SNS普及(社会レベル・Facebook導入)
社会・集団単位でのSNS導入・普及が幸福に与える影響
幸せへの効果の大きさ
2022仏大統領選中の事前登録Facebook停止実験でSWB上昇(=使用の負効果)。一方72か国(N=946,798)の普及度分析では人生満足と弱い正で有害の証拠なし
NA増・PA減:若年成人の経験サンプリングでFacebook使用が次時点の気分悪化と2週間の人生満足低下を予測
- ほかの幸福度指標
- 政治知識は上昇、分極化の可能性。米Gallupパネル(N=5,208)で使用が精神健康・人生満足の低下と関連
- なぜ効くのか
- 社会的比較・受動的閲覧・対面交流の時間置換
- 幸せの4因子
- ありがとうを損なう ありがとう(逆)(対面関係の置換・社会的比較)
こうすると更に効く
減らし方のヒントは実験にあります。2022年のフランス大統領選中にFacebookを停止する事前登録実験では、ウェルビーイングが上昇しました(Arceneaux et al., 2024)。若年成人の経験サンプリングでも、Facebookを使った後ほど気分が悪化し、2週間の人生満足も低下していました(Kross et al., 2013)。メカニズムは社会的比較、受動的な閲覧、対面交流の時間の置き換えです。だから全面的にやめなくても、『見るだけ』の受動的な使い方を減らして能動的なやりとりに絞る、一定期間の休止を試す、対面の予定を先に入れてからSNSを開く、といった工夫がこの経路を断ちます。
気をつけること
個人レベルの停止実験は負の効果を示す一方、72か国の普及度分析では人生満足と弱い正で有害の証拠はなく(Vuorre & Przybylski, 2023)、方向は混在気味です。大学単位の段階的導入でうつが増えたという研究もあります(Braghieri, Levy & Makarin, 2022)。実験の効果量は小さく、政治知識の向上など便益もあります。個人のSNS使用(既収載)とは別の社会レベルの行です。SNSが唯一のつながりになっている人には、やめることが孤立につながるリスクもあります。気分の落ち込みが続くときは専門家に相談してください。
最初の一歩
今週末、2日間だけSNSアプリを通知オフにして、気分の変化を自分で観察してみてください。実験の再現としては十分な最初の一歩です。
主要な研究
- Facebook increases political knowledge, reduces well-being and informational treatments do little to help(Arceneaux et al., 2024, R Soc Open Sci)
- Facebook use predicts declines in subjective well-being in young adults(Kross et al., 2013, PLoS One)
- Estimating the association between Facebook adoption and well-being in 72 countries(Vuorre & Przybylski, 2023, R Soc Open Sci)
- Social Media and Mental Health(Braghieri, Levy & Makarin, 2022, Am Econ Rev)
メモ:想定キー論文Braghieri, Levy & Makarin(2022 Am Econ Rev「Social media and mental health」:大学単位の段階的導入で抑うつ増)はPubMed未収載で未照合。停止実験は負、普及度の国際比較は有害証拠なしで方向は混在気味。個人のSNS使用(既収載)とは別。v2.6.1:OpenAlexで1本を確認。Braghieri et al. 2022 AER確認
原典と照合済み(3次)。効果の大きさは代表的な研究の値で、相関は因果を意味しません。
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