山岳環境・高地の自然
山地・高原の自然環境での滞在や登山
幸せへの効果の大きさ
(推定) 山地草原・渓流での短期滞在は都市より注意回復・ストレス低減・WBが高い(n=22フィールド実験、Arnberger 2018)。登山介入は自殺リスク患者で絶望感d=−1.4・抑うつd=−1.38(n=20クロスオーバーRCT、Sturm 2012)。人生満足尺度での検証なし
PA上昇・回復感が主(小規模研究)。自然曝露一般の知見と整合
- ほかの幸福度指標
- 絶望感・抑うつ・自殺念慮(臨床群)。逆に高地『居住』は抑うつ・自殺率の高さと関連(低酸素仮説、Kious 2018)
- なぜ効くのか
- 注意回復・畏敬(awe)、運動負荷、日常からの物理的距離。高地居住では慢性低酸素がセロトニン代謝に影響(負)
- 幸せの4因子
- やってみようありのままに 山の自然 →畏敬・回復 →ありのままに/やってみよう
こうすると更に効く
山地の草原や渓流に短く滞在するだけで、都市にいるより注意力の回復やストレス低減が見られたという小規模なフィールド実験があります(Arnberger et al., 2018)。効き方の中身は、注意回復(頭の疲れが休まること)、畏敬の念(大きなものに触れたときの感覚)、運動負荷、そして日常から物理的に離れることなので、スマホを見ながら歩くより景色に目を向けて歩くほうが効きやすそうです。臨床群では登山プログラムが絶望感や抑うつを大きく下げたという報告もあり(Sturm et al., 2012)、体を動かす要素と自然の要素を組み合わせるのがポイントのようです。
気をつけること
根拠は20〜22人規模の研究のみで、人生満足尺度での検証もないため、確度Cで「根拠はまだ弱い」段階です。「森林浴」や「運動」の効果との重なりが大きく、山ならではの上乗せがどこまであるかは分かりません。注意すべきは方向の違いで、高地への「居住」は慢性的な低酸素が関係してか、抑うつや自殺率の高さと関連する報告があります(Kious et al., 2018)。体力や高山病のリスクもあるので無理な登山は禁物ですし、絶望感が強いときは山に行く前に専門家につながってください。
最初の一歩
今月、電車やバスで行ける低山や高原に日帰りで出かけてみてください。歩く時間は1〜2時間で十分なので、途中で立ち止まって景色をしばらく眺める時間を意識的に入れてみましょう。
主要な研究
- Health-Related Effects of Short Stays at Mountain Meadows, a River and an Urban Site-Results from a Field Experiment(Arnberger et al., 2018, Int J Environ Res Public Health)
- Physical exercise through mountain hiking in high-risk suicide patients. A randomized crossover trial(Sturm et al., 2012, Acta Psychiatr Scand)
- Living High and Feeling Low: Altitude, Suicide, and Depression(Kious et al., 2018, Harv Rev Psychiatry)
メモ:n=20〜22の小規模研究のみ。『訪問・短期滞在』は正、『高地居住』は負で方向が異なる→項目名の読み替えに注意。『森林浴/自然曝露』『運動』の既収載行と重複が大きい
原典と照合済み(3次)。効果の大きさは代表的な研究の値で、相関は因果を意味しません。
同じ「自然・気候」の項目
つながり ほかの保存版コレクションから、内容の近いもの
- 発達マップ森・自然との付き合い方(リトリート)5つの発達段階で比べた表・人生の歩み
- 名言集森林環境は、ストレスホルモンを下げ、免疫のはたらき(NK細胞活性)を高める李卿(り・けい)
- 主要研究視覚的な景観と心理的ウェルビーイングUlrich(1979)・自然の景色を見ることが都市景観に比べて気分を改善し、心理的ウェルビーイングを高めることを示した。
- 禅語百選渓声山色谷川のせせらぎは仏の説法、山の姿は仏の清らかな身体。自然のすべてが真理を語っている。
- 主要研究幸福の持続的な向上を達成する:環境ではなく行動を変えよSheldon(2006)・生活環境の変化による幸福の向上は慣れで薄れるが、意図的な活動の変化による向上は持続しやすいことを示した。
- 発達マップWBC:ストレスの低さ5つの発達段階で比べた表・幸福度診断(WBC)の分解
- 思想マップ修験道山に入り、いったん死んで生まれ変わる行(擬死再生)を経て身体ごと仏の働きを現し、その験力(修行で得た力)で人々の現世の安寧を実現すること
- 調査・報告書仕事と幸福(世界幸福度報告2017 第6章)仕事があること、仕事の種類、職場の特徴が幸福とどう関係するかを世界のデータで調べた章。
内容の近さをAIで自動計算して選んでいます。保存版コレクションの一覧 →