ポジティブ感情と健康に関わる神経内分泌・心血管・炎症プロセス
Positive affect and health-related neuroendocrine, cardiovascular, and inflammatory processes.
A. Steptoe, J. Wardle, M. Marmot(2005)Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 102(18), 6508–6512
日常生活で幸福を感じている中年男女ほどコルチゾール、心拍数、ストレス時の炎症反応が低いことを、心理的苦痛とは独立に示した。
要旨根拠:抄録
抑うつなどのネガティブ感情は早期死亡や心疾患のリスクと関連するが、ポジティブ感情が健康を守る経路はよく分かっていなかった。本研究は英国の中年男女を対象に、勤務日の中で繰り返し幸福感を報告してもらう経験サンプリング法(=日常の瞬間ごとに気分を記録する方法)でポジティブ感情を測定した。幸福感が高い人ほど1日のコルチゾール分泌量が少なく、これは年齢、性別、社会経済的地位、BMI、喫煙とは独立であり、休日にも同様の傾向がみられた。また幸福感は携帯型モニターで測った心拍数の低さと関連し、実験室の心理的ストレス課題では血漿フィブリノゲン(=炎症や血液凝固に関わるたんぱく質)の反応が小さかった。これらは心理的苦痛とは独立しており、ポジティブな幸福感が健康に関わる生物学的プロセスと直接結びついていることを支持する。
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 3本
- W0017 幸福と人間の潜在力について:快楽主義的・エウダイモニア的ウェルビーイング研究のレビュー Ryan(2001) Annual Review of Psychology 主要400 被引用 11,279
- W0092 レジリエンスの高い人はポジティブ感情を使ってネガティブな感情経験から立ち直る Tugade(2004) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 3,898
- W0706 ポジティブ・ヘルス:ウェルビーイングと生物学をつなぐ Ryff(2004) Philosophical transactions of the Royal Society of London. Series B, Biological sciences 被引用 919
後続研究(この論文を引用している) 15本
- W0076 相対所得、幸福、効用:イースタリン・パラドックスとその他の謎の説明 Clark(2008) Journal of Economic Literature 主要400 被引用 3,386
- W0172 主観的幸福感の測定の発展 Kahneman(2006) The Journal of Economic Perspectives 主要400 被引用 2,538
- W0181 幸福な人は長生きする:主観的ウェルビーイングは健康と長寿に寄与する Diener(2011) Applied Psychology Health and Well-Being 主要400 被引用 2,497
- W0189 主観的ウェルビーイング研究の進展 Diener(2018) Nature Human Behaviour 主要400 被引用 1,748
- W0200 心理的ウェルビーイング、健康、加齢 Steptoe(2014) The Lancet 主要400 被引用 2,006
- W0393 生活満足尺度の理論と妥当性 Diener(2013) Social Indicators Research 主要400 被引用 1,304
- W0435 ポジティブな心理的ウェルビーイングと死亡率:前向き観察研究の定量的レビュー Chida(2008) Psychosomatic Medicine 主要400 被引用 1,498
- W0444 主観的ウェルビーイング科学の進展と未解決の問い Diener(2018) Collabra: Psychology 主要400 被引用 946
- W0778 主観的ウェルビーイングは健康に影響するのか、なぜ、いつ影響するのか:今後必要な研究 Diener(2017) Applied Psychology: Health and Well-Being 主要400 被引用 600
- W0197 ポジティブ感情と人間のフラリッシングの複雑なダイナミクス Fredrickson(2005) American Psychologist 被引用 2,269
- W0496 感情体験は年齢とともに良くなる:10年以上にわたる経験サンプリングに基づく証拠 Carstensen(2011) Psychology and Aging 被引用 1,177
- W0613 心の満ち足り:ポジティブな心理的ウェルビーイングと心血管の健康との関連 Boehm(2012) Psychological bulletin 被引用 874
ほか 3 件
読む・引用する
- 論文ページ
- https://doi.org/10.1073/PNAS.0409174102
- 無料で読めるか
- ○ グリーン(リポジトリ等で公開) 無料本文 ↗
- DOI
- 10.1073/PNAS.0409174102
文献表記(APA第7版)
影響力の指標
- 著名度スコア
- 50.9 / 100 スコアとは
- 被引用数
- Semantic Scholar 792(うち影響引用 21)・ OpenAlex 767
- 年あたり被引用
- 36
- FWCI
- 30.1(同年・同分野の平均の何倍引用されたか)
- 同年同分野で
- 上位 0.2%
- 分野(OpenAlex)
- Psychological Well-being and Life Satisfaction
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
つながり ほかの保存版コレクションから、内容の近いもの
- 名言集小確幸 ── 小さいけれども確かな幸福村上春樹
- 名言集幸福は身体には良い。しかし、精神の力を育てるのは悲しみであるマルセル・プルースト
- 幸せに効くことオキシトシン(内因性)「愛情ホルモンが多いほど幸せ」は通俗理解。血中濃度と抑うつに関連なし
- 幸せに効くこと心血管疾患(心疾患・脳卒中)心臓や脳の病気は幸福を下げるけれど、前向きな感情は予後を守る側にも働きます
- 調査・報告書Gallup 世界の感情レポート(Global Emotions Report/State of the World's Emotional Health)昨日、笑ったか・心配したかなどを世界の人に尋ね、日々の感情の明暗を国別に比べる年次報告書。
- 思想マップポジティブ心理学1.0快い感情・没頭・意味・良い関係・達成(PERMA)という測れる要素を、自分の強み(性格の良い面)を使って増やしていけば、幸福(フラーリッシ…
- 発達マップ幸福度診断の運用5つの発達段階で比べた表・サーベイ・診断とWBC組織版の読み方
- 禅語百選和顔愛語和やかな顔と、慈しみのある言葉。何も持たなくても、誰にでもできる最も身近な布施。
内容の近さをAIで自動計算して選んでいます。保存版コレクションの一覧 →