ウェルビーイングの調査・報告書

報告書・指針不定期データ:公開

地球幸福度指数(ハッピー・プラネット・インデックス)

Happy Planet Index(HPI)

ホット・オア・クール研究所(Hot or Cool Institute、ドイツ・ベルリンのシンクタンク)。以前の版は英国のニュー・エコノミクス財団(NEF)やWEAllが発行

幸福感と寿命を、環境への負荷で割り、「地球にやさしく幸せに生きている国」を比べる指数。
対象
(国単位の統計)
対象の国・地域
134か国(2026年版、2025年データ)
規模
2006〜2025年の各年(2026年版で)
方法
行政データ
頻度・期間
不定期(2006年〜2026年)
幸福の測り方
(人生の評価〔キャントリルの梯子、0〜10、Gallup World Poll〕×平均寿命)÷1人あたりエコロジカル・フットプリント(環境への負荷)。地球の限界の中でどれだけ長く幸せに生きているかを示す
データの入手
公開 happyplanetindex.org/wp-content/uploads/… ↗

どんなレポートか

地球幸福度指数(Happy Planet Index、HPI)は、各国が「地球の限界の中で、どれだけ長く幸せに生きているか」を測る国際指数である。2006年に始まり、考案者はニック・マークスである。以前の版は英国のニュー・エコノミクス財団(NEF)やWEAllが発行し、2026年版はドイツ・ベルリンのシンクタンク、ホット・オア・クール研究所(Hot or Cool Institute)が発行した。2026年版は第7回で、2025年までのデータで134か国を比べている。公式サイトは、HPIを国内総生産(GDP)に代わって「本当に大切なもの=すべての人の持続可能なウェルビーイング(よく生きている状態)」を測る指標と位置づけ、「良い暮らしは地球を犠牲にしなくてもよい」と訴えている。2026年10月22日には20周年を記念するウェビナーが予定され、次の段階として「学校でのHPI」を始めるとしている。

何をどう測っているか

HPIは3つの要素を組み合わせて計算する。1つ目は人生の評価で、キャントリルの梯子(0〜10の段のどこに自分の人生があるかを答える質問)を使い、ギャラップ世界世論調査(Gallup World Poll)の各国約1,000人の回答にもとづく。2つ目は平均寿命で、人生の評価と掛け合わせると「幸せに生きる年数」に当たる値になる。3つ目は1人あたりのエコロジカル・フットプリント(暮らしを支えるのに使う自然の面積で、グローバルヘクタール=ghaで表す)で、「幸せに生きる年数」をこれで割る。つまりHPIは、長く満足した暮らしを、それに使った環境資源の量に対してどれだけ効率よく実現しているかを示す。スコアは0〜100で表される。使うデータは各国の行政統計などで、版は不定期に出されている。

これまでの歩み

2021年版はWEAllが発行し、2019年のデータで152か国を順位づけた。首位はコスタリカ(62.1点)で、上位10か国のうち8か国を中南米が占め、世界平均は43.1点にとどまった。2024年版(第6回、2024年5月2日公表)は2006〜2021年のデータを扱い、環境負荷として炭素フットプリント(温室効果ガス排出量)を使い、公正な炭素排出枠との比較を行った。この版では2021年の首位が南太平洋の島国バヌアツ、2位がスウェーデンで、2009年から首位だったコスタリカはコロナ禍の打撃もあって4位に下がった。2026年版(第7回)はホット・オア・クール研究所が発行し、環境負荷の指標をエコロジカル・フットプリントとして134か国を比べ、コスタリカが首位に返り咲いた。2026年版は新たに、男女差、女性指導者の効果、4万人を超える個人データという3つの分析を加えている。

分かってきたこと

持続可能なウェルビーイングを達成した国は無い

どの版でも、長い寿命・高い人生の評価・地球の限界内の環境負荷の3つをすべて満たした国は1つも無い。2021年版では、3つの要素すべてで良い結果を出した国が無いことが最大の話題であった。2024年版でも、長い寿命と高い生活評価を公正な炭素排出枠の中で両立できた国は無かった。2026年版も、持続可能なウェルビーイングを達成した国は1つも無かったと報告している。

中南米が上位に来やすく、豊かな国は順位が下がりやすい

HPIは環境負荷で割るため、豊かな国は幸福度や寿命が高くても負荷が大きく、順位が下がりやすい。2021年版では上位10か国のうち8か国を中南米が占めた。コスタリカは2009年から首位を続け、2024年版で4位に下がったものの、2026年版で首位に戻った。2024年版ではバヌアツが首位、スウェーデンが2位であった。

世界全体ではまだ低い水準

2021年版の世界平均は43.1点で、首位コスタリカの62.1点とは大きな差がある。同じ版では、環境の限界内で消費している国は全体の3分の1にすぎなかった。公式サイトは「世界は着実に良くなっている」という広く共有されてきた考えに問いを投げかけ、時系列の推移を示している。

寿命と人生の評価は必ずしも一致しない

2026年版は、アジアの国々が寿命では好成績だが、人生の評価では上位に入らないと指摘している。2024年版では、平均寿命の上位5か国(香港、日本、オーストラリア、スイス、マルタ)がいずれも1人あたりGDP4万ドル超の国であった。このように、3つの要素はそれぞれ別の動きをするため、国ごとの強みと弱みが分かれる。

日本の結果

2026年版(2025年データ)で、日本のHPIは54.6、134か国中33位である。日本の平均寿命85.0歳は134か国で最も長い一方、生活満足度(人生の評価)は6.13で、1人あたりエコロジカル・フットプリントは3.94ghaである。報告書は、日本の1人あたりフットプリントがリビアの3.95ghaより小さいと記している。2024年版では、日本は2021年の平均寿命で香港(85.5年)に次ぐ上位5か国に入ったが、抜粋資料には同版の日本のHPIスコアや順位は示されていない。

各年版(3)

  • 2026 The 2026 Happy Planet Index(第7回、134か国、2025年データ) この号を読む → ドイツ・ベルリンのシンクタンク、ホット・オア・クール研究所(Hot or Cool Institute)が発行した「2026年版 地球幸福度指数(Happy Planet Index、HPI)」の第7回の号である。HPIは、人びとが今どれだけ長く満足して暮らしているかを、そのために使った環境資源の量で割った「持続可能なウェルビーイング」の指標である。2025年までのデータで134か国を比べたところ、コスタリカが首位に返り咲いたが、今回も持続可能なウェルビーイングを達成した国は1つもなかった。今号は新たに、男女差、女性指導者の効果、4万人超の個人データという3つの分析を加えている。
  • 2024 The 2024 Happy Planet Index(第6回、2021年データ、2024年5月2日) この号を読む → 地球幸福度指数(Happy Planet Index、HPI)の2024年版は、各国が「地球の限界の中でどれだけ長く幸せに生きているか」を測る指標の第6回目であり、2006〜2021年のデータを扱う。2021年の首位は南太平洋の島国バヌアツ、2位はスウェーデンである。2009年から首位だったコスタリカは、コロナ禍の打撃もあって4位に下がった。長い寿命と高い生活評価を、公正な炭素排出枠の中で両立できた国は一つもなかった。
  • 2021 Happy Planet Index 2021(WEAll、152か国、2021年10月) この号を読む → 地球幸福度指数(Happy Planet Index、HPI)2021年版は、2019年のデータで152か国を「地球の限界の中で、どれだけ長く幸せに暮らせているか」で順位づけた号である。首位はコスタリカ(62.1点)で、上位10か国のうち8か国を中南米が占めた。世界平均は43.1点にとどまり、環境の限界内で消費している国は3分の1にすぎない。3つの要素すべてで良い結果を出した国は1つもないことが、この号のいちばんの話題である。

どう読む・どう使う

HPIは、GDPの成長だけでは測れない「長く幸せで持続可能な暮らし」をどれだけ実現しているかを比べる物差しとして使える。公式サイトは、HPIを国々を本当の進歩へ導く「羅針盤」と位置づけている。政策の議論では、幸福度や寿命と環境負荷の両立という観点から自国の立ち位置を確かめる材料になる。個人向けには自分の暮らしを振り返る「個人版HPIテスト」が用意され、教育の場では「学校でのHPI」という取り組みが始まる。日本について読む場合は、寿命の長さ、人生の評価、フットプリントという3つの元の数字を分けて見ると、33位という順位の中身が分かる。

読むときの注意

HPIは幸福度・寿命・環境負荷の3つを1つの数字にまとめるため、どの要素が順位を決めたのかは元の数字を見ないと分からない。版ごとに方法や基準が変わっており(2024年版は炭素フットプリント、2026年版はエコロジカル・フットプリント)、報告書自身が版どうしの値は比べられないとしている。人生の評価は世界幸福度報告と同じギャラップのキャントリルの梯子で、各国約1,000人の調査にもとづく。また、ある要素と順位の関係は相関であり、それだけで原因を示すものではない。

確認日:2026-10-07。URL・数字は公式の資料で確かめたものです。解説は、公式ページと報告書本文に書かれていることだけをもとにAIが書き、数字が元資料にあることを照合しています。

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