持たざる者ほど多く与える:社会階層が向社会的行動に及ぼす影響
Having less, giving more: the influence of social class on prosocial behavior.
Paul K. Piff, Michael W. Kraus, Stéphane Côté et al.(2010)Journal of Personality and Social Psychology, 99(5), 771–784
低い社会階層の人ほど平等主義的価値観と思いやりを通じて、寛大で援助的にふるまうことを示した。
要旨根拠:抄録
低い社会階層の人は資源が少なく脅威にさらされやすく、統制感も低いため、自己利益を優先し向社会的行動(=他者のためになる行動)が少ないと予想されがちである。著者らは逆に、低階層の人は厳しい環境に適応する手段として他者の幸福に目を向け、その結果より向社会的になると仮説を立てた。4つの研究で、低階層の人は上位階層の人に比べ、より寛大で(研究1)、慈善的で(研究2)、他者を信頼し(研究3)、援助的である(研究4)ことが示された。媒介・調整分析から、この差は平等主義的価値観へのコミットメントと思いやり(コンパッション)の感情によって生じていた。社会階層、向社会的行動、経済的不平等を考える上での含意が論じられている。
関係メモ——この研究のその後
- 後続・発展W0413 Piff(2015)が畏敬による向社会性の研究へ展開した
- 再現・検証一覧外:Korndörfer, Egloff & Schmukle(2015)が大規模な代表データで社会階層が高いほど寄付やボランティアが多いという逆の結果を示し、低階層ほど向社会的という主張は一般化が限定的とされた
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
研究のつながり
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先行研究(この論文が引用している) 1本
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文献表記(APA第7版)
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- Social and Intergroup Psychology
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被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
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