自己高揚価値(権力・達成志向)
地位・支配(権力)と社会的成功の誇示(達成)を重んじる価値
幸せへの効果の大きさ
権力は人生満足と負(β=−.14、価値10種中最大の負)。達成は無関連。自己高揚『行為』(self-enhancement)とは別概念で、後者は適応とr=.18の正
権力は抑うつ感情と正(β=.03、小)。達成は無関連
- ほかの幸福度指標
- 外発的目標の相対優位(富・名声・外見)はwell-beingとr=−.22(N004参照)
- なぜ効くのか
- 他者比較と条件付き自己価値→関係性の希薄化→満足低下。達成は有能感を通じ相殺
- 幸せの4因子
- ありがとうを損なうありのままにを損なう ありがとう(逆)/ありのままに(逆)
こうすると更に効く
権力(地位・支配)を重んじる価値は人生満足と負(β=−.14)で、10の価値のうち最大の負でした。一方、達成の価値は無関連です(Sortheix & Schwartz, 2017)。付き合い方のコツは、達成志向まで捨てる必要はなく、達成の喜びを他者との比較や支配ではなく、自分の有能感の実感に結びつけること。権力志向が強いと他者比較と条件付きの自己価値で関係が薄くなりやすいので、勝ち負け以外の尺度(成長、貢献)を並行して持つと中和されます。なお「自分を実際より良く見る」自己高揚傾向は別物で、こちらは適応と小さな正の関連があります(Dufner et al., 2019)。
気をつけること
横断研究で、幸福度の低い人が権力を重視するようになる逆方向もあります。効果量は小さく(確度B)、価値観は幸福の一部しか説明しません。達成志向が強すぎると消耗や燃え尽きにつながる話は達成欲求の行で扱っています。権力や地位を求めること自体を否定するのではなく、それが幸せの主な源になっていないかを見る話です。
最初の一歩
今週、自分が「勝った・上に立った」と感じた場面を1つ思い出して、その喜びが「人より上」からか「できるようになった」からか、分けてみてください。後者の割合を少し増やすのが最初の一歩です。
主要な研究
- Values that underlie and undermine well-being: Variability across countries(Sortheix & Schwartz, 2017, Eur J Pers)
- Self-enhancement and psychological adjustment: A meta-analytic review(Dufner, Gebauer, Sedikides & Denissen, 2019, Pers Soc Psychol Rev)
メモ:『自己高揚価値』(Schwartz)と『自己高揚傾向』(自分を実際より良く見る)は別物で、後者は幸福と正(Dufnerメタ)。権力のみ負・達成は中立なので dir=混在。横断
原典と照合済み(3次)。効果の大きさは代表的な研究の値で、相関は因果を意味しません。
同じ「価値観・意味・スピリチュアリティ」の項目
つながり ほかの保存版コレクションから、内容の近いもの
- 発達マップ個人の意味構築5つの発達段階で比べた表・個人の段階の基本
- 名言集ただ幸福になりたいのなら、簡単に叶うだろう。しかし人は、他人より幸福になりたいと望む。だから難しいモンテスキュー(とされる)
- 名言集地位財(他人との比較で価値が決まる財)の追求は、幸福をもたらしにくいロバート・フランク
- 発達マップ③達成志向/生活の質志向(男性性/女性性)との対応5つの発達段階で比べた表・文化との対応
- 主要研究親密な関係性における高揚と相対的自己卑下遠藤(1997)・人は自分の親密な関係を他者より良いと評価しつつ、関係内では相手を自分より高く評価し、関係の高揚が幸福感を説明することを…
- 禅語百選放下着「捨ててしまえ」。手に持っているもの、心に握りしめているものを、きっぱり手放せ。
- 思想マップ実存主義幸福ではなく、不安と無意味を引き受けて自ら意味を創り出す生の本来性(自分の生を自分で引き受けること)が問われる
- 調査・報告書世界幸福度報告各国の人が自分の人生を0〜10で評価した平均を、3年分まとめて国別ランキングにする年次報告書。
内容の近さをAIで自動計算して選んでいます。保存版コレクションの一覧 →