研究の系譜と論争 ・ 世界 ・ 系譜2
ポジティビティ比(撤回された数式)
Fredrickson & Losada(2005)は、ポジティブ感情とネガティブ感情の比が2.9013を超えると人は開花すると、非線形力学の数式を根拠に主張した。Brown, Sokal & Friedman(2013)が数式の適用に根拠が無いことを指摘し、Fredrickson自身が数理部分を撤回した(Fredrickson, 2013)。
拡張-形成理論(Fredrickson, 2001)自体は撤回されていないが、「3対1」という具体的な比率は使わないのが現在の標準である。一般書『ポジティビティ』の邦題にある「3:1の法則」はこの経緯を踏まえて読む必要がある。
解説に出てくるが一覧の外にあるもの:Fredrickson(2013)
この系譜の論文(年順・3本)
- 2001W0007 ポジティブ心理学におけるポジティブ感情の役割:拡張-形成理論 Fredrickson(2001) American Psychologist 主要400 被引用 15,016 ポジティブ感情が思考と行動の幅を広げ、長期的な個人資源を築くとする拡張-形成理論を提唱した。
- 2005W0197 ポジティブ感情と人間のフラリッシングの複雑なダイナミクス Fredrickson(2005) American Psychologist 被引用 2,269 ポジティブ感情とネガティブ感情の比率が約2.9以上の人はフラリッシングしていると予測し、日誌データで検証した。
- 2013W1417 希望的観測の複雑な力学:臨界ポジティビティ比 Brown(2013) American Psychologist 被引用 186 ポジティブ感情とネガティブ感情の比率2.9013が臨界値だとする主張には根拠がないことを示した。
系譜図でこの流れの論文だけが浮かび上がり、左から右へ年代順に並びます。
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