生きがい感と死亡リスク——大崎研究
Sense of Life Worth Living (Ikigai) and Mortality in Japan: Ohsaki Study
T. Sone, N. Nakaya, Kaori Ohmori et al.(2008)Psychosomatic Medicine, 70(6), 709–715
約4万3千人を7年追跡し、生きがいの無い人は全死因死亡リスクが約1.5倍で、循環器疾患と外因死が特に高いことを示した。
要旨根拠:抄録
心理的要因は病気や死亡のリスクに関わるとされるが、否定的な心理要因と死亡の関連は一貫していない。本研究は、「生きがい(=生きる価値のある人生だという感覚)」と死因別の死亡リスクとの関連を調べた。宮城県の大崎研究という前向きコホート研究(=集団を追跡して後の病気や死亡を調べる研究)で、日本人成人43,391人に「生きがいがありますか」と尋ね、Cox回帰分析でハザード比(=死亡しやすさの比)を算出した。7年間で3,048人が死亡し、生きがいが無い人は有る人に比べて全死因死亡リスクが1.5倍(95%信頼区間1.3〜1.7)高かった。死因別では循環器疾患(1.6倍)と外因死(1.9倍)のリスクが高かったが、がん死亡とは有意な関連がなかった。生きがいが寿命と関わる心理的資源である可能性を示した代表的な疫学研究である。
関係メモ——この研究のその後
- 再現・検証W1503 Tanno(2009)が全国規模のJACC研究で生きがいと死亡リスク低下の関連を再確認した
- 後続・発展W2156 Mori(2017)が機能障害、W1502 Okuzono(2022)が多数の健康アウトカムへ展開し、W1332 Kim(2021)などの人生の目的と健康の研究でも引用された
- 日本語版・翻訳生きがい尺度はW2124 Fido(2019)が英語版、W2185 Hajek(2024)がドイツ語版を検証し国際的に広がった
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している)
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後続研究(この論文を引用している) 14本
- W0295 人生の意味の3つの意味:首尾一貫性・目的・重要性の区別 Martela(2016) The Journal of Positive Psychology 主要400 被引用 1,273
- W1262 人生の意味とセルフコントロールはCOVID-19期のストレスを緩衝する:精神的苦痛に関する調整・媒介効果 Schnell(2020) Frontiers in Psychiatry 主要400 被引用 196
- W1502 生きがいとその後の健康・ウェルビーイング:日本の高齢者における縦断的アウトカムワイド分析 Okuzono(2022) The Lancet Regional Health - Western Pacific 主要400 被引用 72
- W0613 心の満ち足り:ポジティブな心理的ウェルビーイングと心血管の健康との関連 Boehm(2012) Psychological bulletin 被引用 874
- W0787 ウェルビーイング予測におけるナラティブ・アイデンティティの増分的妥当性 Adler(2016) Personality and Social Psychology Review 被引用 527
- W1327 人生の目的と意味を見出す方法としてのライフ・クラフティング Schippers(2019) Frontiers in Psychology 被引用 178
- W1443 ウェルビーイングのより地球規模の理解に向けて:より包摂的な測定の提案 Lambert(2020) International Journal of Wellbeing 被引用 126
- W2086 地域在住高齢者における趣味と生きがいの有無と、死亡・ADL・IADLとの関連 Tomioka(2016) Journal of Epidemiology 被引用 87
- W2124 Ikigai-9の英語への翻訳と英国サンプルにおける妥当性検証 Fido(2019) International Journal of Mental Health and Addiction 被引用 50
- W2156 高齢日本人における生きがい感と機能障害の発生——鶴ヶ谷プロジェクト Mori(2017) Journal of Psychosomatic Research 被引用 56
- W2172 高齢女性の生きがいにおける予測因子と社会的側面の重要性 Seko(2021) International Journal of Environmental Research and Public Health 被引用 25
- W2177 生きがいは不安、抑うつ、ウェルビーイングを予測するか Wilkes(2022) International Journal of Mental Health and Addiction 被引用 28
ほか 2 件
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文献表記(APA第7版)
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- FWCI
- 3.1(同年・同分野の平均の何倍引用されたか)
- 同年同分野で
- 上位 9.4%
- 分野(OpenAlex)
- Death Anxiety and Social Exclusion
- 主要400の選定
- 専門家判断(古典・定番)
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
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