世界の論文 ・ A06 幸福の経済学(所得・失業・格差) ・ W0482
主要400 幸せそのもの レビュー
お金は主観的幸福感を高めるか
Will Money Increase Subjective Well-Being?
E. Diener, R. Biswas-Diener(2002)Social Indicators Research, 57(2), 119–169
ひとことで
お金と幸福のレビュー
所得と主観的幸福感の関係について、国内・国家間・時系列の研究を総覧し、その関係の強さと限界を整理した。
要旨根拠:抄録
所得と主観的ウェルビーイング(SWB)の関係について、再現性のある4つの知見を整理した論文である。(1)国の豊かさと国民の平均SWBには大きな相関がある。(2)国内での所得とSWBの相関はたいてい小さいが、貧しい国では大きく、貧しい人は不幸になるリスクがはるかに高い。(3)多くの先進国で過去数十年の経済成長はSWBの上昇をほとんど伴わなかった。(4)物質的な目標を他の価値より重視する人は、豊かでない限りかなり幸福度が低い。お金は貧困を避け先進国で暮らすことを意味する場合にはSWBを高めうるが、物質的欲求が所得とともに上がる豊かな人では長期的にほとんど高めないようだとした。
関係メモ——この研究のその後
- 先行・基盤W0623 Diener(1993)とW1365 Diener(1995)の国内・国家間分析を土台に総覧した
- 後続・発展W0108 Kahneman(2010)が所得は人生評価を高めるが感情的幸福は年収約7.5万ドルで頭打ちと報告し、W1163 Killingsworth(2021)が経験的幸福も所得とともに上昇し続けると反論、W1246 Killingsworth(2023)が両陣営の共同再分析で「最も不幸な層でのみ頭打ち」と調停した
- 論争国の経済成長と幸福の関係はW0551 Easterlin(2010)が長期的には連動しないと主張し、W0263 Deaton(2008)は所得の対数と生活満足の直線関係を示した
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 15本
- W0016 主観的幸福感 Diener(1984) Psychological bulletin 主要400 被引用 14,738
- W0133 主観的幸福感――30年の進歩 Diener(1999) Psychological Bulletin 主要400 被引用 3,418
- W0136 物質主義の消費者価値志向とその測定:尺度の開発と妥当性検証 Richins(1992) Journal of Consumer Research 主要400 被引用 3,476
- W2332 経済成長は人間の暮らしを改善するか?――いくつかの実証的証拠 Easterlin(1974) Nations and Households in Economic Growth(書籍の章) 主要400 被引用 4,788
- W0299 アメリカンドリームの暗い側面――人生の中心的願望としての経済的成功の相関要因 Kasser(1993) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 2,196
- W0334 幸福と経済パフォーマンス Oswald(1997) The Economic Journal 主要400 被引用 1,990
- W0445 生活満足度の遅れと先行:ベースライン仮説の検証 Clark(2008) Social Science Research Network 主要400 被引用 1,215
- W0470 宝くじ当選者と事故の被害者——幸福は相対的か? Brickman(1978) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 2,198
- W0534 文化によって変わる生活満足判断の基盤:感情か規範か Suh(1998) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 1,403
- W0561 幸福は相対的なものか? Veenhoven(1991) Social Indicators Research 主要400 被引用 1,465
- W0600 文化と主観的ウェルビーイング Tov(2013) Social indicators research series 主要400 被引用 905
- W0232 不平等と幸福:アメリカ人とヨーロッパ人は異なるのか Alesina(2004) Journal of Public Economics 被引用 2,012
ほか 3 件
後続研究(この論文を引用している) 15本
- W0039 頻繁なポジティブ感情の効用:幸福は成功をもたらすのか Lyubomirsky(2005) Psychological bulletin 主要400 被引用 7,237
- W0108 高所得は人生評価を高めるが感情的ウェルビーイングは高めない Kahneman(2010) Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 主要400 被引用 3,013
- W0119 性格、文化、主観的幸福感:人生の感情的・認知的評価 Diener(2003) Annual Review of Psychology 主要400 被引用 3,573
- W0292 快楽の踏み車を超えて:ウェルビーイングの適応理論の改訂 Diener(2006) American Psychologist 主要400 被引用 1,854
- W0444 主観的ウェルビーイング科学の進展と未解決の問い Diener(2018) Collabra: Psychology 主要400 被引用 946
- W0465 他者のためにお金を使うと幸せになる Dunn(2008) Science 主要400 被引用 1,472
- W0535 失業は生活満足度のセットポイントを変える Lucas(2004) Psychology Science 主要400 被引用 1,272
- W0592 向社会的支出とウェルビーイング:心理的普遍性を示す比較文化的証拠 Aknin(2013) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 814
- W0747 客観的・主観的な社会経済的地位と主観的ウェルビーイングの関連——メタ分析的レビュー Tan(2020) Psychological bulletin 主要400 被引用 492
- W2336 幸福はキャリアの成功を促進するか? Boehm(2008) Journal of Career Assessment 主要400 被引用 555
- W0170 ウェルビーイングの社会的文脈 Helliwell(2004) Philosophical transactions of the Royal Society of London. Series B, Biological sciences 被引用 2,631
- W0356 お金を超えて:ウェルビーイングの経済に向けて Diener(2004) Psychological Science in the Public Interest 被引用 1,900
ほか 3 件
読む・引用する
- 論文ページ
- https://doi.org/10.1023/A:1014411319119
- 無料で読めるか
- × 有料(非OA)
- DOI
- 10.1023/A:1014411319119
文献表記(APA第7版)
Diener, E., & Biswas-Diener, R. (2002). Will Money Increase Subjective Well-Being? Social Indicators Research, 57(2), 119–169. https://doi.org/10.1023/a:1014411319119
影響力の指標
- 著名度スコア
- 70.3 / 100 スコアとは
- 被引用数
- Semantic Scholar 1,464(うち影響引用 65)・ OpenAlex 1,555
- 年あたり被引用
- 58.6
- FWCI
- 31.3(同年・同分野の平均の何倍引用されたか)
- 同年同分野で
- 上位 0.1%未満
- 分野(OpenAlex)
- Psychological Well-being and Life Satisfaction
- 主要400の選定
- 専門家判断(古典・定番)
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
つながり ほかの保存版コレクションから、内容の近いもの
- 幸せに効くこと主観的経済状況『いくら稼ぐか』より『どう感じているか』のほうが幸福との相関が強いんです
- 禅語百選吾唯足知私は、足りていることを知っている。欲望を追いかける前に、すでに満ちていることに気づく。
- 名言集主観的幸福感とは、自分の人生に対する認知的評価と感情的反応からなるエド・ディーナー
- 名言集感情的な幸福は年収約7万5千ドルまでは所得とともに高まるが、それ以上では頭打ちになるダニエル・カーネマン
- 幸せに効くこと主観的社会階層「自分はどのあたりか」の感覚は、実際の収入より幸福に効く
- 調査・報告書仕事と幸福(世界幸福度報告2017 第6章)仕事があること、仕事の種類、職場の特徴が幸福とどう関係するかを世界のデータで調べた章。
- 発達マップお金の意味5つの発達段階で比べた表・人生の歩み
- 思想マップ悩み相談:お金が不安で仕方がないお金・将来・まず読むなら ケイパビリティ・アプローチ/エピクロス派/ユダヤ教
内容の近さをAIで自動計算して選んでいます。保存版コレクションの一覧 →