世界の欲求充足と主観的ウェルビーイング
Needs and subjective well-being around the world.
L. Tay, E. Diener(2011)Journal of Personality and Social Psychology, 101(2), 354–365
基本的・社会的・自律などの欲求充足が世界中で主観的幸福感と関連し、社会全体の充足も個人の幸福を高めることを示した。
要旨根拠:抄録
マズローの欲求理論などは、欲求が満たされることが幸福につながると考えてきたが、世界規模で検証されたことは少なかった。本研究は123か国のサンプルを用い、欲求の充足と主観的ウェルビーイング(人生評価、ポジティブ感情、ネガティブ感情)との関係を検討した。その結果、欲求充足は世界のどの地域でも一貫して主観的ウェルビーイングと関連していた。人生評価は基本的欲求の充足と、ポジティブ感情は社会的欲求と尊重の欲求と、ネガティブ感情は基本的欲求・尊重・自律の欲求と最も関連した。さらに社会全体の欲求充足は個人の充足を超えて人生評価を予測し、これらの傾向は世帯所得を考慮しても維持された。欲求の充足には順序性が必ずしも必要ないことも示され、繁栄する社会に暮らすことの意義を示唆している。
関係メモ——この研究のその後
- 先行・基盤一覧外:Maslow(1943)の欲求階層説とW0003 Deci(2000)の基本的欲求論を、世界123か国のデータで検証した。欲求充足は幸福と関連したが、階層順序は厳密には支持されなかった
- 後続・発展W0113 Chen(2015)が4文化で欲求充足・不満の効果を検証し、W0171 Vansteenkiste(2020)が基本的心理欲求理論として総括した
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 4本
- W0003 目標追求の「何を」と「なぜ」――人間の欲求と行動の自己決定 Deci(2000) Psychological Inquiry 主要400 被引用 31,269
- W0025 心理的幸福感の構造再考 Ryff(1995) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 9,953
- W0089 主観的幸福感:幸福の科学と国民幸福指標の提案 Diener(2000) American Psychologist 主要400 被引用 3,789
- W0800 生活満足度の予測因の文化差――欲求と価値の観点から Oishi(1999) Personality and Social Psychology Bulletin 被引用 814
後続研究(この論文を引用している) 8本
- W0113 4つの文化における基本的心理欲求の充足・欲求不満・欲求の強さ Chen(2015) Motivation and Emotion 主要400 被引用 2,302
- W0171 基本的心理欲求理論:進展、重要テーマ、今後の方向性 Vansteenkiste(2020) Motivation and Emotion 主要400 被引用 1,562
- W0189 主観的ウェルビーイング研究の進展 Diener(2018) Nature Human Behaviour 主要400 被引用 1,748
- W0393 生活満足尺度の理論と妥当性 Diener(2013) Social Indicators Research 主要400 被引用 1,304
- W0444 主観的ウェルビーイング科学の進展と未解決の問い Diener(2018) Collabra: Psychology 主要400 被引用 946
- W0546 余暇と主観的幸福感:媒介要因としての心理的メカニズムのモデル Newman(2014) Journal of Happiness Studies 主要400 被引用 845
- W0836 幸福は異なるタイプに分かれるのか?快楽的幸福とエウダイモニア的幸福の比文化的検討 Disabato(2016) Psychological Assessment 被引用 544
- W1018 主観的ウェルビーイングを理解する——心理学と公衆衛生からの視点 Das(2020) Public Health Reviews 被引用 361
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- 論文ページ
- https://doi.org/10.1037/a0023779
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文献表記(APA第7版)
影響力の指標
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- 72 / 100 スコアとは
- 被引用数
- Semantic Scholar 1,250(うち影響引用 58)・ OpenAlex 1,305
- 年あたり被引用
- 78.1
- FWCI
- 51.8(同年・同分野の平均の何倍引用されたか)
- 同年同分野で
- 上位 0.1%未満
- 分野(OpenAlex)
- Psychological Well-being and Life Satisfaction
- 主要400の選定
- 著名度スコア上位(概念・年代枠内)
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
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