経頭蓋直流電気刺激(tDCS)
頭皮上から微弱直流電流で前頭前野を刺激するうつ治療
幸せへの効果の大きさ
(推定) 反応率30.9% vs 18.9%(OR 1.96、NNT 9)・抑うつ改善β=0.31(IPDメタ、n=572)からの推定。人生満足の統合なし
NA低減が主:反応OR 1.96[1.30〜2.95]・寛解OR 1.94(NNT 13)。先行IPDでは反応OR 2.44。ネットワークメタでOR 2.65。PAなし
- ほかの幸福度指標
- 寛解率。脱落は偽刺激と差なし。治療抵抗性では効果小、用量が多いほど効果大
- なぜ効くのか
- 皮質の静止膜電位の持続的シフトによる前頭前野活動の調整(rTMSより弱い刺激)
- 幸せの4因子
- なんとかなる なんとかなる
こうすると更に効く
頭皮から微弱な直流電流を流す治療で、反応率は31%対19%、NNTは9人と、rTMSよりは控えめな効果です(Moffa et al., 2020)。刺激の回数や量が多いほど効きやすく、治療抵抗性の強い人では効果が小さい傾向があるので、比較的早い段階のうつで、きちんと回数を重ねられる人に向いているみたいです(Brunoni et al., 2016)。副作用が軽く、在宅でも行える低コストの選択肢として位置づけられています。薬や心理療法との併用で効果を補うのが現実的でしょうか。
気をつけること
個人データを統合したメタ分析で因果の根拠はしっかりしています(確度A)が、効果は中等度でrTMSより小さく、効く人は限られます。対象は臨床的なうつで、健康な人の幸福増進に関する根拠はありません。機器が市販されていても、自己流で使うのは勧められず、医療機関での評価と管理のもとで行うものです。つらさが続くときは専門家へ相談してください。
最初の一歩
興味があれば主治医に「tDCSを扱っている施設はあるか」と相談してみてください。研究段階の施設も多いので、臨床研究への参加という形で受けられることもあります。
主要な研究
- Efficacy and acceptability of transcranial direct current stimulation (tDCS) for major depressive disorder: An individual patient data meta-analysis(Moffa et al., 2020, Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry)
- Transcranial direct current stimulation for acute major depressive episodes: meta-analysis of individual patient data(Brunoni et al., 2016, Br J Psychiatry)
メモ:効果は中等度でrTMSより小さい。臨床うつ対象。在宅・低コストが利点。非臨床者の根拠なし
原典と照合済み(3次)。効果の大きさは代表的な研究の値で、相関は因果を意味しません。
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