家族療法
家族システムの相互作用に働きかける心理療法
幸せへの効果の大きさ
(推定) 人生満足未測定。成人38RCT中34で有効(気分障害・摂食障害等)、FFTはvs無治療d=.48からの推定
NA低減が主(抑うつ・自殺念慮・問題行動)。青年抑うつでは他療法と同等
- ほかの幸福度指標
- 抑うつ・自殺念慮(青年)、摂食障害の体重回復、物質使用・非行、治療同盟と転帰r=.30
- なぜ効くのか
- 家族内相互作用パターンの変容→個人症状の維持要因の除去
- 幸せの4因子
- ありがとう ありがとう(家族関係の修復) →幸福度
こうすると更に効く
家族療法は、家族システムの相互作用に働きかける心理療法で、成人を対象とした38のRCTのうち34で有効性が示され、気分障害や摂食障害などで効果が報告されています(von Sydow et al., 2010)。青年の抑うつでは他の心理療法と同等ですが、自殺念慮の低減では優位という結果もあります(Waraan et al., 2022)。メカニズムは、家族内の相互作用パターンを変えることで症状を維持している要因を取り除くことなので、効きやすいのは『本人だけ治療しても家に帰ると戻ってしまう』ような状況です。治療同盟(治療者と家族の協力関係)の強さが転帰と関連するので、家族が『犯人探し』ではなく『一緒に変わる』姿勢で臨めるかが効き目を左右します(Carr, 2019)。
気をつけること
根拠は臨床集団(精神疾患や問題行動)の症状改善で、健康な家族の幸福を増やすエビデンスではありません。人生満足は測られておらず、幸福への効果は推定です(確度B)。青年の抑うつでは他の療法に優越しないので、『家族療法だから特別に効く』というより『家族が関われる形』として選ぶのが正直なところです。家族の一部が参加を拒む、暴力や虐待がある場合は、家族療法より先に安全確保が必要です。症状が続くときは、専門の医療機関に相談してください。
最初の一歩
家族療法は精神科・心療内科や、家族療法を専門とするカウンセリング機関で受けられます。思春期の子どもの不調であれば、児童精神科や自治体の教育相談で『家族で受けられる相談はあるか』と聞くのが入口です。家族ができる小さなことは、本人を責める言葉を1つ減らし、『どうすれば一緒にやれるか』と聞いてみることです。
主要な研究
- The efficacy of systemic therapy with adult patients: a meta-content analysis of 38 randomized controlled trials(von Sydow et al., 2010, Fam Process)
- Family therapy for adolescents with depression and suicidal ideation: A systematic review and meta-analysis(Waraan et al., 2022, Clin Child Psychol Psychiatry)
- The Effectiveness of Functional Family Therapy for Adolescent Behavioral and Substance Misuse Problems: A Meta-Analysis(Hartnett et al., 2016, Fam Process)
- Family therapy and systemic interventions for child-focused problems: the current evidence base(Carr, 2019, J Fam Ther)
- Couple therapy, family therapy and systemic interventions for adult-focused problems: the current evidence base(Carr, 2019, J Fam Ther)
メモ:臨床集団(精神疾患・問題行動)の症状改善が主で、非臨床の幸福増進エビデンスではない。青年抑うつでは他の心理療法に優越せず(自殺念慮では優越)。Carr(2019)の包括レビューはPubMed未収載(未照合)。v2.6.1:OpenAlexで2本を確認。Carrの包括レビューは子ども版・成人版の2本(OpenAlexの年は2018オンライン先行、冊子体2019)
原典と照合済み(3次)。効果の大きさは代表的な研究の値で、相関は因果を意味しません。
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