研究の系譜と論争 ・ 世界 ・ 系譜13
幸福は成功の原因か結果か
Lyubomirsky, King & Diener(2005)は横断・縦断・実験研究のメタ分析で、幸福が仕事・人間関係・健康での成功に先行することを示した。Boehm & Lyubomirsky(2008)が職場での再検討、Walsh, Boehm & Lyubomirsky(2018)が10年後の更新を行い、De Neve et al.(2013)が経済学側から整理した。
Chida & Steptoe(2008)、Diener & Chan(2011)、Steptoe(2019)は健康・寿命への効果を支持し、Howell, Kern & Lyubomirsky(2007)は短期の生理指標でも小さいが一貫した効果を示した。逆因果と交絡に注意しつつ、現在は双方向の関係として理解されている。
解説に出てくるが一覧の外にあるもの:De Neve et al.(2013)
この系譜の論文(年順・7本)
- 2005W0039 頻繁なポジティブ感情の効用:幸福は成功をもたらすのか Lyubomirsky(2005) Psychological bulletin 主要400 被引用 7,237 幸福な人は多くの領域で成功しており、ポジティブ感情が成功の結果だけでなく原因にもなることをメタ分析で示した。
- 2007W0942 健康への恩恵:ウェルビーイングが客観的健康アウトカムに与える影響のメタ分析的検討 Howell(2007) Health Psychology Review 被引用 606 ウェルビーイングが免疫機能を高めストレスの影響を和らげるなど、客観的な健康指標に直接的な良い影響を与えうることをメタ分析で示した。
- 2008W0435 ポジティブな心理的ウェルビーイングと死亡率:前向き観察研究の定量的レビュー Chida(2008) Psychosomatic Medicine 主要400 被引用 1,498 ポジティブな心理的ウェルビーイングが健康な人でも患者でも死亡リスクの低下と関連することをメタ分析で示した。
- 2008W2336 幸福はキャリアの成功を促進するか? Boehm(2008) Journal of Career Assessment 主要400 被引用 555 幸福な人ほど仕事で成功しており、幸福が成功に先立つことが多く、ポジティブ感情を高めると成果が改善するとまとめた。
- 2011W0181 幸福な人は長生きする:主観的ウェルビーイングは健康と長寿に寄与する Diener(2011) Applied Psychology Health and Well-Being 主要400 被引用 2,497 高い主観的幸福感がより良い健康と長寿の原因となることを7種類の証拠から論じた。
- 2018W2344 幸福はキャリアの成功を促進するか?――証拠の再検討 Walsh(2018) Journal of Career Assessment 主要400 被引用 206 2008年以降の研究を加えて再検討し、幸福がキャリア成功に先行し促進するという結論が引き続き支持されることを示した。
- 2019W2339 幸福と健康 Steptoe(2019) Annual Review of Public Health 主要400 被引用 318 幸福は死亡率の低さと概ね関連し、生活習慣や生物学的経路を介して健康に影響しうるが、因果や介入効果は未確立であることを示した。
系譜図でこの流れの論文だけが浮かび上がり、左から右へ年代順に並びます。
つながり ほかの保存版コレクションから、内容の近いもの
- 名言集幸福は成功の結果ではなく、成功に先行する要因であるショーン・エイカー
- 名言集75年にわたる研究の結論を一言で言えば ── 幸福とは愛である。以上ジョージ・ヴェイラント
- 調査・報告書仕事と幸福(世界幸福度報告2017 第6章)仕事があること、仕事の種類、職場の特徴が幸福とどう関係するかを世界のデータで調べた章。
- 禅語百選把手共行手を取り合って、ともに行く。師と弟子、仏と自分が一つになって歩む。あるいは、仲間と手を携えて道を行く。
- 幸せに効くこと学び・成長活動「昨日の自分より進んだ」実感が幸福をつくる。比べる相手は過去の自分
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- 発達マップ幸福観そのもの5つの発達段階で比べた表・根本の定義(段階とは何か)
- 思想マップニーチェ幸福とは力が増大している感覚(力への意志)であり、自分の運命を「然り」と肯定しうる強さ(運命愛)
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