ウェルビーイングの調査・報告書

パネル調査毎年データ:公開

Global Flourishing Study(グローバル・フラーリシング・スタディ)

Global Flourishing Study(GFS)

ベイラー大学 Institute for Global Human Flourishing とハーバード大学 Human Flourishing Program が共同主導。調査はGallup、公開データはCenter for Open Science

22か国・20万人以上を毎年追跡し、幸福・健康・意味・人柄・人間関係・経済の6領域を測るパネル調査。
対象
成人(各国の全国代表サンプル)
対象の国・地域
22か国・地域
規模
20万人以上
方法
パネル(同じ人を追跡)
頻度・期間
毎年(2023年〜2026年)
幸福の測り方
フラーリッシュ指数(幸福と生活満足、心身の健康、意味と目的、人柄と徳、人間関係の5領域×2問、0〜10)と、経済的な安定の2問を加えたセキュア・フラーリッシュ指数(12問)
データの入手
公開 cos.io/gfs ↗

どんな調査か

グローバル・フラーリシング・スタディ(Global Flourishing Study、GFS)は、人生のあらゆる面がうまくいっている状態を「フラーリッシング(flourishing)」と呼び、それを世界規模で測る国際パネル調査である。ベイラー大学のInstitute for Global Human Flourishingとハーバード大学のHuman Flourishing Programが共同で主導する。調査の実施はGallup、公開データの管理は研究の透明性向上を掲げる非営利団体Center for Open Science(COS)が担う。対象は6大陸22か国・地域の成人20万人以上で、100人を超える研究者が関わる。2023年の第1波から毎年、同じ人を追跡する設計である。資金はジョン・テンプルトン財団、フェッツァー研究所など複数の財団が提供している。

何をどう測っているか

中心となる物差しは、6つの領域を12問で測る「セキュア・フラーリッシュ指数(Secure Flourishing Index、SFI)」である。6領域は、幸福と生活満足、心身の健康、意味と目的、人柄と徳、人間関係、そして経済的・物質的な安定である。最初の5領域はそれ自体のために追い求められるもの、経済的な安定はそれらを支える土台と位置づけられている。経済面の2問を除いた5領域×2問の10問が「フラーリッシュ指数(Flourishing Index、FI)」で、各問は0〜10点で答える。これに加えて、フラーリッシングが育ちやすい環境を理解するための背景要因も尋ねている。同じ人を毎年追跡するパネル調査であるため、暮らしの要因とその後のウェルビーイングの関係を時間の順序に沿って調べられる点が特徴である。

これまでの歩み

第1波の調査は2023年に行われた。2024年2月13日、COSは第1波データを研究者向けに公開し、分析計画を事前登録した研究者はすぐに、事前登録なしの場合は各波の初回公開から1年後に機微でないデータを使える仕組みを告知した。2025年4月には第1波の結果がNature系の複数誌で一斉に発表され、その中心が研究の全体像と最初の結果をまとめた論文『The Global Flourishing Study: Study Profile and Initial Results on Flourishing』(Nature Mental Health、2025年)である。同じ2025年4月23日には、事前登録した研究者が第1波と第2波の両方を入手できるようになった。2026年4月8日には第1・2波のデータが正式な登録手続きなしで誰でもダウンロードできる形で公開され、研究者だけでなく記者、教育者、政策担当者も直接データを扱えるようになった。第3波は事前登録制での提供である。

分かってきたこと

若い世代ほどフラーリッシングが低い

幸福度は中年で落ち込み、その後回復するという「U字」が従来よく語られてきた。しかし第1波の主要論文では、このU字が見られず、若い成人ほど得点が低いという結果が示された。2026年のデータ公開の告知でも、若い世代のフラーリシングの低さが主な発見の一つとして紹介されている。

国の豊かさと人生の意味の感覚は逆向きの関係

国の豊かさと人生の意味の感覚のあいだには負の関係が見られた。1人あたりGDPが高い国ほど、総合点がやや低いという結果も出ている。これは国単位で見た相関であり、豊かさが意味の感覚を下げるという因果を示すものではない。

宗教参加との結びつき

宗教への参加とフラーリッシングの結びつきは、2026年の告知で紹介された3つの主な発見の一つである。公式サイトの記事によれば、週に1回より多く宗教行事に参加する人は、世界全体で希望の水準がもっとも高い。ただし同じ記事は、どの国に住んでいるかがそれ以上に大きく関わる可能性も指摘している。

国によって大きく異なる人間関係と信頼

所属感は、国によって年齢とともに強まる場合もあれば、薄れていく場合もある。周囲の人どうしが信頼し合っていると感じるかという「知覚された社会的信頼」では、米国が最下位で、国内のほとんどの人が互いを信頼していると考える米国人は10人に1人にとどまる。

生活評価の1問だけでは捉えきれない

公式サイトは、世界の幸福度ランキングに使われる質問(人生全体を評価する1問)が、人生を良いものにする全体像を見落としている可能性を論じる記事を掲げている。複数の領域を並べて測るGFSの考え方は、この問題意識に立っている。

日本の結果

第1波(2023年)で、日本のフラーリッシュ指数(経済面を除く10問)の平均は5.93で、22か国中もっとも低かった。しかも他国から大きく引き離された最下位である。もっとも高いのはインドネシアで、日本との差は10点満点で2.21点あった。元資料には、日本の領域別の得点は書かれていない。

各年版(4)

  • 2026 第1波・第2波データの一般公開(2026年4月8日) この号を読む → グローバル・フラーリシング・スタディ(Global Flourishing Study、GFS)が、第1波・第2波のデータを2026年4月8日に一般公開したことを伝える号である。これまで必要だった正式な登録手続きなしで、誰でもデータをダウンロードできるようになった。研究者だけでなく、記者、教育者、政策担当者が直接データを扱えるようになったことが、いちばんの話題である。あわせて、若い世代のフラーリシングの低さ、国の豊かさと人生の意味の感覚の負の関係、宗教参加との結びつきという3つの主な発見を紹介している。
  • 2025 第1波の主要結果論文「The Global Flourishing Study: Study Profile and Initial Results on Flourishing」(Nature Mental Health, 2025) この号を読む → この号は、22か国・20万人超を追うグローバル・フラーリシング・スタディ(Global Flourishing Study)の第2波データを、研究者向けに公開した節目にあたる。ただし渡された元資料は、データ公開の告知ではなく、研究の全体像と最初の結果をまとめた論文『The Global Flourishing Study: Study Profile and Initial Results on Flourishing』(Nature Mental Health、2025年)の紹介ページである。いちばんの話題は、幸福度が中年で落ち込み後に回復するという従来の「U字」が見られず、若い成人ほど低いという結果である。もう一つの大きな話題として、22か国のうちフラーリッシュ(人生全体がよく満たされている状態)の平均がもっとも高いのはインドネシア、もっとも低いのは日本で、その差は10点満点で2.21点あった。
  • 2025 第2波(Wave 2)データの研究者向け公開(Center for Open Science、2025年4月23日) この号を読む → 本号は、世界22か国・20万人超を追跡する国際調査「グローバル・フラーリシング・スタディ(Global Flourishing Study、GFS)」が、第2波(2回目の調査)のデータを研究者向けに公開したことを告げる告知である。発表は2025年4月23日、データ公開を担う非営利団体Center for Open Science(COS)のブログで行われた。最大の話題は、分析計画を事前に登録した研究者が第1波と第2波の両方のデータを入手できるようになった点である。さらに2026年には、事前登録なしで誰でも使える形での公開が予定されている。
  • 2024 第1波(Wave 1)データの研究者向け公開(Center for Open Science、2024年2月13日) この号を読む → 本号は、20か国超・20万人超を5年間追跡する国際調査「グローバル・フラーリシング・スタディ(Global Flourishing Study、GFS)」が、第1波(Wave 1)のデータを研究者向けに公開したことを伝える2024年2月13日の発表である。公開を担うのは、研究の透明性向上を掲げる非営利団体センター・フォー・オープンサイエンス(Center for Open Science、COS)である。最大の話題はデータの入手方法で、分析計画を事前登録した研究者は今すぐ利用でき、事前登録なしの場合は各波の初回公開から1年後に機微でないデータを利用できる。調査結果そのものではなく、データ公開の仕組みを告知する号である。

どう読む・どう使う

研究者は、事前登録の仕組みを通じて、あるいは2026年4月以降は登録なしで、第1・2波のデータを自分で分析できる。記者、教育者、政策担当者も同じデータを直接ダウンロードして使える。公式サイトには、公表済みの論文を検索し、平易な言葉で答えたうえで各主張に出典を添える「リサーチ・チャット」がある。査読論文を領域・国・テーマ・調査波で絞り込める「リサーチ・エクスプローラー」やNatureの特集コレクションもあり、関心のある論点の根拠を原論文までたどれる。

読むときの注意

国ごとの平均の差には、極端な点数を避ける傾向など、答え方の文化差も含まれうる。日本が最下位という結果も、この点を踏まえて読む必要がある。1人あたりGDPと総合点の関係は国単位の相関で、因果ではない。第1波は一時点の横断データであり、同じ人の変化を追う分析には第2波以降のデータが必要である。

確認日:2026-10-07。URL・数字は公式の資料で確かめたものです。解説は、公式ページと報告書本文に書かれていることだけをもとにAIが書き、数字が元資料にあることを照合しています。

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