2015)が「小さな自己」を通じて向社会的行動を高めることを実験で示し、W1048 Yaden(2018)が畏敬体験尺度AWE-Sを開発した。W0982 Gordon(2017)は脅威に基づく畏敬という負の側面を区別し、W1479 Sturm(2020)が畏敬の散歩の介入効果を、W1271 Monroy(2022)が心身の健康への経路を示した
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している)
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後続研究(この論文を引用している) 15本
- W0413 畏敬、小さな自己、そして向社会的行動 Piff(2015) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 992
- W0424 快楽を追うか美徳を追うか:快楽的動機とエウダイモニックな動機がもたらすウェルビーイングの違いと重なり Huta(2010) Journal of Happiness Studies 主要400 被引用 1,238
- W1271 心身の健康への道筋としての畏敬 Monroy(2022) Perspectives on Psychological Science 主要400 被引用 151
- W0669 自己超越的感情とその社会的機能:思いやり・感謝・畏敬は向社会性を通じて私たちを他者と結びつける Stellar(2017) Emotion Review 被引用 592
- W0699 自然とのつながりとエウダイモニア的幸福の関係:メタ分析 Pritchard(2019) Journal of Happiness Studies 被引用 600
- W0761 畏敬の念は時間の知覚を広げ、意思決定を変え、ウェルビーイングを高める Rudd(2012) Psychology Science 被引用 661
- W0877 畏敬、縮小した自己、集団的関与――小さな自己の普遍性と文化的差異 Bai(2017) Journal of Personality and Social Psychology 被引用 387
- W0982 崇高さの暗い側面――脅威に基づく畏敬の区別 Gordon(2017) Journal of Personality and Social Psychology 被引用 335
- W1048 畏敬体験尺度(AWE-S)の開発――複雑な感情のための多因子測定 Yaden(2018) Journal of Positive Psychology 被引用 299
- W1110 自然の中でのフラリッシング:自然とつながることの恩恵と、幸福介入としての応用に関するレビュー Capaldi(2015) International Journal of Wellbeing 被引用 399
- W1141 畏敬は宗教的・スピリチュアルな感情と行動意図を活性化する Cappellen(2012) Psychology of Religion and Spirituality 被引用 342
- W1181 畏敬を誘導する没入型動画の有効性――実験研究 Chirico(2017) Scientific Reports 被引用 287
ほか 3 件
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- https://doi.org/10.1080/02699930302297
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文献表記(APA第7版)
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- 被引用数
- Semantic Scholar 1,771(うち影響引用 225)・ OpenAlex 2,065
- 年あたり被引用
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- FWCI
- 129.1(同年・同分野の平均の何倍引用されたか)
- 同年同分野で
- 上位 0.1%未満
- 分野(OpenAlex)
- Media Influence and Health
- 主要400の選定
- 概念枠(B13 視野の広さ・畏敬・好奇心・心理的豊かさの上位3)
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
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