コンパッションに基づく介入のメタ分析:現在の知見と今後の方向性
A Meta-Analysis of Compassion-Based Interventions: Current State of Knowledge and Future Directions.
James N. Kirby, Cassandra L. Tellegen, S. Steindl(2017)The Behavior Therapist, 48(6), 778–792
コンパッション介入が思いやり、自己への思いやり、抑うつ、不安、ウェルビーイングなどに中程度の効果を持つことを示した。
要旨根拠:抄録
過去20年でコンパッション(=苦しみへの感受性と、それを和らげようとする思い)の研究が急増し、自他への思いやりを育てる介入が開発されてきた。本メタ分析は、過去12年間のランダム化比較試験21件、参加者1285人のデータを統合し、コンパッションに基づく介入の効果を検討した。その結果、コンパッション(d=0.55)、セルフ・コンパッション(d=0.70)、マインドフルネス(d=0.54)、抑うつ(d=0.64)、不安(d=0.49)、心理的苦痛(d=0.47)、ウェルビーイング(d=0.51)で有意な改善が見られ、積極的な統制群と比べても結果は維持された。出版バイアス(=有意な結果ばかりが公表される偏り)は比較的小さかったが、多くの研究は小規模であった。より厳密で大規模な研究が必要であるものの、コンパッション介入が幅広い成果に有益である可能性を示している。
関係メモ——この研究のその後
- 先行・基盤W0239 Macbeth(2012)のセルフ・コンパッションのメタ分析、W0141 Neff(2013)とW0948 Jazaieri(2013)のRCTを統合した
- 後続・発展W0333 Neff(2022)がセルフ・コンパッション研究を総説する際に参照した
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 10本
- W0141 マインドフル・セルフ・コンパッション・プログラムのパイロット研究とランダム化比較試験 Neff(2013) Journal of Clinical Psychology 主要400 被引用 2,240
- W0184 マインドフルネスに基づく療法:包括的メタ分析 Khoury(2013) Clinical Psychology Review 主要400 被引用 2,012
- W0239 コンパッションの探究:セルフ・コンパッションと精神病理の関連についてのメタ分析 Macbeth(2012) Clinical Psychology Review 主要400 被引用 1,833
- W0244 コンパッション・フォーカスト・セラピーの起源と本質 Gilbert(2014) British Journal of Clinical Psychology 主要400 被引用 1,465
- W0328 セルフ・コンパッションを測定する尺度の開発と妥当性検証 Neff(2003) Self and Identity 主要400 被引用 6,454
- W0632 臨床実践におけるセルフ・コンパッション Germer(2013) Journal of Clinical Psychology 被引用 766
- W0764 自己と他者に対するコンパッションの関与と行動尺度の開発 Gilbert(2017) Journal of Compassionate Health Care 被引用 471
- W0872 苦しみに優しさで向き合う:女子大学生を対象とした短期セルフ・コンパッション介入の効果 Smeets(2014) Journal of Clinical Psychology 被引用 498
- W0948 コンパッションを高める:コンパッション育成トレーニング・プログラムのランダム化比較試験 Jazaieri(2013) Journal of Happiness Studies 被引用 466
- W1010 セルフコンパッション、対人葛藤の解決、幸福 Yarnell(2013) Self and Identity 被引用 427
後続研究(この論文を引用している) 3本
- W0333 セルフ・コンパッション:理論、方法、研究、介入 Neff(2022) Annual Review of Psychology 主要400 被引用 840
- W1463 自分自身の優しさに頼る:COVID-19流行期における職場の孤独感の個人内影響に対するセルフコンパッションの調整的役割 Andel(2021) Journal of Occupational Health Psychology 被引用 94
- W1487 セルフコンパッションの構成要素間の関係:自己への優しさ・共通の人間性・マインドフルネスを高める思いやりの筆記介入を用いたパイロット研究 Dreisoerner(2020) Journal of Happiness Studies 被引用 109
読む・引用する
- 論文ページ
- https://doi.org/10.1016/j.beth.2017.06.003
- 無料で読めるか
- × 有料(非OA)
- DOI
- 10.1016/j.beth.2017.06.003
文献表記(APA第7版)
影響力の指標
- 著名度スコア
- 64.9 / 100 スコアとは
- 被引用数
- Semantic Scholar 763(うち影響引用 47)・ OpenAlex 837
- 年あたり被引用
- 76.3
- FWCI
- 11.3(同年・同分野の平均の何倍引用されたか)
- 同年同分野で
- 上位 0.5%
- 分野(OpenAlex)
- Mindfulness and Compassion Interventions
- 主要400の選定
- 著名度スコア上位(概念・年代枠内)
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
つながり ほかの保存版コレクションから、内容の近いもの
- 幸せに効くことセルフコンパッション介入(MSC等)自分に優しくする訓練は、抑うつ・不安・ストレスを小〜中程度減らします
- 名言集あなた自身が、世界中の誰にも劣らず、あなたの愛情と優しさに値するブッダ(とされる)
- 名言集自分への思いやりとは、大切な友人に向けるのと同じ優しさを、自分自身に向けることであるクリスティン・ネフ
- 幸せに効くこと許しの介入(REACH/Enright)許しは相手のためではなく自分のため。構造化した手順なら抑うつ・不安が減る
- 禅語百選即心是仏この心がそのまま仏である。仏は遠い彼方の存在ではなく、今ここで見聞きし、思い、感じているこの心に他ならない。
- 発達マップウェルビーイングを高める有効な取り組み(支援メニュー)5つの発達段階で比べた表・幸せの4因子(個人)
- 調査・報告書従業員のウェルビーイング、生産性、企業業績――エビデンスと事例(世界幸福・ウェルビーイング政策報告2019 第5章)従業員の満足度と生産性・顧客ロイヤルティ・離職・利益の関係を、339研究のメタ分析で示した章。
- 思想マップポジティブ心理学1.0快い感情・没頭・意味・良い関係・達成(PERMA)という測れる要素を、自分の強み(性格の良い面)を使って増やしていけば、幸福(フラーリッシ…
内容の近さをAIで自動計算して選んでいます。保存版コレクションの一覧 →