幸せの名言集
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「笑いのない一日は、無駄にした一日である」 A day without laughter is a day wasted.
— チャップリン(とされる) 典拠不詳(ニコラ・シャンフォールの警句が原型とされる)
※シャンフォール「すべての日のうちで最も無駄なのは笑わなかった日」が原型とされる
笑いは日々の必需品である
心理学では 「笑いのない一日は無駄にした一日」という言葉は、ユーモア(物事のおかしさに気づき、楽しむ力)を、日々育てたい性格の強みとしてとらえる見方に通じる。Wellenzohnら(2016)は、成人を対象にしたオンラインの無作為化比較試験(くじ引きで群を分けて比べる実験)で、その日にあった「おかしかったこと」を毎晩三つ書き出す練習が、比較のための課題に比べて幸福感を高めることを示した。またDunbarら(2012)の実験では、コメディ映像を見て声を上げて笑った後に、痛みへの耐性が高まった。一日の終わりに、くすりとした出来事を思い返す習慣が、笑いを暮らしに取り戻す助けになる。 参考:Wellenzohnら(2016)「Humor-based online positive psycho…」 ↗ /Dunbarら(2012)「Social laughter is correlated with…」 ↗ 人物 英国出身の映画俳優・監督(1889-1977)。喜劇王 「ユーモアもまた、自己保存のための魂の武器である」 Humor was another of the soul's weapons in the fight for self-preservation.
— ヴィクトール・フランクル 『夜と霧』(1946)
極限状況でも、ユーモアは人を守る
心理学では フランクルの言うユーモアは、心理学ではユーモア・コーピング(つらい出来事をおかしみの視点でとらえ直し、心の負担を軽くする対処)にあたる。Vaillant(2000)は、ユーモアを「成熟した防衛機制」(現実から目をそらさずに苦痛を和らげる、健康的な心の守り方)の一つに位置づけた。Samson & Gross(2012)の実験では、不快な写真を見た参加者が温かみのあるユーモアで状況を解釈し直すと、否定的な感情が和らぎ、肯定的な感情が高まった。ただし皮肉や嘲笑のユーモアは温かいユーモアほどの効果を持ちにくいため、人を傷つけない笑いを選ぶとよい。苦しい場面でこそ一歩引いて「おかしみ」を探す習慣が、心の支えになる。 参考:Vaillant(2000)「Adaptive mental mechanisms: Their …」 ↗ /Samson & Gross(2012)「Humour as emotion regulation: The …」 ↗ 人物 オーストリアの精神科医(1905-1997)。強制収容所からの生還者 「人類が持っている本当に効果的な武器は、ただ一つ。笑いである」 The human race has only one really effective weapon, and that is laughter.
— マーク・トウェイン 『不思議な少年』ほか
笑いは権威や苦難に対する最強の武器である
心理学では 笑いを武器にするとは、心理学でいう「ユーモアによる対処(つらい状況を笑いの視点で捉え直し、心の負担を軽くすること)」にあたり、認知的再評価(出来事の意味づけを変えて感情を整える方法)の一種である。Samson & Gross(2012)は、不快な写真を見た人にユーモアで捉え直してもらう実験を行った。その結果、否定的な感情が和らぎ、肯定的な感情が高まることを示した。ただし、相手を嘲る笑いより温かい笑いのほうが効果は大きい。理不尽に直面したときこそ一歩引いて可笑しみを探すことが、心を折らずに立ち向かう力になる。 参考:Samson & Gross(2012)「Humour as emotion regulation: The …」 ↗ 人物 米国の作家(1835-1910) 「笑いは、人の顔から冬を追い払う太陽である」 Laughter is the sun that drives winter from the human face.
— ヴィクトル・ユーゴー 『レ・ミゼラブル』(1862)
笑いは人を内側から温める
心理学では 名言の「冬を追い払う」は、心理学でいう肯定的感情の「元に戻す効果」(楽しさや喜びが、不安や緊張で高ぶった心身を平常へ戻す働き)にあたる。Fredrickson & Levenson(1998)の実験では、恐怖を誘う映像を見たあとに愉快な映像を見た人は、悲しい映像や中立的な映像を見た人より、心拍などの回復が速かった。またKeltner & Bonanno(1997)は配偶者を亡くした人を調べ、故人について語る最中に心からの笑いが見られた人ほど、悲嘆が軽く、周囲との関係も良好であることを示した。ユーモアは人の持つ強み(その人らしさを支える良い性質)の一つでもある。つらい時期ほど、身近に小さな笑いの種を置いておくことが、心に春を呼び込む助けになる。 参考:Fredrickson & Levenson(1998)「Positive Emotions Speed Recovery f…」 /Keltner & Bonanno(1997)「A study of laughter and dissociati…」 ↗ 人物 フランスの作家・詩人(1802-1885) 「薬を10錠飲むよりも、心から笑うほうがずっと効き目がある」 A good hearty laugh would help more than ten valerian pills.
— アンネ・フランク 『アンネの日記』1944年3月の記述
笑いは心身の良薬である
心理学では アンネの言葉は、性格の強み「ユーモア」(物事の明るい面を見て笑いを生み出す力)の効用を言い当てている。Dunbarら(2012)は、仲間とコメディ映像を見て声を出して笑った人は、淡々としたドキュメンタリーを見た人に比べて痛みに耐える力が高まることを実験で示した。Ganderら(2013)のオンライン介入研究でも、その日にあった面白い出来事を三つ書き出す練習が幸福感を高めた。隠れ家という極限の日々で笑いを手放さなかった少女の実感は、これらの知見と重なる。一日の終わりに笑えたことを思い出し、誰かと分かち合う習慣が、心の常備薬になる。 参考:Dunbarら(2012)「Social laughter is correlated with…」 ↗ /Ganderら(2013)「Strength-Based Positive Interventi…」 人物 ドイツ生まれのユダヤ人少女(1929-1945) 「笑う門には福来る」 — 日本のことわざ
笑いのある場に幸福は集まる
心理学では このことわざは、心理学でいうポジティブ感情の「拡張―形成理論」(喜びや楽しさが視野を広げ、人とのつながりなどの資源を育てるという考え方)とよく重なる。Harker & Keltner(2001)は、女子大学の卒業アルバム写真を用いた縦断研究で、目元まで笑う心からの笑顔を見せていた女性ほど、中年期に至るまで結婚生活への満足度や幸福感が高い傾向にあることを報告した。またWellenzohnら(2016)のオンライン介入実験では、その日にあった面白い出来事を三つ書き留める課題が、長期にわたって幸福感を高めた。一日の終わりに「今日笑えたこと」を振り返る習慣が、福を呼び込む入り口になる。 参考:Harker & Keltner(2001)「Expressions of positive emotion in…」 ↗ /Wellenzohnら(2016)「Humor-based online positive psycho…」 ↗ 「10分間の心からの笑いには麻酔効果があり、2時間の痛みのない睡眠を与えてくれた」 — ノーマン・カズンズ 『笑いと治癒力』(1979)
笑いを自らの難病治療に取り入れた記録
心理学では カズンズの体験は、笑いによる疼痛緩和(痛みを感じにくくなること)と、内因性オピオイド(体内で作られるモルヒネに似た鎮痛物質)の働きとして説明できる。Dunbarら(2012)は、参加者にコメディ映像と退屈な映像を見せる実験を行い、声を出して笑った後のほうが痛みに長く耐えられることを示した。さらにManninenら(2017)は脳画像(PET)を用い、親しい友人と笑い合うことが脳内のオピオイド放出を促すことを明らかにした。ただし持病の痛みには、笑いを治療の支えとして医療と組み合わせるとよい。つらい日ほど、好きな喜劇や気心の知れた仲間との雑談に時間を割くことが、心身を和らげる助けになる。 参考:Dunbarら(2012)「Social laughter is correlated with…」 ↗ /Manninenら(2017)「Social Laughter Triggers Endogenou…」 ↗ 人物 米国のジャーナリスト・編集者(1915-1990)。膠原病からの回復体験を著した 「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく」 — 井上ひさし 座右の銘として色紙等に残る
続きは「おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに」
知の伝達の理想は「面白さ」に行き着く
心理学では この言葉は、教育心理学でいう「内容に結びついたユーモア」の理想を表している。Wanzerら(2010)は大学生への調査をもとに「教授ユーモア処理理論」(笑いに気づき、内容と結びつけて理解する過程を説明する理論)を提唱した。そして、授業内容に関連したユーモアを使う教員ほど、学生が学びを得ていると報告することを示した。Banasら(2011)による40年分の研究レビューでも、内容に即した適切なユーモアは注意や学習と好ましく関連していた。ただし本筋と無関係な笑いは気を散らすため、面白さは「ふかいこと」そのものから引き出すとよい。人に説明するときは、要点をやさしく言い換え、その核心にある意外さを面白さとして差し出すと、伝わる話になる。 参考:Wanzerら(2010)「An Explanation of the Relationship…」 ↗ /Banasら(2011)「A Review of Humor in Educational S…」 ↗ 人物 日本の劇作家・小説家(1934-2010)。『ひょっこりひょうたん島』 「人が死んでも人生が滑稽であることをやめないのは、人が笑っても人生が深刻であることをやめないのと同じである」 Life does not cease to be funny when people die any more than it ceases to be serious when people laugh.
— ジョージ・バーナード・ショー 『医師のジレンマ』序文(1906)
滑稽さと深刻さは人生に同居する
心理学では ショーの言葉は、心理学でいう混合感情(喜びと悲しみのような相反する感情を同時に抱くこと)を受け入れる姿勢に重なる。Keltner & Bonanno(1997)は、配偶者を亡くした人が故人について語る様子を観察し、心からの笑いが見られた人ほど、その後の悲嘆からの適応が良好であることを示した。またAdler & Hershfield(2012)は、心理療法を受ける人を追跡した縦断研究で、喜びと悲しみが入り混じった体験が、その後の心理的ウェルビーイング(心の健やかさ)の改善に先立って現れることを報告している。つらい時期にも笑いを禁じる必要はなく、深刻な問題には笑いを交えながら向き合ってよい。悲しみの中に可笑しさを見つけたら、不謹慎だと退けず、心を支える力として受け取ることが回復の助けになる。 参考:Keltner & Bonanno(1997)「A study of laughter and dissociati…」 ↗ /Adler & Hershfield(2012)「Mixed Emotional Experience Is Asso…」 ↗ 人物 アイルランドの劇作家(1856-1950)。ノーベル文学賞 「人生は、深刻に語るには重要すぎる」 Life is far too important a thing ever to talk seriously about.
— オスカー・ワイルド 戯曲の台詞に基づく
『ヴェラ』等の台詞。類似の警句が複数ある
重要なものほど軽やかに扱うという逆説
心理学では この名言は、大切な事柄ほど軽やかに眺める姿勢を説いている。心理学では、ユーモアは感情調整(気持ちの揺れを整えるはたらき)の一つで、出来事を別の角度から捉え直し、問題から一歩引く心理的距離化を助ける。Samson & Gross(2012)は、不快な写真をユーモアで捉え直すよう求める実験で、否定的な感情が和らぎ肯定的な感情が増えることを示した。Wellenzohnら(2016)の介入研究でも、その日の面白い出来事を三つ書き留める練習が幸福感を高めた。ただし皮肉まじりの笑いは効果が弱いため、温かいユーモアを選ぶとよい。重い課題の前でこそ小さな可笑しさを探すことが、狭まった視野を広げる助けになる。 参考:Samson & Gross(2012)「Humour as emotion regulation: The …」 ↗ /Wellenzohnら(2016)「Humor-based online positive psycho…」 ↗ 人物 アイルランドの作家・劇作家(1854-1900)。『幸福な王子』 「笑いは、緊張の緩和から生まれる」 — 桂枝雀 「緊張と緩和」理論(高座・著書で展開)
笑いのメカニズムを緊張→緩和で説明した
心理学では 枝雀の「緊張と緩和」は、心理学でいう不一致解決理論(予想外のずれに驚き、それが腑に落ちた瞬間に笑いが生じるという考え)や、良性の違反理論(「何かがおかしい」と感じつつ「でも大丈夫だ」と思えたときに笑いが生まれるという考え)とよく重なる。McGraw & Warren(2010)は一連の実験で、決まりやふつうからはみ出した出来事を描いた場面を参加者に示し、その出来事が同時に無害だと受け取れる条件のときに、おかしさや笑いが生じやすいことを示した。ただし、相手にとって深刻な話題では緩和が起きにくいため、誰も傷つかない題材を選ぶとよい。張りつめた会議や家庭の気まずい空気の中で、ふっと力の抜ける軽い一言を添えることが、場をほぐす助けになる。 参考:McGraw & Warren(2010)「Benign violations: Making immoral …」 ↗ 人物 上方落語の落語家(1939-1999)。2代目桂枝雀 「笑いは、一人でいるときよりも他者といるときに30倍起こりやすい」 — ロバート・プロヴァイン 『Laughter: A Scientific Investigation』(2000)
笑いの本質は社会的な接着剤である
心理学では この名言は、笑いを「社会的シグナル」(相手に親しみや安心を伝える合図)としてとらえる見方を端的に表している。Provine & Fischer(1989)は大学生に日々の笑いを記録してもらう日誌研究を行い、笑いは一人でいるときより他者といるときにはるかに多く生じることを示した。さらにDunbarら(2012)の実験では、仲間とコメディを見て声を出して笑った後に痛みへの耐性が高まった。このことから、笑いはエンドルフィン(脳内で働く鎮痛・快の物質)を介して人と人との絆づくりを支えると考えられている。冗談のうまさを競う必要はない。家族や同僚との何気ない会話で一緒に笑う時間を増やすことが、関係を温める近道になる。 参考:Provine & Fischer(1989)「Laughing, Smiling, and Talking: Re…」 ↗ /Dunbarら(2012)「Social laughter is correlated with…」 ↗ 人物 米国の神経科学者(1943-2019)。笑い研究の先駆者 出典に諸説あり
「天岩戸の前で神々がどっと笑い、アメノウズメが陽気に舞ったとき、隠れていた太陽の神は、再び姿を現した」 — 『古事記』天岩戸神話 記紀神話(712/720)
アメノウズメは芸能の女神とされる
太陽神アマテラスが岩戸に籠もり世界が闇に沈んだとき、神々は嘆きでも武力でもなく「宴と笑い」を選んだ。ウズメの滑稽な踊りに沸き起こった笑い声が、太陽を岩戸から誘い出した ── 笑いが光を呼び戻す、という構造を持つ世界的にも珍しい神話
心理学では この神話は、ポジティブ感情の「打ち消し効果」(楽しい感情が、不安や恐れによる心身の緊張を早く元に戻す働き)を物語にしたものである。Fredrickson & Levenson(1998)の実験では、恐怖を感じる映像を見た後に愉快な映像を見た人は、心拍などの心血管反応が早く平常に戻った。またDunbarら(2012)は、仲間と喜劇を見て声をあげて笑った後は痛みへの耐性が高まることを実験で示し、共に笑うことが人と人をつなぐ仕組みだと論じた。暗い出来事が続く時期こそ、仲間と笑える小さな場を意識してつくることが、心に光を呼び戻す助けになる。 参考:Fredrickson & Levenson(1998)「Positive Emotions Speed Recovery f…」 /Dunbarら(2012)「Social laughter is correlated with…」 ↗ 人物 日本最古の神話。芸能の起源譚ともされる 「みんな、笑ってみな。おっかないのは、逃げちゃうから」 — お父さん(映画『となりのトトロ』) スタジオジブリ『となりのトトロ』(1988、宮崎駿監督)
引っ越した古い家で「お化けが出るかも」と怯える娘たちに、父が提案したのは説得ではなく「大声で笑うこと」だった。恐怖の対象を消すのではなく、笑いで自分たちの側の状態を変える ── 天岩戸神話と同じ構造を持つ、家庭のユーモア教育の名場面
心理学では お父さんの提案は、ユーモアによる感情調整(笑いを使って自分の気持ちの状態を整えること)にあたり、強みとしてのユーモアを家族で分かち合う場面である。Yovetichら(1990)は、電気ショックを予告されて待つ大学生を対象に実験を行い、ユーモアのある録音を聞いた群では、待つ間の不安が低く抑えられることを示した。Samson & Gross(2012)の実験でも、嫌な画像を見たあとに温かく前向きなユーモアで捉え直すと、皮肉まじりのユーモアよりも否定的な感情が和らぎ、肯定的な感情が高まった。不安な場面に出会ったら、まず身近な人と声を出して笑ってみることが、気持ちを立て直す助けになる。 参考:Yovetichら(1990)「Benefits of Humor in Reduction of …」 ↗ /Samson & Gross(2012)「Humour as emotion regulation: The …」 ↗ 人物 宮崎駿(1941-)は日本のアニメーション監督 「これはゲームだ。1000点集めたら、本物の戦車に乗って家に帰れる」 — グイド(映画『ライフ・イズ・ビューティフル』) ロベルト・ベニーニ監督・主演(1997、イタリア)
作中の設定であり、史実の収容所の記録ではない
強制収容所に送られた父グイドが、幼い息子を恐怖から守るために語り続けた「嘘」。現実は変えられなくても、子どもが体験する現実の意味は変えられる ── ユーモアと想像力を極限の愛の道具として描き、アカデミー賞を受けた物語の核
心理学では グイドの「ゲーム」は、認知的リフレーミング(出来事の意味づけを変えること)と、自己高揚的ユーモア(逆境にもおかしみを見いだす笑い)の実践である。Martinら(2003)の質問紙研究では、このタイプのユーモアを使う人ほど抑うつが低く、自尊心が高いことが示された。また、湾岸戦争中にミサイル攻撃を受けたイスラエルの幼児を調べたLaorら(1996)では、母親の心の状態が安定している子どもほどストレス症状が少なかった。子どもにとって出来事の意味は、そばにいる大人の受け止め方から形づくられる。つらい場面ほど、出来事にどんな意味を与えるかを身近な人と一緒に選び直すことが、互いの心を守る力になる。 参考:Martinら(2003)「Individual differences in uses of …」 /Laorら(1996)「Israeli Preschoolers Under Scud Mi…」 ↗ 人物 ベニーニ(1952-)はイタリアの喜劇俳優・監督 「お前が変な顔して笑わせようとしなくても、世の中っていうのは、十分おかしいんだよ」 — いかりや長介 志村けんが師の言葉として著書で紹介
志村けん『変なおじさん』での紹介による
コントの誇張に走る弟子への師の助言。笑いは無理に作るものではなく、日常を正確に観察すれば既にそこにある ── 「あるある」の笑いの原理を一言で示し、志村けんの芸の土台になったと言われる言葉
心理学では この言葉は、笑いの源を「無害な逸脱」(benign violation:こうあるはずという期待から外れているが、脅威にはならないずれ)に見いだす考え方と重なる。McGraw & Warren(2010)は一連の実験で、出来事がおかしく感じられるのは、ずれがあり、しかもそれが無害だと受け止められるときであることを示した。またProvine(1993)は日常会話で起きる笑いを観察し、笑いの多くは用意された冗談ではなく、何気ない発言のあとに生じることを報告している。笑いは無理に作るものではなく、身の回りで見つけるものである。日々の小さなずれに目をとめ、それを身近な人と分かち合うことが、暮らしや職場に自然な笑いと親しみを呼び込む。 参考:McGraw & Warren(2010)「Benign violations: Making immoral …」 ↗ /Provine(1993)「Laughter Punctuates Speech: Lingui…」 ↗ 人物 日本のコメディアン(1931-2004)。ザ・ドリフターズのリーダー 「あなたは、すべての出来事、存在を、あるがままに前向きに肯定し、受け入れました。……私も、あなたの作品の一つです」 — タモリ(赤塚不二夫への弔辞) 赤塚不二夫告別式(2008)での弔辞
「私もあなたの作品の一つです」の一節で知られる
「これでいいのだ」の漫画家への、白紙を手に読み上げられた(と語られる)弔辞。赤塚のギャグの本質を「全肯定による解放」と読み解き、自らをその作品と呼ぶ ── 弔辞そのものが名言集に入る稀有な例
心理学では タモリが描いた赤塚の姿勢は、心理学でいう「受容(出来事や感情を良し悪しで裁かず、そのまま受け止めること)」と、強みとしての「ユーモア(物事のおかしみを見いだす力)」の結びつきである。Martinら(2003)の質問紙研究では、人生の不条理をおもしろがって気持ちを立て直す「自己高揚的ユーモア」をよく使う人ほど、抑うつが低く自尊感情が高かった。Fordら(2018)も実験・日記・縦断の研究を組み合わせ、否定的な感情や考えを習慣的に受け入れる人ほど、ストレス下での落ち込みが少なく、心の健康が良好であることを示した。うまくいかない日こそ「これでいいのだ」とつぶやき、笑いの種を一つ探すことが、心を軽くする助けになる。 参考:Martinら(2003)「Individual differences in uses of …」 /Fordら(2018)「The psychological health benefits …」 ↗ 人物 タモリ(1945-)は赤塚不二夫に見出されて芸能界に入った 「ユーモアとは、「にもかかわらず」笑うことである」 Humor ist, wenn man trotzdem lacht.
— アルフォンス・デーケン 死生学の講義で紹介し続けたドイツの格言
ドイツの格言をデーケンが日本に紹介した
悲しみがないから笑うのではない。悲しみが「あるにもかかわらず」笑う ── 日本に死生学(デス・エデュケーション)を根づかせた神父が、死と喪失の講義の真ん中に置き続けた言葉。深刻な現実とユーモアは両立する、どころか、深刻なときにこそユーモアは働く
心理学では この名言は、ユーモアを現実の否認ではなく、つらい現実と向き合いながら心の距離をとる力(対処方略、つまりストレスへの向き合い方の一つ)としてとらえている。Keltner & Bonanno(1997)は、配偶者を亡くした人々に故人について語ってもらい、そのときの表情を分析した。その結果、語りの中で心からの笑いが見られた人ほど、苦痛から距離をとれており、怒りが少なく、周囲との関係も良好だった。悲しみの中の笑いは、喪失を忘れることではなく、悲しみと共に生きるための働きである。つらい話題の中でふと笑えた瞬間を不謹慎だと退けず、大切に受けとめることが、喪失を抱えて歩む支えになる。 参考:Keltner & Bonanno(1997)「A study of laughter and dissociati…」 ↗ 人物 ドイツ出身の哲学者・上智大学名誉教授(1932-2020)。日本の死生学の父 📮 毎週土曜の朝、メールで届きます その週にご紹介したウェルビーイング研究のダイジェストを無料でお届けします。
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名言の収集・分類・解説はAI(Claude)を活用し、はぴテックが確認したものです。「出典に諸説あり」の名言は、その人物の言葉として流通しているものの一次資料での確認が難しいもの、「要旨」は趣旨を短くまとめたものです。心理学の補足は、名言の知恵を心理学・幸福研究の知見で読み解いたもので、引用した論文は学術データベースで実在を照合しています。
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