家事分担の公平感
家事の分担が公平だと感じていること
幸せへの効果の大きさ
分担の実態より「分担への満足」が人生満足と関連(スウェーデンN=4924:満足している人は良好な人生満足のオッズ↑)。不公平感は関係満足↓(N=10,236)
(推定) 直接のPA/NA測定なし。不公平感は関係苦痛・心理的苦痛と関連、感謝されている感覚で相殺
- ほかの幸福度指標
- 関係満足・性的頻度・離婚意図。コロナ期N=2193:不公平感→関係満足↓だが「パートナーに感謝されている」と感じると消失
- なぜ効くのか
- 衡平理論:投入と報酬の不均衡が不満を生む。感謝・承認が不均衡の心理的コストを帳消しにする
- 幸せの4因子
- ありがとう ありがとう(感謝の授受)→公平感→幸福
こうすると更に効く
人生満足と結びついているのは家事の実際の分担比率ではなく、分担に「満足しているか」という主観でした(Wagman et al., 2017)。不公平感は関係満足を下げますが(Gillespie et al., 2019)、「パートナーに感謝されている」と感じているとその悪影響が消えることが示されています(Gordon et al., 2022)。衡平理論(自分の投入と見返りが釣り合わないと不満が生まれるという考え)で言えば、感謝や承認が不釣り合いの心理的コストを帳消しにするんですね。コツは、分担を厳密に半分にしようとするより、相手がやってくれたことを言葉にして認めること、自分がしていることも見えるようにすることです。
気をつけること
横断研究が中心で、関係がよいから公平だと感じるという逆方向もありえます。メタ分析は確認できておらず、確度はBです。自分への不公平は相手への不公平より強く効くので、感謝で帳消しにしようとしても、実際の負担が極端に偏っていれば限界があります。「感謝さえしていれば分担は変えなくていい」と読むのは誤りです。ジェンダーによって公平感の感じ方が異なる点も報告されています。
最初の一歩
今日、パートナーがやってくれた家事を1つ具体的に挙げて「助かった」と伝えてみてください。それだけで不公平感の悪影響が和らぐ可能性があります。
主要な研究
- Domestic work division and satisfaction in cohabiting adults: associations with life satisfaction and self-rated health(Wagman, Nordin, Alfredsson, Westerholm & Fjellman-Wiklund, 2017, Scand J Occup Ther)
- Gendered perceptions of fairness in housework and shared expenses: implications for relationship satisfaction and sex frequency(Gillespie, Peterson & Lever, 2019, PLoS One)
- Feeling appreciated buffers against the negative effects of unequal division of household labor on relationship satisfaction(Gordon, Cross, Ascigil, Balzarini, Luerssen & Muise, 2022, Psychol Sci)
メモ:効く変数は「客観的分担比」ではなく「主観的公平感・満足」。自分への不公平の方が相手への不公平より強く効く。横断中心で因果は未確定。メタ分析は未確認
原典と照合済み(3次)。効果の大きさは代表的な研究の値で、相関は因果を意味しません。
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