幸福の決定要因の推定において方法論はどれほど重要か
How important is methodology for the estimates of the determinants of happiness
A. Ferrer-i-Carbonell, P. Frijters(2004)The Economic Journal, 114(497), 641–659
幸福の決定要因の推定では、順序尺度か基数尺度かより、個人の固定効果を考慮するかどうかが結果を大きく左右することを示した。
要旨根拠:抄録
幸福度の回答をどう扱うかで、幸福を左右する要因の推定結果が変わるかを検討した計量経済学の研究である。心理学者や社会学者は幸福度の得点を、人どうしで比べられる等間隔の数値とみなして通常の回帰分析を行うことが多い。一方、経済学者は順序だけを仮定するモデルを主に使ってきたが、個人ごとの変わらない特性(固定効果)を十分に考慮してこなかった。著者らは固定効果を組み込んだ順序ロジットモデルの推定法を開発した。その結果、得点を順序とみなすか数値とみなすかはほとんど影響しない一方、個人の固定効果を考慮すると結果が大きく変わった。固定効果のもとになる性格特性の研究が必要だとしている。
関係メモ——この研究のその後
- 先行・基盤W0369 Winkelmann(1998)などドイツ社会経済パネルを用いた研究を受け、W0474 Lykken(1996)が示す個人の安定的特性の影響を固定効果で統制する重要性を示した
- 後続・発展本論文以降、幸福の経済学では順序データを基数として扱う推定と固定効果モデルの併用が標準的な手法になった。
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 15本
- W0016 主観的幸福感 Diener(1984) Psychological bulletin 主要400 被引用 14,738
- W0133 主観的幸福感――30年の進歩 Diener(1999) Psychological Bulletin 主要400 被引用 3,418
- W0163 全員の所得を上げれば全員の幸福は増すのか Easterlin(1995) Journal of Economic Behavior & Organization 主要400 被引用 3,137
- W0321 成人期の心理的ウェルビーイング Ryff(1995) Current Directions in Psychological Science 主要400 被引用 2,043
- W0334 幸福と経済パフォーマンス Oswald(1997) The Economic Journal 主要400 被引用 1,990
- W0369 なぜ失業者はこれほど不幸なのか?パネルデータによる証拠 Winkelmann(1998) Economica 主要400 被引用 1,903
- W0474 幸福は確率的な現象である Lykken(1996) Psychological Science 主要400 被引用 1,641
- W0389 仕事満足度とジェンダー:なぜ女性は職場でこれほど幸せなのか Clark(1997) Labour Economics 被引用 1,641
- W0623 所得と主観的幸福感の関係:相対的か絶対的か Diener(1993) Social Indicators Research 被引用 1,197
- W0692 横断面における相対所得が主観的幸福感に与える効果 McBride(2001) Journal of Economic Behavior & Organization 被引用 842
- W1184 幸福・基数主義・個人間比較可能性の擁護 Ng(1997) The Economic Journal 被引用 486
- W1212 低賃金と失業が心理的ウェルビーイングに与える影響:ロジスティック回帰によるアプローチ Theodossiou(1998) Journal of Health Economics 被引用 404
ほか 3 件
後続研究(この論文を引用している)
この一覧の中には見つかっていません。
読む・引用する
- 論文ページ
- https://doi.org/10.1111/J.1468-0297.2004.00235.X
- 無料で読めるか
- ○ ブロンズ(出版社サイトで無料・ライセンス不明) 無料本文 ↗
- DOI
- 10.1111/J.1468-0297.2004.00235.X
文献表記(APA第7版)
影響力の指標
- 著名度スコア
- 91.5 / 100 スコアとは
- 被引用数
- Semantic Scholar 3,400(うち影響引用 179)・ OpenAlex 147
- 年あたり被引用
- 147.8
- FWCI
- 10.4(同年・同分野の平均の何倍引用されたか)
- 同年同分野で
- 上位 1.5%
- 分野(OpenAlex)
- Psychological Well-being and Life Satisfaction
- 主要400の選定
- 著名度スコア上位(概念・年代枠内)
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
つながり ほかの保存版コレクションから、内容の近いもの
- 名言集人間の幸福は、めったに起こらない大きな幸運よりも、毎日起こる小さな便益から生まれるベンジャミン・フランクリン
- 名言集幸福は成功の結果ではなく、成功に先行する要因であるショーン・エイカー
- 幸せに効くこと感情強度(Affect Intensity)感情が強いかどうかは幸せを決めない。決めるのは「頻度」
- 幸せに効くこと幸福度の測定・公表(国民統計)「測る」ことが幸せを増やすかは未検証、でも測らなければ政策の議論に乗らないんです
- 発達マップ幸福度診断の運用5つの発達段階で比べた表・サーベイ・診断とWBC組織版の読み方
- 思想マップポジティブ心理学1.0快い感情・没頭・意味・良い関係・達成(PERMA)という測れる要素を、自分の強み(性格の良い面)を使って増やしていけば、幸福(フラーリッシ…
- 調査・報告書世界幸福度報告各国の人が自分の人生を0〜10で評価した平均を、3年分まとめて国別ランキングにする年次報告書。
- 禅語百選吾唯足知私は、足りていることを知っている。欲望を追いかける前に、すでに満ちていることに気づく。
内容の近さをAIで自動計算して選んでいます。保存版コレクションの一覧 →