レジリエンスと発達:逆境を乗り越える子どもの研究からの寄与
Resilience and development: Contributions from the study of children who overcome adversity
A. Masten, K. Best, N. Garmezy(1990)Development and Psychopathology, 2(4), 425–444
逆境にある子どもの回復を支えるのは有能な大人との関係や本人の能力などの通常の保護過程だと論じた。
要旨根拠:抄録
本論文は、レジリエンス研究を概観し、正常な発達を理解するうえでの意義と可能性を明らかにすることを目的としたレビューである。レジリエンスは、困難や脅威のある状況にもかかわらず適応に成功する過程、能力、結果と定義される。高リスク児の良好な発達、ストレス下での有能さの維持、トラウマからの回復という3つの現象を検討した。その結果、人間の心理的発達は強く緩衝されており、逆境の長期的な影響は器質的な損傷か、養育システムに組み込まれた通常の保護過程が深刻に妨げられた場合に生じやすいと結論づけた。慢性的な逆境にある子どもは、有能な大人との良好な関係、学習と問題解決の力、人を惹きつける性質、価値ある分野での有能感があるとよりよく回復する。今後は適応を促す過程の研究が必要だとしている。
関係メモ——この研究のその後
- 先行・基盤W0057 Rutter(1987)の保護メカニズム論を発達研究として展開した
- 後続・発展W0264 Masten(2014)が子ども・若者のレジリエンスを国際的に総括し、W0765 Bonanno(2012)とW0938 Bonanno(2015)が逆境後の適応軌跡として定式化し、W0238 Ungar(2011)は環境側を重視する社会生態学的定義へ展開した
- 日本語版・翻訳J003 平野(2010)、J010 石毛(2005)が日本の青年でレジリエンス要因を検討した
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 3本
- W0036 人間の主体性における自己効力感のメカニズム Bandura(1982) Psihologìâ ì suspìlʹstvo 主要400 被引用 9,714
- W0057 心理社会的レジリエンスと保護メカニズム Rutter(1987) American Journal of Orthopsychiatry 主要400 被引用 6,628
- W0571 子ども用の統制の所在尺度 Nowicki(1973) Journal of Consulting and Clinical Psychology 被引用 1,698
後続研究(この論文を引用している) 7本
- W0229 IQと自我レジリエンス:概念的・実証的なつながりと区別 Block(1996) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 2,416
- W0264 子どもと若者のレジリエンスに関するグローバルな視点 Masten(2014) Child Development 主要400 被引用 1,538
- W0674 レジリエンシーという心理的資本の開発 Luthans(2006) Human Resource Development Review 被引用 866
- W0765 年次リサーチレビュー:逆境へのポジティブな適応—最小影響型レジリエンスと出現型レジリエンスの軌跡 Bonanno(2012) Journal of Child Psychology and Psychiatry and Allied Disciplines 被引用 650
- W0938 心理的レジリエンスの時間的要素:個人・家族・コミュニティ研究のための統合的枠組み Bonanno(2015) Psychological Inquiry 被引用 462
- W1098 レジリエンス:ポジティブな認知の三つ組を通じて幸福感を高める Mak(2011) Journal of counseling and psychology 被引用 389
- W1213 健康と病気におけるレジリエンス Babić(2020) Psychiatria Danubina 被引用 213
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- 論文ページ
- https://doi.org/10.1017/S0954579400005812
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- DOI
- 10.1017/S0954579400005812
文献表記(APA第7版)
影響力の指標
- 著名度スコア
- 84.7 / 100 スコアとは
- 被引用数
- Semantic Scholar 3,290(うち影響引用 95)・ OpenAlex 3,382
- 年あたり被引用
- 88.9
- FWCI
- 16.4(同年・同分野の平均の何倍引用されたか)
- 同年同分野で
- 上位 0.6%
- 分野(OpenAlex)
- Resilience and Mental Health
- 主要400の選定
- 著名度スコア上位(概念・年代枠内)
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
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