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社会進歩指数

Social Progress Index (Global Social Progress Index)(SPI)

ソーシャル・プログレス・インペラティブ(Social Progress Imperative、米国の非営利団体)

GDPを使わず、健康・教育・安全・権利など社会の成果だけで国を比べる指数。
対象
(国単位の統計)
対象の国・地域
171か国(2026年版)
規模
57の指標、2011〜2025年の15年分(2026年版で)
方法
行政データ
頻度・期間
毎年(2014年〜2026年)
幸福の測り方
経済指標を使わない社会的成果の合成指数(0〜100):基本的ニーズ(栄養と医療、水と衛生、住まい、安全)、ウェルビーイングの基盤(基礎教育、情報へのアクセス、健康、環境の質)、機会(権利と発言、自由と選択、包摂、高等教育)の3次元12要素
データの入手
公開 socialprogress.org/social-progress-index ↗

社会進歩指数の日本の順位の推移

日本(2024・2025年版は170か国中、2026年版は171か国中)(位)・各年版の公式資料から・上ほど良い
141516161414242526

各年版が発表した順位を並べたもの。対象国数が2026年版で170から171に変わっている。年版ごとに過去の値も計算し直されるため、厳密な時系列比較ではない。スコアは2025年版87.12点、2026年版87.23点(2024年版の要約版にはスコアの記載なし)。

どんなレポートか

社会進歩指数(Social Progress Index、SPI)は、米国の非営利団体ソーシャル・プログレス・インペラティブ(Social Progress Imperative)が毎年発表する、国ごとの社会の進み具合を示す指数である。最大の特徴は、GDPなどの経済指標を一切使わず、健康、安全、教育、権利、機会といった人々の暮らしの「成果」だけで社会の進歩を測る点にある。団体は、経済成長という狭いレンズだけで進歩を測ることは公平でも持続可能でもないとし、「GDPを超えて(beyond GDP)」、持続可能な開発目標(SDGs)に沿った包摂的な成長を意思決定者が目指すための道具として位置づけている。指数は2014年に始まり、以後毎年改訂されている。最新の2026年版は171か国を対象に、2011〜2025年の15年分を比べている。

何をどう測っているか

指数は0〜100点で表され、3つの次元、12の要素、57の指標から組み立てられている。1つ目の次元「基本的ニーズ」は、栄養と医療、水と衛生、住まい、安全の4要素からなる。2つ目の「ウェルビーイングの基盤」は、基礎教育、情報へのアクセス、健康、環境の質の4要素である。3つ目の「機会」は、権利と発言、自由と選択、包摂、高等教育の4要素である。各要素はそれぞれの指標の重み付き合計で計算され、総合点は3つの次元の平均である。指標の多くは国際機関などの行政統計からとられ、一部にはギャラップ世界世論調査(Gallup World Poll)の質問、たとえば生活の選択の自由に満足しているかといった項目も含まれる。各年版では過去の年の値も計算し直され、2026年版では171か国の2011〜2025年の推移を同じ方法で比べられるようにしている。

これまでの歩み

指数は2014年に始まり、以後毎年発表されてきた。2024年版(170か国)は、2011年以降で初めて世界全体の社会進歩が後退したと報告し、これを「初の社会進歩の景気後退(recession)」と呼んだ。同版は、世界の5人に4人が社会進歩の停滞または後退している国で暮らしていると指摘している。2025年版は資産運用会社AlTi Tiedemann Globalと組んで「AlTi Global Social Progress Index 2025」として発表され、170か国の2011〜2024年を対象とした。この号は、コロナ禍以降はGDPが伸びても人々の暮らしの実際の改善につながっていないと指摘し、権利と自由、特に報道の自由が10年にわたって後退していることを示した。あわせて、民間資本が社会進歩に貢献できる4つの分野を示している。2026年版は171か国の2011〜2025年を追い、世界の社会進歩は10年間着実に伸びた後、2021年以降停滞していると報告し、直近1年では約3分の1の国がスコアを下げたとしている。

分かってきたこと

世界の社会進歩は伸びから停滞・後退へ

2026年版によると、世界の社会進歩は10年間着実に伸びた後、2021年以降は停滞している。2024年版は、2011年以降で初めて世界全体のスコアが下がったとして「初の社会進歩の景気後退」と呼んだ。その時点で、世界の5人に4人が停滞または後退している国で暮らしていた。2026年版でも、直近1年で約3分の1の国がスコアを下げている。

経済成長が暮らしの改善に結びつかなくなっている

2025年版は、コロナ禍以降、GDPが伸びても人々の暮らしの実際の改善につながっていないと指摘した。これは経済指標を使わずに社会の成果だけを測るこの指数だからこそ見える論点である。団体は公式ページで、どの国や地域が富を社会進歩へうまく変えているかを探ることを指数の用途の一つに挙げている。

権利と自由、報道の自由の長期的な後退

2025年版は、権利と自由、とりわけ報道の自由が10年にわたって後退していることを示した。2026年版も、権利と自由の長期的な後退と報道の自由の低下を指摘し、さらに不寛容の広がりにも触れている。基本的ニーズのような分野とは別に、「機会」の次元で後退が続いていることが、ここ数年の版に共通する指摘である。

豊かな国の間でも順位には大きな差がある

2026年版では、G7の中でもドイツ(11位)と日本(14位)が上位にある一方、英国は18位、カナダは22位、フランスは23位、イタリアは25位、米国は32位である。2024年版では、G7のうち第1層(上位グループ)に入ったのはドイツ、カナダ、日本の3か国だけだった。経済規模が大きい国どうしでも、社会の成果で見ると位置づけは一様ではない。

日本の結果

日本の順位の推移(各年版の公式資料から)
1位16位30位16位14位14位242526
2026年版で日本は171か国中14位、スコアは87.23点であり、G7ではドイツ(11位、87.79点)に次ぐ2番目である。報告書は「ドイツと日本がG7を率いている」と記している。2025年版では170か国中14位(87.12点)で、東アジア・太平洋地域ではオーストラリア(87.60点)に次ぐ2番目だったが、2011年からの伸びは2.24点にとどまり、同地域で改善幅が小さい国の一つに挙げられた(最大はカンボジアの9.87点、ベトナムの9.80点)。2024年版では170か国中16位で第1層に入り、G7で第1層だったのはドイツ(10位)、カナダ(15位)、日本の3か国だけである。報告書は、日本が2014年の指数開始以来、英国、カナダ、ドイツと並んで第1層を維持してきたと記している。

各年版(3)

  • 2026 2026 Global Social Progress Index(171か国、2011〜2025年) この号を読む → 米国の非営利団体ソーシャル・プログレス・インペラティブが、GDPなどの経済指標を使わずに社会の成果を測る「社会進歩指数」の2026年版である。171か国の2011〜2025年を追った結果、世界の社会進歩は10年間着実に伸びた後、2021年以降停滞していることが最大の話題である。直近1年では約3分の1の国がスコアを下げた。権利と自由の長期的な後退、報道の自由の低下、不寛容の広がりも指摘している。
  • 2025 AlTi Global Social Progress Index 2025(170か国、2011〜2024年) この号を読む → 社会進歩指数の2025年版「AlTi Global Social Progress Index 2025」は、170か国の2011〜2024年の社会的成果を、経済指標を使わずに0〜100点で測った号である。いちばんの話題は、コロナ禍以降はGDPが伸びても人々の暮らしの実際の改善につながっていないという指摘である。あわせて、権利と自由、特に報道の自由が10年にわたって後退していることを示している。今回から資産運用会社AlTi Tiedemann Globalと組み、民間資本が社会進歩に貢献できる4つの分野を示している。
  • 2024 2024 Social Progress Index(170か国、要約版) この号を読む → 米国の非営利団体ソーシャル・プログレス・インペラティブ(Social Progress Imperative)による2024年版社会進歩指数(Social Progress Index)の要約版である。社会進歩指数は、所得などの経済指標を使わず、人々の暮らしの成果だけで社会の進み具合を0〜100点で測る指数である。この号の最大の話題は、2011年以降で初めて世界全体の社会進歩が後退したことである。報告書はこれを「初の社会進歩の景気後退(recession)」と呼び、世界の5人に4人が停滞または後退している国で暮らしていると指摘している。

どう読む・どう使う

公式ページによると、50か国以上で政策立案者、企業経営者、投資家、地域団体、慈善家がこの指数を使い、成果の測定、協働、優先課題の絞り込みに役立てている。政府は政策判断と資源配分に、企業はリスク低減やサプライチェーン改善、事業機会の評価や影響の記録に、投資家は投資のリスクと機会の評価に、NGOや助成団体は活動の対象設定と効果測定に使っている。研究者は、包摂的成長への道筋や、健康や犯罪の社会的な決定要因を理解するために用いている。国単位の指数のほか、ブラジルの5,570の自治体を対象とした指数、EUの地域別社会進歩指数や242のNUTS2地域を扱う健康格差マップ、英国リッチフィールド地区の22の区の指数、米フロリダ州中部の国勢調査区単位の指数など、地域版も作られている。読む際は、総合順位だけでなく、3次元・12要素のどこが強くどこが弱いかを見ることで、政策の優先順位を考える材料になる。

読むときの注意

この指数は既存の統計を合成したもので、人々に幸せかどうかを直接尋ねたものではない(一部にギャラップの意識調査の項目を含む)。どの指標を選ぶかで順位は変わりうる。年版ごとに過去の値も計算し直されるため、古い報告書に載った順位やスコアと単純に比べてはならない。また上位の国々は点差が小さく、順位の小さな違いにはあまり意味がない。

確認日:2026-10-07。URL・数字は公式の資料で確かめたものです。解説は、公式ページと報告書本文に書かれていることだけをもとにAIが書き、数字が元資料にあることを照合しています。

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