ウェルビーイングの調査・報告書

国際比較調査不定期データ:申請制

欧州生活の質調査

European Quality of Life Survey(EQLS)

ユーロファウンド(Eurofound、欧州生活労働条件改善財団。EUの機関)

EUの機関が欧州の人々の暮らしの質と主観的な幸福を、暮らしの条件と合わせて測る調査。
対象
18歳以上の成人
対象の国・地域
33か国(2016年版で。EU28か国を含む)
規模
3万6,908人(2016年版で。各国 原則約1,000人)
方法
横断調査
頻度・期間
不定期(2003年〜2016年)
幸福の測り方
生活満足度・幸福感(1〜10)、WHO-5精神的ウェルビーイング指数(2016年版など)、楽観性
データの入手
申請制

どんな調査か

欧州生活の質調査(European Quality of Life Survey、EQLS)は、EUの機関であるユーロファウンド(Eurofound、欧州生活労働条件改善財団)が実施する国際比較調査である。2003年に始まり、暮らしの質を多くの側面から捉える「監視の道具」として位置づけられている。国内総生産(GDP)や所得といった経済成長・生活水準の従来の指標を補う指標群として育ってきた。ユーロファウンドは、EQLSの指標がGDPと同じくらい分かりやすく、しかも進歩の環境面・社会面をより広く含むため、EUや各国の意思決定や公共の議論に取り入れやすいと説明している。調査の主な目的は、リスクを抱える集団や懸念される問題、進歩している点を見つけること、同じ基準の指標で傾向を追うこと、生活条件に関する欧州の政策づくりに貢献することの3つである。本調査は2003・2007・2012・2016年に行われ、第5回のEQLS 2026が準備中である。

何をどう測っているか

EQLSは、18歳以上の成人を代表するように選んだ人に質問票で尋ねる面接調査である。暮らしの客観的な状況と、その状況や人生全体を本人がどう感じているかの両方を、同じ人に尋ねる点が特徴である。扱う分野は雇用、所得、教育、住宅、家族、健康、仕事と生活のバランスなど、EUの機関が進める幅広い政策分野に対応しており、「生活の質」「社会の質」「公共サービスの質」の3つにまとめられる。主観的な項目としては、生活満足度や幸福感(1〜10で答える)、楽観性、社会や公共サービスの質をどう受け止めているかを尋ね、2016年版などではWHO-5精神的ウェルビーイング指数(世界保健機関が作った、最近の気分や活力を5問で測る指標)も用いている。2016年版はEU28か国と加盟候補5か国の計33か国で、各国原則約1,000人、合計3万6,908人に2016年9月〜2017年3月に対面で話を聞いた。EQLS 2026はEU27か国で2026年秋に実施され、面接ではなく、まずウェブで、答えない人には紙で回答してもらう自記式の順次混合方式に切り替わる。

これまでの歩み

第1回は2003年に行われ、欧州の人々の生活条件と社会的な状況を記録した。第2回の2007〜2008年版は、所得と家計、教育、住宅と地域環境、家族関係、仕事、健康、仕事と生活のバランス、主観的ウェルビーイング、社会参加、社会サービスの質、社会の質を重点的に扱った。2009年にはEQLS 2007〜2008の質問の一部がユーロバロメーター(EUの世論調査)に組み込まれ、2003〜2009年の生活の質の推移を分析できるようになった。第3回の2012年版は34か国で計43,636件の面接を行い、EU加盟国では2011年9月〜2012年2月に実施され、経済危機の影響を映し出した。第4回の2016年版は33か国・3万6,908人を調べ、3分野がおおむね改善したと結論づけた。2020〜2025年は本調査の代わりに、オンラインの「Living and Working in the EU」電子調査で生活満足度やWHO-5を追ってきた。EU拡大の見通しや欧州自由貿易連合(EFTA)諸国の関心を受けて対象国は広がってきたが、第5回のEQLS 2026はEU27か国に絞り、調査方式も自記式に変える。

分かってきたこと

経済危機で楽観性と幸福感が大きく落ちた(2012年版)

2012年版では、経済危機を背景に、EUの一部の国で楽観性と幸福感の水準が20%以上下がった。3分の1を超える人が、過去5年で家計が悪化したと答えた。政府や議会への信頼も下がり、経済的に深刻な国ほど落ち込みが大きかった。

2016年には3分野がおおむね改善したが、一様ではない

2016年版の全体の結論は、生活の質・社会の質・公共サービスの質の3分野がおおむね改善したというものである。ただし、すべての国、すべての社会集団で改善したわけではない。楽観性は前回より上がった一方、生活満足度と幸福感は横ばいだった。

仕事と生活のバランスや老後の不安は悪化した

2016年版では、仕事と生活のバランスが前回より悪化した。また、3分の2の国で老後の所得が足りなくなることへの深刻な懸念がみられた。全体として改善がみられる中でも、課題が残る領域があることを示している。

多面的な捉え方は版を重ねても保たれてきた

ユーロファウンドは、生活の質を多面的に捉える枠組みが版を重ねても揺らいでいないと説明している。新しい政策テーマに合わせて話題や指標は広がってきたが、基本の構図は保たれている。定期的に実施することで、人々の生活の質の主な傾向を時系列で追えるようになった。

各年版(3)

  • 2026 EQLS 2026(第5回の本調査。EU27か国、2026年秋に本調査、自記式のウェブ→紙の順次混合方式) この号を読む → 本号は、ユーロファウンド(Eurofound、欧州生活労働条件改善財団。EUの機関)が実施する欧州生活の質調査(European Quality of Life Survey、EQLS)の第5回、EQLS 2026の予告ページである。結果はまだ公表されておらず、中身は調査の実施計画である。最大の話題は、調査方式を自記式のウェブ→紙の順次混合方式に切り替えることである。公式サイト上の最新の調査回は2016年であり、本号はそれに続く回となる。
  • 2016 EQLS 2016(第4回。33か国・36,908人、2016年9月〜2017年3月) この号を読む → 欧州生活の質調査(European Quality of Life Survey、EQLS)2016は、EUの機関ユーロファウンド(Eurofound)による第4回調査である。EU28か国と加盟候補5か国の計33か国で、18歳以上の36,908人に対面で話を聞いた。全体の結論は、生活の質・社会の質・公共サービスの質の3分野がおおむね改善したというものである。ただし、すべての国やすべての社会集団で改善したわけではない。楽観は前回より上がり、生活満足度と幸福感は横ばいだった。一方で、仕事と生活のバランスは悪化し、3分の2の国で老後の所得不足への深刻な懸念がみられた。
  • 2012 EQLS 2012(第3回。34か国・43,636人、EU加盟国は2011年9月〜2012年2月) この号を読む → 欧州連合(EU)の機関ユーロファウンド(Eurofound、欧州生活労働条件改善財団)による第3回欧州生活の質調査(EQLS 2012)の号である。34か国で4万人超に面接し、生活状況と社会的な状況を記録した。最大の話題は、経済危機を背景にEUの一部の国で楽観性と幸福感の水準が20%以上下がり、3分の1を超える人が過去5年で家計が悪化したと答えたことである。政府や議会への信頼も下がり、とくに経済的に深刻な国で落ち込みが大きい。

どう読む・どう使う

EQLSの指標は、EUや各国の政策決定や公共の議論に取り入れられることを想定して作られている。GDPや所得だけでは見えない、環境面・社会面を含めた暮らしの変化を確かめる材料として読める。客観的な条件と主観的な評価を同じ人に尋ねているため、たとえば家計の悪化や政府への信頼の低下と、楽観性・幸福感の水準を並べて見ることができる。リスクを抱える集団や懸念される問題を見つけるという目的に沿って、国別・社会集団別の違いに注目して読むのが有効である。

読むときの注意

日本はこの調査に参加しておらず、日本との比較には使えない。本調査は2003・2007・2012・2016年と間隔が一定ではなく、対象国の数も版によって異なる。2020〜2025年の電子調査はオンラインで回答者を募る自己回答方式であり、無作為に選んだ人に面接したEQLS本調査と数字を直接比べにくい。EQLS 2026もウェブ→紙の自記式に切り替わるため、2016年以前との差には、実際の変化だけでなく調査方法の違いが混じりうる。

確認日:2026-10-07。URL・数字は公式の資料で確かめたものです。解説は、公式ページと報告書本文に書かれていることだけをもとにAIが書き、数字が元資料にあることを照合しています。

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