オキシトシン(内因性)
血中・唾液中の内因性オキシトシン濃度と幸福
幸せへの効果の大きさ
未検証: 人生満足との直接研究は確認できず。抑うつ患者と健常者の基礎濃度に差なし(g=−0.02、メタ分析k=9, n=546)
未検証/ほぼ無: 社会的同調場面で一過性に上昇する実験報告はあるが、特性的なPA・NAとの関連は不明
- ほかの幸福度指標
- 抑うつ(差なし)・社会的行動・ストレス反応
- なぜ効くのか
- 社会的絆・ストレス緩衝の神経ペプチドだが、末梢濃度の測定妥当性(測定法でレベルが桁違い)が低く、脳内作用を反映しない可能性
- 幸せの4因子
- ありがとう ありがとう つながり場面での一過性上昇に留まる
こうすると更に効く
行の根拠では、抑うつ患者と健常者で基礎的なオキシトシン濃度に差がありません(g=−0.02)(Engel et al., 2018)。メカニズム欄にあるように、末梢(血液・唾液)の濃度は測定法によって桁違いの値が出るほど妥当性が低く、脳内の作用を反映していない可能性があります。つまり「オキシトシンを増やせば幸せになる」と考えるより、オキシトシンが関わるとされる「つながりの場面」そのものを増やすほうが現実的です。社会的同調場面で一過性に上昇するという報告はあるので、効くとすれば濃度ではなく、ハグ・会話・協働といった行動の側です。既収載の『社会的支援』などの行を参照するほうが実践には役立ちます。
気をつけること
確度はCで、人生満足との直接研究は確認できず、根拠は弱いです。外因性(点鼻)投与の研究とは別項目で、ここでは内因性の濃度のみを扱っています。測定法の問題で結果が不安定なため、「オキシトシン値を測って幸福度を知る」といった商品やサービスには慎重になってください。反応性(変化量)を見るデザインが推奨されており、今後の研究で見方が変わる可能性はあります。気分の落ち込みが続くときは、ホルモンのせいにせず専門家に相談してください。
最初の一歩
ホルモン値を気にするより、今日1回、誰かと目を合わせて話す時間を作ってみてください。「オキシトシン=幸福」という説明を見かけたら、根拠が薄いと知っておくだけでも一歩です。
主要な研究
- The endogenous oxytocin system in depressive disorders: A systematic review and meta-analysis(Engel et al., 2018, Psychoneuroendocrinology)
メモ:「愛情ホルモン=幸福」という通俗理解に反し、基礎濃度と抑うつに関連なし。外因性(点鼻)投与研究とは別項目。測定法の問題で結果が不安定。反応性(変化量)デザインが推奨される
原典と照合済み(3次)。効果の大きさは代表的な研究の値で、相関は因果を意味しません。
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