幸福はどこでもU字型か?——145か国における年齢と主観的ウェルビーイング
Is happiness U-shaped everywhere? Age and subjective well-being in 145 countries
D. Blanchflower(2020)Journal of Population Economics, 34(2), 575–624
145か国のデータで、幸福が中年期(約50歳)に底をつくU字型曲線がほぼ普遍的にみられることを示した。
要旨根拠:抄録
幸福と年齢の関係がU字型(=若い頃と高齢期に高く中年期に低い形)になるかどうかは、多くの実証研究で議論されてきた。本論文は、開発途上国109か国を含む145か国の70歳未満の人々を対象に、学歴、婚姻状況、就労状況などを統制して様々なウェルビーイング指標と年齢の関係を再検討した。その結果、U字型は強く確認され、先進国と途上国、アフリカ大陸のいずれでも50歳前後の中年期に底があった。幸福曲線はどこにでもあるようだと結論している。パネルデータ(=同じ人を追跡したデータ)は限られるが、それらを用いた結果も横断的結果をおおむね支持し、コホート効果(=世代による違い)が結果を生んでいるわけではない理由も論じた。さらに欧米では底の年齢が時代とともに上がっていることを見いだした。
関係メモ——この研究のその後
- 先行・基盤W0322 Blanchflower & Oswald(2008)のU字カーブ説を145か国へ拡張した
- 論争W0867 Frijters & Beatton(2012)は個人の固定効果を考慮するとU字が大きく弱まると指摘し、一覧外:Galambos et al.(2020)も縦断データではU字は一貫しないと批判した。一方W0496 Carstensen(2011)は感情経験が加齢で改善することを示している
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 15本
- W0133 主観的幸福感――30年の進歩 Diener(1999) Psychological Bulletin 主要400 被引用 3,418
- W0200 心理的ウェルビーイング、健康、加齢 Steptoe(2014) The Lancet 主要400 被引用 2,006
- W0263 所得・健康・ウェルビーイングの世界比較:ギャラップ世界調査からのエビデンス Deaton(2008) Journal of Economic Perspectives 主要400 被引用 1,728
- W0433 年齢がポジティブ感情とネガティブ感情に及ぼす影響:幸福の発達的視点 Mroczek(1998) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 1,666
- W0322 ウェルビーイングは生涯を通じてU字型か? Blanchflower(2008) Social Science & Medicine (1967) 被引用 1,618
- W0496 感情体験は年齢とともに良くなる:10年以上にわたる経験サンプリングに基づく証拠 Carstensen(2011) Psychology and Aging 被引用 1,177
- W0562 幸福を説明する Easterlin(2003) Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 被引用 1,107
- W0690 米国における心理的ウェルビーイングの年齢分布のスナップショット Stone(2010) Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 被引用 804
- W0822 ライフサイクルにおける幸福とその源泉――心理学・経済学・人口学の交差点 Easterlin(2006) Journal of Economic Psychology 被引用 639
- W0845 人生マネジメント方略としての選択・最適化・補償:サクセスフル・エイジングの主観的指標との相関 Freund(1998) Psychology and Aging 被引用 732
- W0867 幸福と年齢のU字型関係の謎 Frijters(2012) Journal of Economic Behavior & Organization 被引用 555
- W0955 成人期における生活満足度の変化:退役軍人省規範的加齢研究からの知見 Mroczek(2005) Journal of Personality and Social Psychology 被引用 631
ほか 3 件
後続研究(この論文を引用している)
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読む・引用する
- 論文ページ
- https://doi.org/10.1007/s00148-020-00797-z
- 無料で読めるか
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- DOI
- 10.1007/s00148-020-00797-z
文献表記(APA第7版)
影響力の指標
- 著名度スコア
- 46 / 100 スコアとは
- 被引用数
- Semantic Scholar 384(うち影響引用 19)・ OpenAlex 445
- 年あたり被引用
- 54.9
- FWCI
- 38.4(同年・同分野の平均の何倍引用されたか)
- 同年同分野で
- 上位 0.1%未満
- 分野(OpenAlex)
- Psychological Well-being and Life Satisfaction
- 主要400の選定
- 著名度スコア上位(概念・年代枠内)
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
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