精神的健康・幸福度をめぐる新たな二者関係理論とその実証方法
“Individual-dyad dynamics”: A new perspective and empirical methods for understanding mental health and well-being
浅野 良輔、五十嵐 祐(2015)心理学研究, 86(5), 481–497
個人と二者関係の両水準を扱う「個人-二者関係ダイナミクス」を提唱し、共有された関係効力性の概念と分析法を示した。
要旨根拠:抄録
二者関係は精神的健康と幸福度に重要な役割を果たすが、研究は自尊心や愛着スタイルといった個人要因が中心で、二者の間で共有され生まれる心理的な性質は十分に検討されてこなかった。本論文は、個人と二者関係の両方の水準の過程を捉える「個人-二者関係ダイナミクス」という新たなアプローチを提案し、二者データの分析法を概観した。社会的認知理論とソーシャル・キャピタル論に基づき、二人が共通の効力期待を持ち、それが共通していると主観的にも感じている「共有された関係効力性」を、個人が知覚する関係効力性と区別できると論じた。その性質を理論面(自己効力感、共有リアリティ)と分析面(マルチレベル構造方程式モデリング=個人と二者の層を分けて分析する手法)から検討し、予備的な実証研究をまとめて今後の方向性を示した。
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