幸福↑ 幸せを高める 確度Aメタ分析あり
楽観バイアス/ポジティブ幻想
自分や将来を実際より良く見積もる傾向(Taylor & Brownの『ポジティブ幻想』)
自分をちょっと良く見積もる癖は、本人の幸せにはやや効き、人間関係では微妙です
幸せへの効果の大きさ
人生満足度(SWLS)
△弱い/条件しだい自己高揚傾向と自己報告の適応はr=.18(237研究、N=117,141)。人生満足・PAはr≧.17
感情のバランス(PANAS)
△弱い/条件しだいPA正(r≧.17)・NA負(r=−.17)・抑うつ負(r=−.17)
- ほかの幸福度指標
- 他者評定の適応ともr=.12、縦断β=.14。対人面は初対面で正(r=.11)、長期関係では非有意〜負(作動的自己高揚と共同性r=−.10)
- なぜ効くのか
- 自己価値の防衛・動機づけ維持。ただし長期の対人コストで相殺
- 幸せの4因子
- なんとかなる なんとかなる →楽観的自己像 →幸福度
こうすると更に効く
自己高揚傾向は本人の適応とr=.18の小さな正で、人生満足やポジティブ感情とも関連しています(Dufner et al., 2019)。効かせ方のコツは「将来うまくいく」「自分は乗り越えられる」という方向に使って、行動のエネルギーにすること。一方で他者と比べて「自分が優れている」という方向(作動的自己高揚)は長期の関係で共同性とマイナスにつながります。自信は自分の内側に向けて使い、人には謙虚に、が良い組み合わせです。
気をつけること
効果は小さく、横断相関が中心なので、幸せな人がポジティブに自己評価するという逆方向もあります。対人面は初対面では好印象でも、長期関係では非有意〜負に転じるので、やりすぎは信頼を損ねます。現実からズレすぎると失敗の準備ができないリスクもあります。日本のような謙遜が好まれる文化では、表に出す自己高揚は特に気をつけたいところです。
最初の一歩
今日、取りかかる前に「たぶん大丈夫」と1回だけつぶやいてみてください。他人に言う必要はなく、自分の背中を押す用途だけに使うのが最初の一歩です。
主要な研究
- Self-enhancement and psychological adjustment: A meta-analytic review(Dufner, Gebauer, Sedikides & Denissen, 2019, Pers Soc Psychol Rev)
メモ:本人適応には小さな正、対人適応は混在。既収載『楽観性(LOT-R)』『自尊感情』と弁別:本行は現実からの『ズレ』。基準乖離法でもr=.20で同様
原典と照合済み(3次)。効果の大きさは代表的な研究の値で、相関は因果を意味しません。
同じ「前向きさ・信念」の項目
幸福↑ A 希望 希望とは「道筋」と「やる気」の両方を持っていること 幸福↑ A 楽観性 楽観は「うまくいく」と思うから、動けて、本当にうまくいく 幸福↓ B 幸福への恐れ(Fear of Happiness) 「幸せになると罰が来る」という信念が、幸せを自分で抑えてしまう 幸福↑ B 自己効力感 「自分はやれる」という感覚は、小さな成功体験から育つ 幸福↑ B 内的統制の所在 「結果は自分次第」と考える人は、数年後の人生満足が高め 幸福↑ A 成長マインドセット 「変えられる」と信じることは効く。ただし条件つきで、効果は控えめ 幸福↓ A 学習性無力感 「何をしても無駄」という学習された信念は、抑うつの入口になります 幸福↓ B 絶望感(Hopelessness) 「どうせ変わらない」という予期が、行動を止めて気分を沈める
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