世界の論文 ・ A07 適応・セットポイント・遺伝 ・ W0474
主要400 なんとかなる 実証
幸福は確率的な現象である
Happiness Is a Stochastic Phenomenon
D. Lykken, A. Tellegen(1996)Psychological Science, 7(3), 186–189
ひとことで
幸福感の遺伝率
双生児研究から、幸福感の個人差の約半分が遺伝と関連し、安定した成分の遺伝率は80%近くに達すると推定した。
要旨根拠:抄録
人の幸福感は社会経済的な条件と遺伝のどちらによってどれほど決まるのかを検討した研究である。出生記録に基づく数千人の中年の双生児を対象に、多次元性格質問紙(MPQ)のウェルビーイング尺度で幸福感を測定した。社会経済的地位、学歴、世帯収入、婚姻状況、宗教的関与は、いずれも幸福感の分散の約3%以上を説明しなかった。一方、幸福感の分散の44〜52%は遺伝的変動と関連していた。4.5年後と10年後に再測定した小標本から、幸福感の安定した成分の遺伝率(=個人差のうち遺伝で説明される割合)は80%近くに達すると推定された。幸福には人それぞれの基準水準(セットポイント)があるという考え方を支える代表的な研究である。
関係メモ——この研究のその後
- 先行・基盤W0258 Myers(1995)の「誰が幸福か」の総説を踏まえ、双生児データで遺伝の寄与を推定した
- 後続・発展W0111 Lyubomirsky(2005)が「幸福の約50%は遺伝」の根拠として引用し、W0292 Diener(2006)とW0775 Fujita(2005)がセットポイントは変わりうると修正した
- 反証・修正「幸福になろうとするのは背を伸ばそうとするのと同じく無駄」という本論文の結論は、のちにLykken自身が撤回した
- 一覧外:Bartels(2015)の双生児研究のメタ分析では、幸福の遺伝率は約3〜4割と本論文より低く推定された
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
この論文が出てくる研究の系譜
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 1本
後続研究(この論文を引用している) 15本
- W0042 ポジティブ心理学の進展:介入の実証的検証 Seligman(2005) American Psychologist 主要400 被引用 5,621
- W0103 幸福の決定要因の推定において方法論はどれほど重要か Ferrer-i-Carbonell(2004) The Economic Journal 主要400 被引用 3,400
- W0111 幸福の追求:持続的な変化の構造 Lyubomirsky(2005) Review of General Psychology 主要400 被引用 3,220
- W0119 性格、文化、主観的幸福感:人生の感情的・認知的評価 Diener(2003) Annual Review of Psychology 主要400 被引用 3,573
- W0130 ウェルビーイングの最適化:2つの研究伝統の実証的な出会い Keyes(2002) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 3,299
- W0133 主観的幸福感――30年の進歩 Diener(1999) Psychological Bulletin 主要400 被引用 3,418
- W0156 幸せなパーソナリティ――137の性格特性と主観的幸福感のメタ分析 Deneve(1998) Psychological bulletin 主要400 被引用 2,946
- W0172 主観的幸福感の測定の発展 Kahneman(2006) The Journal of Economic Perspectives 主要400 被引用 2,538
- W0189 主観的ウェルビーイング研究の進展 Diener(2018) Nature Human Behaviour 主要400 被引用 1,748
- W0226 ポジティブ感情は健康に影響するか Pressman(2005) Psychological bulletin 主要400 被引用 2,157
- W0167 所得と幸福:統一理論に向けて Easterlin(2001) The Economic Journal 被引用 2,755
- W0257 性格と主観的幸福感の関係の精緻化 Steel(2008) Psychological bulletin 被引用 1,787
ほか 3 件
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文献表記(APA第7版)
Lykken, D. T., & Tellegen, A. (1996). Happiness Is a Stochastic Phenomenon. Psychological Science, 7(3), 186–189. https://doi.org/10.1111/j.1467-9280.1996.tb00355.x
影響力の指標
- 著名度スコア
- 71.2 / 100 スコアとは
- 被引用数
- Semantic Scholar 1,641(うち影響引用 81)・ OpenAlex 1,731
- 年あたり被引用
- 52.9
- FWCI
- 23.9(同年・同分野の平均の何倍引用されたか)
- 同年同分野で
- 上位 0.2%
- 分野(OpenAlex)
- Psychological Well-being and Life Satisfaction
- 主要400の選定
- 専門家判断(古典・定番)
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
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