世界の主要ウェルビーイング研究

研究の系譜と論争 ・ 世界 ・ 系譜15

幸せな働き手は生産的か(従業員の幸福と企業業績)

「幸福な従業員は生産的か」という問いは、Judge, Thoresen, Bono & Patton(2001)の職務満足と職務成績のメタ分析(相関約.30)と、Harter, Schmidt & Hayes(2002)のギャラップ事業所単位メタ分析(従業員のエンゲージメントが顧客満足・生産性・利益・離職と関連)で実証の土台ができた。

Wright & Cropanzano(2000)とZelenski, Murphy & Jenkins(2008)は、職務満足よりも主観的幸福感の方が成績を予測すると示し、Lyubomirsky, King & Diener(2005)の総説が「幸福が成功に先行する」という因果の向きを論じた。

Harter et al.(2010)は縦断データで従業員の職場認知から業績への経路の方が逆より強いことを、Oswald, Proto & Sgroi(2015)は実験室で幸福気分を高めると生産性が約12%上がることを示した。企業レベルではEdmans(2011)が「働きがいのある会社100」の株価リターンが市場を上回ることを、Edmans(2012)が職務満足と企業価値の関係を総説した。

オックスフォード大学Wellbeing Research Centreの一連の研究は、Krekel, Ward & De Neve(2019)の339研究メタ分析(別表)、Bellet, De Neve & Ward(2024)のBTコールセンターの週次幸福度と売上の分析、De Neve, Kaats & Ward(2023)のIndeed職場ウェルビーイング調査と財務業績の分析(別表)で、幸福と業績の正の関係を事業所・企業・株式市場の各水準で確認した。

Böckerman & Ilmakunnas(2012)とDiMaria, Peroni & Sarracino(2020)は欧州データで同様の関連を報告している。

読むときの注意:Tenney, Poole & Diener(2016)が整理したように、効果は職種や成果指標で異なり、相関研究が多い。因果を示すのはOswald(2015)の実験とBellet(2024)の週次パネル、Harter(2010)の縦断分析に限られる。

解説に出てくるが一覧の外にあるもの:Krekel, Ward & De Neve(2019)、De Neve, Kaats & Ward(2023)

この系譜の論文(年順・13本)

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データ提供元:Semantic Scholar(Allen Institute for AI)、OpenAlex(OurResearch)、J-STAGE(JST)、Crossref
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