世界の論文 ・ B10 自尊感情・自己受容・自己肯定 ・ W0041
主要400 ありのままに 理論
セルフ・コンパッション:自分自身への健全な態度の代替的概念化
Self-Compassion: An Alternative Conceptualization of a Healthy Attitude Toward Oneself
K. Neff(2003)Self and Identity, 2(2), 85–101
ひとことで
セルフ・コンパッションの提唱
自尊感情に代わる健全な自己への態度として、3要素からなるセルフ・コンパッションの概念を提唱した。
要旨根拠:抄録
セルフ・コンパッション(自分への思いやり)という概念を定義し検討した論文である。セルフ・コンパッションは3つの要素からなる。失敗や苦しみのときに自分を厳しく責めず理解を向ける「自分への優しさ」、自分の経験を孤立したものでなく人間に共通のものと捉える「共通の人間性」、つらい思考や感情に飲み込まれずバランスよく気づいている「マインドフルネス」である。著者は、これが自己批判・孤立・反すうによる悪影響(うつなど)から身を守る前向きな自己への態度だと論じた。自分を評価しないため、自尊心を保とうとするときに生じやすいナルシシズムや自己中心性、下方比較も抑えると考えられるとしている。
関係メモ——この研究のその後
- 後続・発展W0328 Neff(2003)が26項目のセルフ・コンパッション尺度(SCS)を開発し、W0080 Raes(2011)が12項目短縮版を作成、W0141 Neff(2013)がマインドフル・セルフ・コンパッション(MSC)プログラムのRCTで介入化した
- W0239 MacBeth(2012)が精神病理との大きな負の関連を、W0479 Zessin(2015)がウェルビーイングとの中程度の正の関連を示した
- 論争SCSの否定的項目(自己批判など)を合算すると精神病理との関連が水増しされるとの批判(一覧外:Muris & Petrocchi, 2017)があり、Neff側が反論している
- 日本語版・翻訳一覧外:有光(2014)がSCS日本語版を作成した
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
この論文が出てくる研究の系譜
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 5本
- W0007 ポジティブ心理学におけるポジティブ感情の役割:拡張-形成理論 Fredrickson(2001) American Psychologist 主要400 被引用 15,016
- W0048 幻想とウェルビーイング——メンタルヘルスに関する社会心理学的視点 Taylor(1988) Psychological bulletin 主要400 被引用 8,186
- W0122 マインドフルネス認知療法による大うつ病の再発・再燃の予防 Teasdale(2000) Journal of Consulting and Clinical Psychology 主要400 被引用 3,386
- W0251 脅かされた自己愛と暴力・攻撃性の関係:高い自尊感情の暗い側面 Baumeister(1996) Psychology Review 主要400 被引用 2,416
- W1204 マインドフルネス:心理療法の共通因子としての提案 Martin(1997) Journal of Psychotherapy Integration 被引用 401
後続研究(この論文を引用している) 15本
- W0022 自己報告式の評価法を用いたマインドフルネスの側面の探究 Baer(2006) Assessment (Odessa, Fla.) 主要400 被引用 7,685
- W0080 セルフ・コンパッション尺度短縮版の作成と因子的妥当性の検証 Raes(2011) Clinical Psychology and Psychotherapy 主要400 被引用 2,924
- W0141 マインドフル・セルフ・コンパッション・プログラムのパイロット研究とランダム化比較試験 Neff(2013) Journal of Clinical Psychology 主要400 被引用 2,240
- W0239 コンパッションの探究:セルフ・コンパッションと精神病理の関連についてのメタ分析 Macbeth(2012) Clinical Psychology Review 主要400 被引用 1,833
- W0328 セルフ・コンパッションを測定する尺度の開発と妥当性検証 Neff(2003) Self and Identity 主要400 被引用 6,454
- W0333 セルフ・コンパッション:理論、方法、研究、介入 Neff(2022) Annual Review of Psychology 主要400 被引用 840
- W0346 ポジティブ・ボディイメージとは何か、何ではないか:概念的基盤と構成概念の定義 Tylka(2015) Body image 主要400 被引用 1,178
- W0385 青年期および若年成人期におけるセルフ・コンパッションと心理的レジリエンス Neff(2010) Self and Identity 主要400 被引用 1,286
- W0252 強い恥と自己批判を抱える人のためのコンパッション・マインド・トレーニング:集団療法アプローチの概要とパイロット研究 Approach(2006) Clinical Psychology & Psychotherapy 被引用 1,905
- W0254 セルフ・コンパッションと不快な自己関連事象への反応:自分に優しくすることの意味 Leary(2007) Journal of Personality and Social Psychology 被引用 1,775
- W0316 セルフ・コンパッションと適応的な心理的機能 Neff(2007) Journal of Research in Personality 被引用 1,671
- W0331 コンパッション・フォーカスト・セラピーの紹介 Gilbert(2009) Advances in Psychiatric Treatment 被引用 1,422
ほか 3 件
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- https://doi.org/10.1080/15298860309032
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- DOI
- 10.1080/15298860309032
文献表記(APA第7版)
Neff, K. D. (2003). Self-Compassion: An Alternative Conceptualization of a Healthy Attitude Toward Oneself. Self and Identity, 2(2), 85–101. https://doi.org/10.1080/15298860309032
影響力の指標
- 著名度スコア
- 97.2 / 100 スコアとは
- 被引用数
- Semantic Scholar 5,426(うち影響引用 1,388)・ OpenAlex 5,452
- 年あたり被引用
- 226.1
- FWCI
- 11.9(同年・同分野の平均の何倍引用されたか)
- 同年同分野で
- 上位 1.2%
- 分野(OpenAlex)
- Mindfulness and Compassion Interventions
- 主要400の選定
- 専門家判断(古典・定番)
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
つながり ほかの保存版コレクションから、内容の近いもの
- 名言集自分への思いやりとは、大切な友人に向けるのと同じ優しさを、自分自身に向けることであるクリスティン・ネフ
- 名言集あなた自身が、世界中の誰にも劣らず、あなたの愛情と優しさに値するブッダ(とされる)
- 禅語百選即心是仏この心がそのまま仏である。仏は遠い彼方の存在ではなく、今ここで見聞きし、思い、感じているこの心に他ならない。
- 幸せに効くことセルフコンパッション筆記(自分への手紙)つらい自分に『友人として』手紙を書くと、半年後の幸福感が上がるかもしれない
- 幸せに効くこと自己受容自分を「評価する」のをやめると、人生満足がはっきり上がる
- 発達マップ自己否定感と自己肯定感(ブームの交通整理)5つの発達段階で比べた表・心の健康と回復
- 思想マップ悩み相談:人と比べて落ち込む自分・まず読むなら アドラー(個人心理学)/ストア派/仏教(上座部)
- 調査・報告書幸福度に関する研究会報告――幸福度指標試案(内閣府 経済社会総合研究所 幸福度に関する研究会, 2011)主観的幸福感を中心に、経済・健康・関係性の3本柱で日本の幸福度指標を試作した政府の報告。
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