受容(Acceptance)
不快な感情や思考を評価・抵抗せずそのまま認める姿勢(状況の受容とは区別)
幸せへの効果の大きさ
習慣的な感情・思考の受容は人生満足・心理的WBと正、抑うつ・不安と負(N=1,003。再評価・反すう・他のマインドフルネス面を統制しても有意)
NA低減が主 受容はストレッサーへのNA反応を下げるがPAは変えない(実験N=156・日誌・6か月縦断N=222)。メタ分析では精神病理と小〜中の負(114研究)
- ほかの幸福度指標
- 抑うつ・不安。ACT・マインドフルネス介入の中核成分(実験室成分研究でも有意な効果)
- なぜ効くのか
- 感情についての二次的評価(嫌な気分を嫌がる)を減らし、NAの増幅と反すうを防ぐ
- 幸せの4因子
- ありのままに ありのままに →感情への評価を手放す →NA増幅の抑止
こうすると更に効く
受容は不快な感情や思考を評価せずそのまま認める姿勢で、ストレスへのネガティブ感情反応を下げます(Ford, Lam, John & Mauss, 2018)。コツは、状況を諦めることではなく、内側の感情だけを受け入れること。「不安を感じている自分」を「不安を感じちゃダメ」と責める二次的な評価を手放すのがポイントです。「今、不安がある」とラベルをつけて眺める、感情を天気のように通り過ぎるものとして見る、などの練習が使えます。ACTやマインドフルネスの中核成分で、実験室の成分研究でも効果が確認されています(Levin et al., 2012)。
気をつけること
効果は小〜中で、再評価と同程度です(Aldao, Nolen-Hoeksema & Schweizer, 2010)。ネガティブ感情の反応を下げますが、ポジティブ感情を増やすわけではありません。「状況の受容(諦め)」では効果が出ないので、変えられる問題にはちゃんと手を打つことと組み合わせてください。受容を「我慢」と取り違えると逆効果です。感情を受け入れても苦しさが続くときは専門家に相談してください。
最初の一歩
今日、嫌な気持ちになったら「今、イライラがある」と心の中でラベルをつけて、消そうとせず10秒だけ眺めてみてください。それだけが最初の一歩です。
主要な研究
- The psychological health benefits of accepting negative emotions and thoughts: Laboratory, diary, and longitudinal evidence(Ford, Lam, John & Mauss, 2018, J Pers Soc Psychol)
- Emotion-regulation strategies across psychopathology: A meta-analytic review(Aldao, Nolen-Hoeksema & Schweizer, 2010, Clin Psychol Rev)
- The impact of treatment components suggested by the psychological flexibility model: A meta-analysis of laboratory-based component studies(Levin, Hildebrandt, Lillis & Hayes, 2012, Behav Ther)
メモ:『状況の受容(諦め)』では効果が出ず、『内的経験の受容』に特異的(Ford 2018)。メタ分析の受容効果は小〜中で再評価と同程度。既収載『マインドフルネス』『心理的柔軟性』と重なる
原典と照合済み(3次)。効果の大きさは代表的な研究の値で、相関は因果を意味しません。
同じ「ストレス・不安とのつきあい方」の項目
つながり ほかの保存版コレクションから、内容の近いもの
- 名言集人間であることへの許可 ── 不安も嫉妬も悲しみも、あらゆる感情を自分に許すことタル・ベン・シャハー
- 名言集起こったことを受け入れることは、あらゆる不幸の結果を乗り越える第一歩であるウィリアム・ジェームズ(とされる)
- 発達マップフィードバックの受け取り方5つの発達段階で比べた表・人生の歩み
- 発達マップストレスとの向き合い方5つの発達段階で比べた表・心の健康と回復
- 主要研究自己受容概念の再検討 -自己評価の低い人の“上手なあきらめ”として-上田(1996)・自己受容を自己評価の低い人の上手なあきらめと定義し、自己評価の低い人でのみ自己受容が自尊感情を高めることを示した。
- 思想マップ悩み相談:自分が嫌い自分・まず読むなら 仏教(浄土)/仏教(上座部)/ユング(分析心理学)
- 禅語百選将心来 与汝安「その不安な心を持ってきなさい。安らかにしてあげよう」。探しても見つからない心、そこにこそ安心がある。
- 調査・報告書Gallup 世界の感情レポート(Global Emotions Report/State of the World's Emotional Health)昨日、笑ったか・心配したかなどを世界の人に尋ね、日々の感情の明暗を国別に比べる年次報告書。
内容の近さをAIで自動計算して選んでいます。保存版コレクションの一覧 →