研究の系譜と論争 ・ 日本 ・ 系譜16
自尊感情尺度の系譜(日本)
山本・松井・山成(1982)がRosenberg尺度の日本語版を含む自己の諸側面の構造を示し、以後40年の標準になった。桜井(2000)が再検討、阿部・今野(2007)が状態自尊感情尺度、箕浦・成田(2013)が2項目版を作成し、小塩ら(2014)のメタ分析が日本人の自尊感情平均値が年齢と調査年で変動することを示した。
岡田(2015)は性差のメタ分析を行った。内田(2008)の自己価値の随伴性、伊藤・小玉(2005)の本来感は「高さ」から「質」への転換を担い、中間(2013)は自尊感情と心理的健康の関連を再考している。
解説に出てくるが一覧の外にあるもの:桜井(2000)
この系譜の論文(年順・8本)
- 1982J001 認知された自己の諸側面の構造 山本(1982) 教育心理学研究 主要100 被引用 385 大学生が自分のどの側面をどう評価しているかの構造を調べ、自尊感情との関係を検討した研究である。
- 2005J012 自分らしくある感覚 (本来感) と自尊感情がwell-beingに及ぼす影響の検討 伊藤(2005) 教育心理学研究 主要100 被引用 66 本来感尺度を作成し、本来感と自尊感情がそれぞれ同程度に主観的・心理的ウェルビーイングを高めることを示した。
- 2007J023 状態自尊感情尺度の開発 阿部(2007) パーソナリティ研究 主要100 被引用 52 その時々に揺れ動く自尊感情を測る状態自尊感情尺度を作成し、実験を含む3研究で信頼性と妥当性を確認した。
- 2008J026 日本文化における自己価値の随伴性──日本版自己価値の随伴性尺度を用いた検証── 内田(2008) 心理学研究 主要100 被引用 35 米国で作られた自己価値の随伴性尺度の日本語版を作成し、日本文化における自尊心のよりどころを検証した。
- 2013J076 2項目自尊感情尺度の開発および信頼性・妥当性の検討 箕浦(2013) 感情心理学研究 主要100 被引用 18 自己評価と自己受容の2側面を2項目で測る自尊感情尺度(TISE)を開発し、Rosenberg尺度とほぼ同等の妥当性を示した。
- 2013J165 自尊感情と心理的健康との関連再考 中間(2013) 教育心理学研究 被引用 15 環境や関係から付随的に生じる「恩恵享受的自己感」も自尊感情と同様に幸福感に関連することを示した。
- 2014J013 自尊感情平均値に及ぼす年齢と調査年の影響 小塩(2014) 教育心理学研究 主要100 被引用 59 日本の256研究の時間横断的メタ分析で、自尊感情は中高生で低く、近年ほど低下していることを示した。
- 2015J081 日本人における自尊感情の性差に関するメタ分析 岡田(2015) パーソナリティ研究 主要100 被引用 19 日本人の自尊感情は男性がわずかに高く(g=.17)、その差は年齢段階や調査年によって異なることをメタ分析で示した。
系譜図でこの流れの論文だけが浮かび上がり、左から右へ年代順に並びます。
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