共同性/作動性(Communion & Agency)
他者志向(共同性)と自己主張・達成志向(作動性)の2大動機次元
幸せへの効果の大きさ
共同性(共同的動機)は個人の幸福(人生満足・PA・NA統合)とr=.12〜.16(メタ分析k=100、N=26,645)。作動性も正だが係数未確認。「非緩和型」(自己を欠く極端な共同性・他者を欠く極端な作動性)は幸福と無関連〜負
PA小さな正・NA小さな負(統合値)。非緩和型共同性はNA増方向
- ほかの幸福度指標
- 関係満足と共同性r=.11〜.44(自己側)、社会的評価、健康行動(非緩和型は不良)、冠動脈イベント後の適応
- なぜ効くのか
- 共同性は関係の質・被サポートを高め、作動性は有能感・統制感を高める。片方のみが極端だと自己放棄や孤立で逆効果
- 幸せの4因子
- やってみようありがとう ありがとう(共同性)/やってみよう(作動性)。両方のバランスが幸福度へ
こうすると更に効く
共同性(他者志向)は関係の質や支えられている感覚を高め、作動性(自己主張・達成志向)は有能感や統制感を高めます。コツは両方のバランスで、片方だけが極端になった『非緩和型』(自分を顧みない極端な共同性、他者を顧みない極端な作動性)は幸福と無関連〜負で、健康行動も悪くなる(Helgeson & Fritz, 2000)とされています。『人のため』に偏りがちな人は自分の欲求を1つ入れる、『自分のため』に偏りがちな人は誰かのための時間を1つ入れる、というのが具体策です。『ありがとう』と『やってみよう』の両輪で考える要素です。
気をつけること
共同性と幸福の関連はr=.12〜.16と小さめです(Le, Impett, Lemay, Muise & Tskhay, 2018)。作動性と幸福のメタ分析は未確認で、相関研究が中心のため因果の向きは分かりません。対人的志向など既存の概念とも重なります。『人のためにすれば幸せ』と単純化しないことが大切で、自分を犠牲にし続ける共同性は逆効果です。
最初の一歩
今週の予定を『人のため』『自分のため』の2つに色分けしてみてください。どちらかに大きく偏っていたら、少ない側を1つ足すのが最初の一歩です。
主要な研究
- Communal motivation and well-being in interpersonal relationships: An integrative review and meta-analysis(Le, Impett, Lemay, Muise & Tskhay, 2018, Psychol Bull)
- The implications of unmitigated agency and unmitigated communion for domains of problem behavior(Helgeson & Fritz, 2000, J Pers)
- Implications of agency and communion for patient and spouse adjustment to a first coronary event(Helgeson, 1993, J Pers Soc Psychol)
メモ:Helgeson(1994, Psychol Bull)の総説が原典だが今回PubMedで未確認。共同性のメタ分析値はN072『対人的志向』と同一文献→行の統合を検討。作動性×幸福のメタ分析は未確認。相関中心で因果不明
原典と照合済み(3次)。効果の大きさは代表的な研究の値で、相関は因果を意味しません。
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