親切の報酬?向社会性とウェルビーイングの関連に関するメタ分析
Rewards of kindness? A meta-analysis of the link between prosociality and well-being.
B. Hui, Jacky C. K. Ng, Erica Berzaghi et al.(2020)Psychological bulletin, 146(12), 1084–1116
向社会性と幸福の関連は全体では控えめだが、快楽的幸福よりエウダイモニックな幸福とより強く結びつくことを示した。
要旨根拠:抄録
ここ数十年、向社会性(=他者を助けたり利益を与えたりする行動や傾向)とウェルビーイングの正の関係を示す研究は多いが、その関連の大きさと調整要因は明らかでなかった。本研究は、向社会性の操作化の違いや理論的・人口統計的・方法論的要因によって関連がどう変わるかをメタ分析で検討した。全体の平均効果量はr=.13(201効果、約19万8000人)と控えめだったが、多くの調整要因によって大きなばらつきがあった。向社会性はエウダイモニックな幸福(=意味や成長に基づく幸福)とより強く、快楽的な幸福とはそれより弱く関連し、心理的機能との関連が最も強く、心理的不調や身体的健康との関連は穏やかだった。また尺度で測った向社会性の方がボランティアの頻度などで測るより関連が強く、非公式な援助の方が公式な援助より恩恵と結びついていた。若い人は身体的健康以外の幸福が、高齢・退職者は身体的健康のみが高いなど、誰がどのように助けるかによって親切の報酬が異なることを示している。
関係メモ——この研究のその後
- 先行・基盤W0817 Curry(2018)の親切行為のメタ分析、W0465 Dunn(2008)の向社会的支出、W0336 Weinstein & Ryan(2010)の自律的な援助動機の研究を統合した
- 後続・発展W1305 Nichol(2023)がボランティア活動の社会的・心理的効果の検討へ展開した
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 15本
- W0017 幸福と人間の潜在力について:快楽主義的・エウダイモニア的ウェルビーイング研究のレビュー Ryan(2001) Annual Review of Psychology 主要400 被引用 11,279
- W0039 頻繁なポジティブ感情の効用:幸福は成功をもたらすのか Lyubomirsky(2005) Psychological bulletin 主要400 被引用 7,237
- W0133 主観的幸福感――30年の進歩 Diener(1999) Psychological Bulletin 主要400 被引用 3,418
- W0223 失業中の心理的・身体的ウェルビーイング:メタ分析研究 McKee-Ryan(2005) Journal of Applied Psychology 主要400 被引用 2,165
- W0259 知覚された差別が心理的ウェルビーイングに及ぼす影響:メタ分析的レビュー Schmitt(2014) Psychological bulletin 主要400 被引用 1,630
- W0336 助けることが助けになるとき:向社会的行動の自律的動機づけと、助ける側・助けられる側のウェルビーイング Weinstein(2010) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 1,498
- W0358 持たざる者ほど多く与える:社会階層が向社会的行動に及ぼす影響 Piff(2010) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 1,428
- W0373 シンプルなポジティブ活動はどのようにウェルビーイングを高めるのか Lyubomirsky(2013) Current Directions in Psychological Science 主要400 被引用 1,228
- W0465 他者のためにお金を使うと幸せになる Dunn(2008) Science 主要400 被引用 1,472
- W0592 向社会的支出とウェルビーイング:心理的普遍性を示す比較文化的証拠 Aknin(2013) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 814
- W0206 ヘドニア、エウダイモニア、ウェルビーイング:序論 Deci(2008) Journal of Happiness Studies 被引用 2,187
- W0419 ボランティア活動とウェルビーイング Thoits(2001) Journal of Health and Social Behavior 被引用 1,620
ほか 3 件
後続研究(この論文を引用している) 1本
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文献表記(APA第7版)
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- FWCI
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- 同年同分野で
- 上位 1.3%
- 分野(OpenAlex)
- Psychological Well-being and Life Satisfaction
- 主要400の選定
- 著名度スコア上位(概念・年代枠内)
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
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