幸福はキャリアの成功を促進するか?――証拠の再検討
Does Happiness Promote Career Success? Revisiting the Evidence
Lisa C. Walsh, Julia K. Boehm, S. Lyubomirsky(2018)Journal of Career Assessment, 26(2), 199–219
2008年以降の研究を加えて再検討し、幸福がキャリア成功に先行し促進するという結論が引き続き支持されることを示した。
要旨根拠:抄録
幸福とキャリアの成功の関係についての証拠を、10年後に改めて検討したレビューである。幸福な人は、そうでない人より収入が多く、成績が良く、上司から好意的に評価されることが示されている。研究者は成功が幸福をもたらすと考えてきたが、2008年のレビューでは、幸福が成功をもたらすという逆の仮説も同じくらいもっともらしいと論じた。本論文では、以前に引用した研究に新しい研究を加え、横断・縦断・実験研究の結果がこの仮説をさらに支持するかを検討した。その結果、幸福はキャリアの成功と相関し、しばしば成功に先立ち、実験でポジティブ感情を高めると職場での成果が改善するという結論が引き続き支持された。
関係メモ——この研究のその後
- 先行・基盤W2336 Boehm & Lyubomirsky(2008)とW0039 Lyubomirsky・King・Diener(2005)の「幸福が成功に先行する」という主張を、2008年以降の研究で更新したレビュー
- 再現・検証縦断研究や実験研究が蓄積しても、幸福(ポジティブ感情)が収入・仕事の成果・上司の評価などキャリア成功に先行するという結論は維持された。一方で、職場での介入研究など因果を直接検証する研究はなお少ないとした
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
この論文が出てくる研究の系譜
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 15本
- W0005 人生満足度尺度(Satisfaction With Life Scale) Diener(1985) Journal of Personality Assessment 主要400 被引用 31,990
- W0007 ポジティブ心理学におけるポジティブ感情の役割:拡張-形成理論 Fredrickson(2001) American Psychologist 主要400 被引用 15,016
- W0039 頻繁なポジティブ感情の効用:幸福は成功をもたらすのか Lyubomirsky(2005) Psychological bulletin 主要400 被引用 7,237
- W0044 ポジティブ感情は何の役に立つのか Fredrickson(1998) Review of General Psychology 主要400 被引用 6,229
- W0075 ワーク・エンゲージメントのモデルに向けて Bakker(2008) Career Development International 主要400 被引用 3,363
- W0098 ポジティブ心理学介入によるウェルビーイング向上と抑うつ症状の軽減:実践に役立つメタ分析 Sin(2009) Journal of Clinical Psychology 主要400 被引用 2,881
- W0108 高所得は人生評価を高めるが感情的ウェルビーイングは高めない Kahneman(2010) Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 主要400 被引用 3,013
- W0112 ポジティブ感情は注意の範囲と思考‐行動レパートリーを広げる Fredrickson(2005) Cognition & Emotion 主要400 被引用 3,449
- W0111 幸福の追求:持続的な変化の構造 Lyubomirsky(2005) Review of General Psychology 主要400 被引用 3,220
- W0133 主観的幸福感――30年の進歩 Diener(1999) Psychological Bulletin 主要400 被引用 3,418
- W0240 とても幸せな人々 Diener(2002) Psychology Science 主要400 被引用 2,414
- W0275 ポジティブ感情は創造的な問題解決を促進する Isen(1987) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 2,997
ほか 3 件
後続研究(この論文を引用している) 3本
読む・引用する
- 論文ページ
- https://doi.org/10.1177/1069072717751441
- 無料で読めるか
- ○ グリーン(リポジトリ等で公開) 無料本文 ↗
- DOI
- 10.1177/1069072717751441
文献表記(APA第7版)
影響力の指標
- 著名度スコア
- 26.1 / 100 スコアとは
- 被引用数
- Semantic Scholar 206(うち影響引用 8)・ OpenAlex 239
- 年あたり被引用
- 22.9
- FWCI
- 25.7(同年・同分野の平均の何倍引用されたか)
- 同年同分野で
- 上位 0.2%
- 分野(OpenAlex)
- Psychological Well-being and Life Satisfaction
- 主要400の選定
- 専門家判断(古典・定番)
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
つながり ほかの保存版コレクションから、内容の近いもの
- 名言集幸福は成功の結果ではなく、成功に先行する要因であるショーン・エイカー
- 幸せに効くこと主観的キャリア成功昇進や給与より『自分の基準で達成できているか』が人生満足に効きます
- 名言集大きくなったら何になりたいかと聞かれて「幸せ」と書いたら、課題を理解していないと言われた。僕は「あなたたちは人生を理解…ジョン・レノン(とされる)
- 幸せに効くこと学び・成長活動「昨日の自分より進んだ」実感が幸福をつくる。比べる相手は過去の自分
- 調査・報告書仕事と幸福(世界幸福度報告2017 第6章)仕事があること、仕事の種類、職場の特徴が幸福とどう関係するかを世界のデータで調べた章。
- 禅語百選吾唯足知私は、足りていることを知っている。欲望を追いかける前に、すでに満ちていることに気づく。
- 発達マップ幸福度診断の運用5つの発達段階で比べた表・サーベイ・診断とWBC組織版の読み方
- 思想マップポジティブ心理学1.0快い感情・没頭・意味・良い関係・達成(PERMA)という測れる要素を、自分の強み(性格の良い面)を使って増やしていけば、幸福(フラーリッシ…
内容の近さをAIで自動計算して選んでいます。保存版コレクションの一覧 →