客観的・主観的な社会経済的地位と主観的ウェルビーイングの関連——メタ分析的レビュー
The association between objective and subjective socioeconomic status and subjective well-being: A meta-analytic review.
Jacinth J. X. Tan, Michael W. Kraus, Nichelle C. Carpenter et al.(2020)Psychological bulletin, 146(11), 970–1020
主観的な社会経済的地位の方が客観的地位よりも主観的ウェルビーイングと強く関連し、客観的地位の効果を媒介することを示した。
要旨根拠:抄録
本メタ分析は、社会経済的地位(SES=収入・学歴・社会的な位置づけ)と主観的ウェルビーイング(SWB)の関連が、SESを客観的に測るか主観的に測るかで異なるかを検証した。357研究、計235万人超のデータを統合し、客観的SES(収入・学歴)、主観的SES(マッカーサーのはしご尺度など)、SWB(幸福感・生活満足度)の関連を比較した。主観的SESとSWBの関連(r=.22)は客観的SESとSWBの関連(r=.16)より大きく、収入(r=.23)ははしご尺度と同程度、学歴(r=.12)は小さかった。主観的SESとSWBの関連は一部が共通方法分散(=同じ回答者の自己報告による見かけの相関)で説明され、はしご尺度は客観的SESとSWBの関連を媒介していた。人口密度や不平等度、社会移動性によって関連の強さが変わり、社会的比較などの過程が議論されている。
関係メモ——この研究のその後
- 先行・基盤W0482 Diener(2002)のお金と幸福のレビューやW1215 Hagerty(2000)の所得比較研究に依拠し、主観的な地位の方が客観的地位より幸福との関連が強いことをメタ分析で示した
- 後続・発展W1335 Navarro-Carrillo(2020)が心理的幸福についても同様の関係を検証した
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 13本
- W0047 自己不一致:自己と感情を関係づける理論 Higgins(1987) Psychology Review 主要400 被引用 7,060
- W0076 相対所得、幸福、効用:イースタリン・パラドックスとその他の謎の説明 Clark(2008) Journal of Economic Literature 主要400 被引用 3,386
- W0119 性格、文化、主観的幸福感:人生の感情的・認知的評価 Diener(2003) Annual Review of Psychology 主要400 被引用 3,573
- W0133 主観的幸福感――30年の進歩 Diener(1999) Psychological Bulletin 主要400 被引用 3,418
- W0163 全員の所得を上げれば全員の幸福は増すのか Easterlin(1995) Journal of Economic Behavior & Organization 主要400 被引用 3,137
- W0482 お金は主観的幸福感を高めるか Diener(2002) Social Indicators Research 主要400 被引用 1,464
- W0535 失業は生活満足度のセットポイントを変える Lucas(2004) Psychology Science 主要400 被引用 1,272
- W0561 幸福は相対的なものか? Veenhoven(1991) Social Indicators Research 主要400 被引用 1,465
- W0702 所得格差と幸福 Oishi(2011) Psychology Science 被引用 756
- W0989 中国の謎:上昇する経済の中で低下する幸福 Brockmann(2009) Journal of Happiness Studies 被引用 478
- W1215 地域社会での所得の社会的比較:所得と幸福の全国調査からの証拠 Hagerty(2000) Journal of Personality and Social Psychology 被引用 397
- W1217 所得格差は社会的比較効果の強さと関連する:相対所得が生活満足度に与える影響 Cheung(2015) Journal of Personality and Social Psychology 被引用 283
ほか 1 件
後続研究(この論文を引用している) 1本
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文献表記(APA第7版)
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- 同年同分野で
- 上位 0.1%未満
- 分野(OpenAlex)
- Psychological Well-being and Life Satisfaction
- 主要400の選定
- 著名度スコア上位(概念・年代枠内)
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
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