「劣等感は、病気ではない。健康で正常な、努力と成長への刺激である」
— アルフレッド・アドラー 『人生の意味の心理学』(1931)の趣旨
「劣等感」という言葉を広めた本人による、劣等感の名誉回復。理想の自分との差を感じるからこそ、人は工夫し、練習し、成長する ── 問題は劣等感そのものではなく、努力を放棄して言い訳に使うこと(劣等コンプレックス)だと区別した
- 心理学では
- アドラーの言う劣等感は、心理学でいえば「理想の自分と現実の自分の差」(自己不一致)の自覚であり、その差を縮めようとする働きは成長への動機づけの源になる。Lockwood & Kunda(1997)は大学生を対象に実験を行い、優れた人物の成功談に触れたとき、その成功が自分にも手の届くものだと感じられる場合には、自己評価が高まり、刺激を受けて意欲がわくことを示した。またBreines & Chen(2012)の実験では、自分の弱点や失敗を思いやりをもって受け止める(セルフ・コンパッション)よう促された人は、改善への意欲が高く、試験に失敗した後の勉強時間も長かった。「自分はまだ足りない」と感じたときは、それを自分を責める材料ではなく、次の一歩を決める合図として受け止める。 参考:Lockwood & Kunda(1997)「Superstars and me: Predicting the …」 ↗/Breines & Chen(2012)「Self-Compassion Increases Self-Imp…」 ↗